ニュース
東京駅・羽田空港が18分 「羽田空港アクセス線」工事でシールドマシン稼働へ
2026年11月6日 20:31
JR東日本は6日、建設中の新線「羽田空港アクセス線(仮称)」のシールドトンネル工事を報道関係者に公開した。
工事の山場となるシールドトンネル掘削がいよいよ開始され、11月16日にシールドマシンが稼働を始める。
東京駅・羽田空港を18分で 31年度改行目指す
羽田空港アクセス線についてはすでに概要が発表されているが簡単に振り返る。
既存の都心鉄道とダイレクトに繋がる新線を整備することで、都心から羽田空港へのアクセスを改善するのが羽田空港アクセス線の狙いだ。
その要となるのが東京貨物ターミナルから羽田空港までの「アクセス新線」で、全くの新規に路線を整備する。羽田空港に駅のある既存の路線に比べると、アクセス線は比較的直線に近い形で、かつ途中駅無く羽田空港に直結する。
このアクセス新線を「東山手ルート」と呼ばれる路線と接続することで、東京駅と羽田空港を18分で結ぶ。現状では同駅間が30分ほどなので、大幅な時間短縮になるほか、同区間が乗り換えなしという利便性も生まれる。
この東山手ルートの開業は2031年度で、JR東日本によると現在計画通りに進捗しているという。同社では、「都心と羽田空港のアクセスが良くなることで、東京の国際競争力向上にも寄与できる」と話している。
なお、東山手ルートとなる田町駅付近から東京貨物ターミナル間は現在使われていない大汐線を整備して活用する。田町駅付近では東海道線が分岐する形になる。既存路線を使うため早期の整備が可能になったそうだ。
アクセス新線にはこのほか、新宿駅や渋谷駅と繋げる「西山手ルート」、千葉方面と繋ぐ「臨海部ルート」も計画されている。
1日10mの速度。最大深度は45mにも
アクセス新線区間の5kmはすべて地下トンネルとなる。うち空港島までの2.3kmをJR東日本が、空港島地下の1.9kmを国土交通省が担当し、両側からシールドマシンを発進させる。
シールドマシン工法は地上部への影響が少ないとされ、都市部や地下水が多い場所で広く使われる工法となっている。
マシンの直径は11.8mの大口径タイプで、そのトンネルには複線を収容できる。マシンの奥行きは12.7m。2026年4月~10月に組み立てが行なわれた。愛称は「はるとん」で、“Haneda airport Access Line Tunnel”の頭文字からとった。
泥水式シールドと呼ばれる方式を採用し、地上プラントから送られる泥水を先端に充満させ、土砂の崩壊を防ぎながら掘り進む。掘削した土砂はこの泥水に取り込んで地上に送り、プラントで脱水などを行ないダンプで搬出する。
今回「ロスゼロ工法」も採用した。通常はマシンの屈進を1段階終えてからセグメントを組み立てるが、ロスゼロ工法ではマシンの屈進と同時にセグメント(壁材)の組み立ても行なう。屈進状態を保てるため時間的ロスが発生しないという。
1リングは9個のピースからなり、下半分の5ピースを屈進と同時に組み立てる。組み立て中のジャッキは推進力を発揮しないが、上半分の4ピース分のジャッキ圧力を自動制御することで、マシン全体の屈進方向を保持し同時施工を可能にしているという。
シールドマシンの速度は1日当たり10mで、セグメントで作られたリングが5~6個完成するスピードだそう。ちなみに先端の回転速度は1分に1回転とのこと。
こうした工夫によりマシン稼働から約1年でシールドトンネルの工事が完了する予定だ。京浜南運河と接する空港島の地中40mでトンネルが接合することになっている。
トンネル断面は2層構造で上に列車が通り、下は避難空間と保守空間が用意される。起点側と終点側に地上への避難ルートも設けられる。JR東日本では、万一の場合でも安全に避難できるとしている。
シールドマシンは組み立てが完了し、東京貨物ターミナルの起点方立坑内に収まっていた。立坑のサイズも16m四方と大きい。深さは21mという。この地点でシールドマシンの深さは4mとなり一番浅い位置だが、掘削を進めると最大45mまで潜る。
シールドマシンの後方には運転管理室、制御盤、作動油タンクなどの台車が連なる。現在は5台の組み立てが完了しており、本工事では台車が10台編成となる。長さは100mに及ぶ。
トンネル工事完了後のシールドマシンは解体され、地上に戻す計画となっている。
地上からは急勾配でトンネルへ
シールドマシンの後方の田町駅方向は、地上とトンネルを繋ぐアプローチになる。ここはトンネルではなく開削区間で、U字擁壁で構成される200mほどの坂道となる。
その坂は鉄道としては急勾配という34.5パーミルで、「地上から一気にトンネルに入る」(JR東日本)イメージという。
すでに床にはコンクリが打設され、U字擁壁も一部が完成していた。この部分に本来天板はないが、現在はシールドトンネルのセグメント運搬に必要な通路を確保するため上が覆われている。
完成時には天板や中央の柱などが取り除かれ、複線のレールが敷かれることになる。

































