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期限切れのカセットボンベや調味料はどう処分する?

冷蔵庫の奥深くで眠っている調味料や、使用期限が切れてしまったカセットボンベ、もう使わないけど中身が入っているヘアスプレー。捨てたいけど正しい捨て方がわからず放置しているものはないでしょうか。我が家にはたくさんあります。

特にジャムはやマヨネーズは、ちょっとだけ使って気がついたら賞味期限が切れているということもありがち。期限内に使い切るのが理想ですが、捨てる必要があるときはどうしたら良いでしょうか。正しい捨て方を調べてみました。

調味料

まず調味料ですが、ジャムやマヨネーズのような粘度が高いものや油分の入っているものは、排水溝に直接流すと排水管が汚れる原因になります。特にジャムは賞味期限が短く、1回使っただけでカビが生えてしまい、一度に捨てる量が多くなることも……。

こうしたものを捨てるときは、新聞紙など古紙に吸収させて包み、液体が漏れないようビニール袋に入れると、シンクを汚さず簡単に捨てられます。

調味料が大量に余ってしまった場合は、新聞紙など古紙に吸収させて包むとシンクを汚さず捨てられます

ですが、自宅に新聞紙がないという家庭もあると思います。古紙がない場合のジャムの捨て方を、整理収納アドバイザーであり、冷蔵庫収納スペシャリストの丸マイさんに聞いてみました。

丸マイ
整理収納アドバイザー、クリンネスト(お掃除スペシャリスト)講師。個人宅の整理収納サービス「mawaru暮らし」主宰。片づけ苦手主婦だった自身の経験から、楽に片づく収納提案を行なっている。ほかにも、子供からシニアまで幅広い層へ片づけや掃除の楽しさを伝える講師としても活動。家電 Watchで「10分こそうじ」連載中。

丸さんによると、「ジャムはペクチンでジェル状に固められているので、瓶にぬるま湯を入れてシャカシャカふれば液体になる」とのこと。これを三角コーナーに捨てれば液体は排水溝に流され、固体はゴミとして三角コーナーに。粘着性がなくなるので、排水管を汚さずに処理できるようです。

量が多いときは、一度大きな容器に移し替えればあふれることなくぬるま湯を入れられます。なお、ジャムはカビが生えやすいですが、カビが生えてる場合は胞子が飛んでしまうのでこの方法はNG。古紙に吸収させて処理しましょう。

カセットボンベ

捨て方に迷ったときにオススメの確認方法は、製造元のウェブサイトを見ること。「メーカーの『よくある質問』などに捨て方の詳細が載っていることが多いので、迷ったときは参考にしてみてください」(丸さん)

カセットボンベの捨て方は、イワタニのサポートページで詳しく紹介されていました。

カセットボンベの処理方法 - Iwatani

イワタニによると、カセットボンベを捨てるときはまず振って音を確認します。シャカシャカと音がしたらまだガスが残っている証拠。このまま捨ててしまうと、ゴミ収集車内でガスが漏れ、火災の原因になったり、焼却炉内で爆発が起きて清掃局員のケガや焼却炉破損につながります。

こうした事故を防ぐために、カセットボンベは完全に使い切ってから捨てるようにしましょう。ガスが残ったカセットボンベを捨てるときは、必ずガス抜きをします。

ガス抜きの方法は、屋外の火の気のない風通しの良いところで、カセットガスのキャップを外し、先端を下にして、先端部をコンクリートなどに押し付けることでガスが抜けていきます。ガスが出なくなった後、カセットボンベを振ってサラサラとした音がしなければ、ガスが抜けて空になっている証拠です。

ガス抜きをした後のカセットボンベは、居住自治体のゴミ出しの取り決めに従って廃棄します。

カセットボンベを捨てるときはまず振って音を確認

なおイワタニでは、カセットボンベに穴をあけてガス抜きをすることを禁止しています。ガスが入った状態で穴をあけると、ガスが噴出して途中で止まらなくなり危険なので、絶対にやらないようにしましょう。

またカセットボンベには有効期限があります。保管状況によって状態が異なるため一概には言えませんが、サビのないことを確認し、製造日(缶底に西暦年月日で印字)から約7年以内を目安に使い切ることを推奨しています。

期限が切れたカセットボンベのほか、変形やゆがみが生じているもの、サビているものなどは、ガス漏れが起こり事故につながる可能性あるので使わないように気をつけましょう。

使ってはいけないカセットボンベ。変形やゆがみが生じている
サビている

ヘアスプレー

同じようにガスを使うヘアスプレーの捨て方についても調べてみたところ、花王のQ&Aページで詳しく紹介されていました。ヘアスプレーも、ガスが残ったまま捨てると火災事故の原因になることがあります。

使いかけのスプレーを捨てたい場合は、風通しがよく火の気のない屋外で、シューッという音がしなくなるまでボタンを押し、残った中身やガスを出し切ってから、各自治体の分別方法に従って廃棄しましょう。

製品によっては、ガス抜きキャップ(残ガス排出用)がついているものもあります。その場合は、まず上記のように火の気のない屋外で残った中身を出し切り、その後ガス抜きキャップを使って容器に残った少量のガスを排出してから廃棄します。

花王によると、LPガスは空気より重いため、屋内では換気扇を回していても下にたまって引火事故を起こす場合があるそうです。危険なので、絶対に屋内ではガス抜きをせず、必ず風通しの良い火の気のない屋外で行なうよう呼びかけています。

ガス抜きキャップ(残ガス排出用)

期限が切れる前に使い切る

今回は捨て方をメインに教わりましたが、丸さんが提唱しているのは「期限が切れる前にできるだけ使い切る」こと。特に調味料はフードロスが問題になっていることからも、食材を無駄にせず食べきるのが理想です。

「例えばジャムは、一度開封するとカビが生えやすくなります。余らせてしまいそうな場合は、開封時に半分ほど冷凍してしまうのもオススメです。瓶は冷凍すると割れる可能性があるので、ジップロックなどのフリーザーバッグを使いましょう。空気が入らないようにし、薄く伸ばして冷凍すると、使いたい分だけ取り出しやすくなりますよ」(丸さん)

ジャムが余りそうなときは、開封時に半分くらい冷凍。薄く伸ばして冷凍すると、使いたい分だけ取り出しやすくなります

また、余りがちなケチャップを日常的に使う方法も教えてもらいました。

「お味噌汁の出汁として使うのがオススメです。ケチャップには、うま味成分であるグルタミン酸が多く入っているので、美味しいお味噌汁ができるんです。トマト味にならず、ちゃんと出汁として使えます。普通に出汁をとるよりも手軽なのでぜひ試してみてください」

今回はゴミとなる前の中身の処分方法を紹介しましたが、容器を捨てる際のルールは、自治体によって異なる部分もあります。居住自治体のゴミの取り決めを確認してから捨てるようにしましょう。