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コインランドリーに「メルカリ」撮影ブース。洗い立ての出品物を撮れる

メルカリは、コインランドリー店を展開するTOSEIと連携し、6月26日からコインランドリー店内に撮影ブースを設置する実証実験を行なう。対象店舗はTOSEI直営コインランドリー「TOSEI Laundry」の東中野店、川口並木店、平台店。

撮影ブースが設置されるTOSEI Laundry 東中野店

対象店舗の所在地は、東中野店が東京都中野区東中野1-36-8、川口並木店が埼玉県川口市並木3-8-8、平台店が神奈川県横浜市都筑区平台1-20。

丈の長い衣服も撮影しやすい。背景色の変更も可能

利用方法は、洗濯が終わった出品予定の衣服を、そのまま撮影ブースのハンガーに掛けるなどして撮影する。今回実施する3店舗では梱包資材も用意されており、梱包して出品の準備まで済ませることができる。用意されている無料梱包資材は「ゆうパケット用段ボール箱」と「宅配ビニール袋」。

洗濯が済んだ出品物を取り出す
撮影ブースで撮影
設置された梱包資材で梱包までできる

撮影ブースにはメジャーも用意されており、衣服のサイズを測ることができる。また用意されているハンガーは、衣服が立体的に見えるような業務用の物を設置しているという。

ジャケットの右側に掛けられているのがメジャー

撮影ブースの下部は手前側に向けて台のようになっているが、これはこの上に置いて物や衣服のタグを撮影できるようにするため。この台は、水平ではなく少し斜めになっている。これにより真上から撮影するのではなく、手前側から撮れるため撮影者の影が入りにくいという、細やかな工夫が凝らされている。

台になった部分に物を置いて撮影ができる

台の部分は下に下ろして真っ直ぐにすることも可能。これにより、ワンピースなど丈の長い衣服にも対応する。

丈の長い衣服にも対応

背景布は、白のほか、ネイビーとブラウンのリバーシブルの物も用意。白い衣服などを撮影する際の使用を想定している。

ネイビーとブラウンの背景布

きっかけは、とある来店客との出会いから

そもそもなぜコインランドリーとメルカリが組むことになったのか。

TOSEI 取締役 副社長 マーケティング本部長 高橋岳彦氏によれば、社員が直営店を巡回している中で、コインランドリーの畳み台(洗濯した衣服を畳むための腰くらいの高さの台)で、衣服を撮影している女性を見つけたことがきっかけだという。

その女性に話を聞いてみると、メルカリに出品するための撮影で、家で撮影すると生活観が出てしまうので、広さもあるコインランドリー内で撮影しているとのことだった。

そこでアイデアが生まれ、TOSEIからメルカリに、コインランドリー内で撮影スポットを提供する話を持ちかけた。しかし実は「当初は話に乗ってもらえるとは思っていませんでした」と高橋氏は笑う。

それに対してメルカリの反応はどうだったのか。

メルカリ マーケティング部 マーケティングスペシャリストの長廻悠人(ながさこゆうと)氏は、「家の中では十分な撮影スペースを取れない」といったメルカリが把握していたニーズにマッチした提案ということで、急ピッチで進めることが決まったと説明。

メルカリ マーケティング部 マーケティングスペシャリスト 長廻悠人氏

その後は、デザインやブースの設計などを進め、3カ月ほどで実施に至った。

ブース設計や背景布の提案など、中心となって進めたのは、TOSEI マーケティング本部 主任 研究員 須田雅太郎氏。須田氏は、前述の撮影をしている女性に出会った人物でもある。ブースは照明も含め、きれいに撮れるよう、こだわっているという。

TOSEI 須田雅太郎氏(左)と高橋岳彦氏(右)

今回の施策では、場所代などは発生していない。TOSEIのメリットは、コインランドリーを使ったことがない若い世代に、足を運んでもらい、見てもらう機会を作ることとしている。

今後はTOSEIが製造販売をしている業務用クリーニング機器の代理店を通し、直営店以外も含めて夏ごろまでに50店舗の展開を目指す。またメルカリは、オフラインの接点を通じて「メルカリ」での売買体験をより良くするたの環境整備に取り組む。

なお梱包資材の設置は、今回の実証実験の3店舗のみで、今後の展開については未定。また、梱包資材はなくなり次第提供を終了する。