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欲しいものが「もう揃ってる」へ 「ヤフショ」AIエージェントの世界
2026年8月18日 20:00
AIサポート機能が好評
2月から提供を開始した「Yahoo!ショッピング AIエージェント」は利用が拡大しており、経由流通が全体の約20%になるなど「すごい勢いで伸びている」(LINEヤフー コマースドメイン ショッピングSBU プロダクト開発1ユニット ユニットリードの市丸数明氏)という。
最も利用され根強い人気を獲得しているというのが「おトクな日を提案する機能」で、約37%が利用。提案スピードや日程の幅を拡張するなどのアップデートも順次加えられている。「AIおまかせ比較」も37%で同等の利用率。全体として、購入の意思決定をサポートする機能が利用を牽引しているとした。6月から提供している「AIお買い物メモ」は1カ月で利用者数が約12倍になるなど急成長しており、利用率は22%になっている。
LINEヤフーは「カスタマージャーニーのすべてのポイントにAI機能を導入していく」(市丸氏)と意気込む一方、現時点では「決済の代行」をAIに任せる段階にまでは踏み込まない慎重な姿勢を示しており、当面は“上流”サービスの強化に注力する方針。
AIの決済代行は技術的には可能とするものの「AIに決済を委ねられるのか、それぐらいの信頼度があるのか、という問題。信頼度を築くこと、まずはそこからというスタンス」(市丸氏)としている。
ヤフショが目指す“もう揃ってる”世界
今後追加される機能は3種類が明らかにされた。まず、「AIお届け予報」を9月30日にリリースする予定。これは、ストアの過去の配送実績などを元にして、AIが現在の配送状況や今後の見通しを整理・要約して案内するもの。配送遅延時には状況に応じた問い合わせ導線も案内する。
現在でも、AIエージェントに配送関連の質問をするユーザーが多いとのことで、商品購入後のストレスや不安を解消する機能と位置づけるほか、ストア運営者にとっても問い合わせ対応が減る効果が見込めるとしている。
次に「AIおまかせコーディネート」が9月に提供される予定。これは、気になるアパレル商品を選ぶとファッションスタイル別にコーディネートが複数提案されるというもので、生成AIの能力により、着丈などのデータを反映した“着用時のサイズ感”をイメージ化する。商品やデータの整備が必要なことから、ストアの協力を得て一部からスタートする。
3つめは「ヤフショメイク(仮)」で、晩秋に提供を予定する。これは、従来のレコメンド機能を発展させたもので、Yahoo!ショッピングでの行動・購買履歴や長期記憶を活用して、ユーザーが気になっている商品にすぐにアクセスできるようにし、ユーザー一人ひとりに“パーソナライズされた売り場”を提供するという機能。
ページデザインや掲出される商品はユーザーが自由にコントロールできるのも特徴。例えば、気になっている商品のうち、Yahoo!ショッピング以外で購入したものはオススメから除外できるという。提供する場所は現在検討中で、Yahoo!ショッピングのトップページとして表示する可能性もあるとしている。
こうしたAIエージェントの機能を拡充することで、「欲しいものが“もう揃ってる”のがYahoo!ショッピングの目指す世界」(市丸氏)とした。
なおLINEヤフーは、「AIの利用は強制しない。(判断を)任せたいものはAIを使ってもらう。どちらかに寄せるような思想ではない」(市丸氏)ともしており、従来型の、ユーザー自身が比較検討して選ぶショッピングスタイルも並行して提供するとしている。
AIエージェントだから取れる“背景”情報
このほか市丸氏からは、AIエージェントが商品を探す時代において、既存のEコマースには「コンテキストのデータが圧倒的に足りていない」(市丸氏)という指摘もなされた。
ここでいうコンテキスト(文脈)とは、ユーザーが何の用途で買ったのか、どういうタイミングで買ったのかという背景情報のこと。翻って「AIエージェントだから取れるデータになる」とも指摘し、「このデータの情報拡充は積極的にやっていきたい」と、AIコマース時代の重要な情報になるとの見方を示している。
ストアの課題を“能動的”に提案
ストア運営者向けのAIエージェント機能「Yahoo! EC Pilot」も拡充し、新たに「コンサルティングレポート(仮)」が今夏以降に提供される予定。
これは、AIがストアの状況を分析して課題を発見し、次にとるべきアクションを“能動的”に提案するというもの。質問への回答ではなく、AIが自律的に改善案を示すことで、経営判断のスピードアップや負担軽減を図れるとするほか、提案を実行した際は改善できたかどうかもレポートされる。
また、LINE公式アカウントから配信する文面について、結果やその分析、改善案を示す機能が提供される予定。すでに開発は完了しているとのことで、まもなくリリースされる見込み。
すでに提供されている機能には、競合他社と比較して改善策を提案する機能などもあり、毎日の運営に役立つような機能を拡充しているのも特徴としている。
ストア運営において「Yahoo! EC Pilot」の利用率は50%近くに達しているとし、「Yahoo! EC Pilot」利用ストアの取扱高は、非利用ストアと比べ前年比で15ポイントほど拡大するなど、成績を高めている傾向があることも紹介されている。
「大切なのは、AIでデータで分析し成長のポイントを見せること。成長に追われる日々から、成長を楽しむ日々に変えたい。分析し判断する時間を、高度な戦略を考える時間に変えてもらいたい」(LINEヤフー コマースドメイン ショッピングSBU プロダクト開発2ユニット ユニットリードの河内俊介氏)と、ストア向けAIエージェントの一層の活用を呼びかけた。












