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セブン銀行、口座開設ができる次世代ATM。NECの顔認証技術活用

セブン銀行とNECは、顔認証技術を活用し、口座開設等ができるATMを開発、今秋より導入することを発表。次世代ATM「ATM+」共同記者発表会を実施した。ATM+は9月から順次導入、入れ替えを開始する。

ATM+では、顔認証による本人確認やQRコード決済に対応。また、AIを活用した現金の需要予測や各種部品の故障予測を行ない、運営の効率化を目指す。

ATM+

ATMで本人確認書類を読み取り口座開設

本人確認においては、顔認証機能と本人確認書類の読み取りを行なう。これにより、ATMで口座開設や住所変更が可能となる。ATMでの口座開設については、10月下旬より実証実験を開始する。

口座開設の手順については、スマホで情報を登録してQRコードを取得してからATMで手続きを行なうパターンと、ATMですべての手続きを行なうパターンの2パターンを予定。QRコードや本人確認書類の読み取りには、ATM左側の木目調の部分、「+(plus)エリア」を利用する。

plusエリア

QRコードを利用する場合は、まず始めにスマホに表示したQRコードをplusエリアに置いて読み込ませ、事前に登録した情報を確認する。なお、画面に表示されている申込情報はデモ用。

QRコードを読み込ませて情報を確認

次に本人確認書類をplusエリアに置いて撮影、続いて実物の顔写真を撮影する。本人確認書類と実物の顔写真を照合し、本人確認が完了。申し込みへと進む。ちなみに実物の顔写真を撮影する際、顔にカメラが被らないよう下に構えてピントを合わせている、つまり下を向いている状態で顔を認識され、顔認証が済んでしまった。

免許証と実物の顔写真で本人確認

口座開設だけではなく、カードを使用せずに顔認証だけで現金を引き出せる機能を搭載していることも紹介。デモンストレーションでは、ATMでの顔認証の後、暗証番号を入力して引き出すという手順で行なった。

顔認証での現金引き出しのデモンストレーション

なお顔認証技術にはNECの、米国国立標準技術研究所の顔認証技術ベンチマークテストで4回連続第1位を獲得した技術を活用しているという。

plusエリアのQRコード読み取り機能は、口座開設時の利用だけではなく、QRコードを用いた決済や、スマホ決済サービスのチャージなどにも利用可能。また、非接触ICの読み取り機能も備える。

非接触ICについては、従来のセブン銀行ATMで対応していたFeliCaに加え、TypeA/Bにも対応。マイナンバーカードやパスポートの情報も読み込むことができる。

ATMに新たに搭載されたそのほか機能としては、Bluetooth機能が挙げられる。取引時のスマホのBluetooth機能がオンの状態であれば、クーポンや利用明細票のスマホへの配信が可能としている。

誰にでも見やすく、分かりやすく、使いやすいデザイン

ATM+では、利用しやすさを図り、上下一体画面を採用。見やすい大きな文字とアニメーション、分かりやすい色づかいを採用している。取引画面においては、カラーユニバーサルデザインの認証を取得しているという。

また、カップホルダー、杖置き、買物袋下げを利用しやすい位置に変更。インターホンは車いすでも利用しやすいよう、従来よりも低い位置に設置している。なお従来機のカップホルダーと杖置きは追加で設置されたため、バイザーの外側に位置する。

(左)従来機、(右)ATM+

より安心・安全に利用できるようにするため、全体のデザインについては、より高いプライバシー性を実現できるよう、曲面バイザーを採用。また、防犯対策として、ATMでの金融犯罪行為を自動で検知してコールセンターへ通知する。

運営の効率化のため、AI・IoTも活用。ATM毎に現金の需要をAIが予測するほか、IoTによりATM各種部品の故障を感知、予測する。

そのほか、防災科学技術研究所、セブン-イレブン・ジャパンとともに、一部のATM+に地震計を設置し、データの共有を行なう。これによる、災害全般の状況の把握と防災力強化に関する取り組みを目指す。

セブン銀行 代表取締役社長 舟竹泰昭氏は「デジタル化、キャッシュレス化が進むことで、ATMは公衆電話のようになってしまうのではないかという声がある」とした上で、「パソコンやスマホで完結することに対しリスクや不安を感じる人や、お年寄りなど、デジタル化、キャッシュレス化についていけない人もいる」と説明。「デジタルとアナログ、あるいはバーチャルとリアルをつなぐ橋渡しとして、役割を担うことができる」と述べた。

NEC 代表取締役 執行役員社長 兼 CEO 新野隆氏は「安全安心の強化もさることながら、これからのデジタル化の時代の中で、様々な新しいサービスをやっていこうと思っている。これに対し、ATMに搭載した顔認証やAIにより、入出金だけではない、これから起こる様々なサービスに迅速に適応できるプラットフォームとなる」と説明した。

さらに、入出金以外のサービスとして挙げられたのがヘルスケア分野。セブン銀行 執行役員 ATMソリューション部長 深澤孝治氏は、「カメラの画像を使って血流など簡単な健康状態がわかるプロダクト技術ができている。利用の都度、健康を測るようなサービスなどの構想がある」と述べた。

(左)NEC 新野隆氏、(右)セブン銀行 舟竹泰昭氏

ATM+は、9月26日にセブン-イレブン丸の内センタービル店に設置。順次設置台数を増やしていき、10月からは設置したうちの数台で口座開設受付の実証実験を開始。設置計画は、2020年夏までに都内、2024年までに全ATM入替設置を予定している。

セブン銀行 新型(第4世代)ATMの機能紹介