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スプレー缶のガス抜きは屋外で 正しい廃棄方法をおさらい

スプレー缶のガス抜き後に引火する様子(出典:国民生活センター)

1月16日、都内のビルでスプレー缶に穴を開け、ガス抜きをしていたことをきっかけに爆発事故が起きました。スプレー缶を捨てる際、使い切って中身を空にする必要がありますが、方法を誤ると火災や爆発の原因になります。

ガス抜きの基本は、火気のない風通しの良い屋外ですること。ガスは可燃性なため、屋内でガス抜きをすると引火事故につながります。国民生活センターによると、都内ではスプレー缶やカセットボンベによる火災が、2014年から2018年までの5年間で508件発生しています。

都内ではスプレー缶やカセットボンベによる火災が、2014年から2018年までの5年間で508件発生

スプレー缶に穴を開けるのはNG

スプレー缶の正しい使用・廃棄方法を、改めて確認してみましょう。火災事故が起きる場合があるのは、可燃性であるLPガスを使ったスプレー缶(エアゾール製品)。殺虫剤やヘアスプレー、ガスボンベ、消臭剤など身近なものが該当します。

日本エアゾール協会では、これらのスプレー缶の中身を空にするとき、火気のない風通しの良い屋外で行なうよう呼びかけています。LPガスは空気より重いため、屋内では換気扇を回していても下にたまって引火事故を起こす場合があるので、屋外でガス抜きをする必要があります。

シンク内にガスが滞留し、付近の火気から引火する様子(出典:国民生活センター)

ガス抜きをする際、スプレー缶に穴を開ける行為はNG。カセットボンベを販売するイワタニでは、ガスが入った状態で穴をあけると、ガスが噴出して途中で止まらなくなり危険なので、絶対にやらないよう呼びかけています。

イワタニが紹介しているカセットボンベのガス抜きは、屋外でカセットガスのキャップを外し、先端を下にして、先端部をコンクリートなどに押し付ける方法。そうすることにより、ガスが抜けていきます。ガスが出なくなった後、缶を振ってみて「サラサラ」とした音がしなければガスが抜けて空になっている証拠です。

ヘアスプレーを販売する花王は、風通しがよく火の気のない屋外で、シューッという音がしなくなるまでボタンを押し、残った中身やガスを出し切る方法を紹介。その際ティッシュや新聞紙などに吹き付けることで、周囲への飛散を抑えられます。

また、最近のスプレー缶は「ガス抜きキャップ」を備えているものが多く、最後はガス抜きキャップを使って容器に残った少量のガスを排出することを推奨。ガス抜きキャップがない場合は、ボタンを押してガスを完全に抜きます。

ガス抜きキャップ

最後にゴミとして出すときは、不燃ごみ・資源ごみ(缶類・金属類)など、自治体の分別ルールに従って捨てましょう。

なおカセットボンベには有効期限があります。期限が切れたカセットボンベのほか、変形やゆがみが生じているもの、サビているものなどは、ガス漏れが起こり事故につながる可能性あるので廃棄の対象となります。

有効期限の目安は、サビがない場合で製造日から約7年。製造日の記載場所は製品によって異なるため、メーカーのウェブサイトなどで必ず確認しましょう。