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台湾に新幹線N700Sベースの新車両を出荷 28年に営業運転

日立製作所および東芝などで構成されるHitachi Toshiba Supreme Consortium(HTSC)は、台湾向け新型高速鉄道車両「N700ST」の第1弾の製造を完了し、出荷する。HTSCが2023年5月に台灣高速鐵路股份から受注した新型高速鉄道車両12編成(144両)のうち1編成(12両)になる。

東海旅客鉄道の最新型新幹線車両「N700S」をベースとし、台湾高鉄の運行環境やニーズに合わせて設計された車両。1編成あたりの長さは約300m、最高速度時速300kmで営業運転が可能。

先頭車両の形状がトンネル進入時に発生する抵抗を低減しているほか、炭化ケイ素(SiC)デバイスと走行風冷却システムを組み合わせた駆動システムを採用することで、機器の小型軽量化と電力消費量削減を実現している。

また、架線停電などで電力が失われた際のバックアップ電源として、東芝のリチウムイオン電池「SCiB」を採用した自走用バッテリ装置を搭載。停電時には、この装置からの電力で車両を低速走行させ、安全な場所まで移動できるほか、照明やトイレなどの車内設備も利用できる。

外観は、先頭部に白を基調としたデザインを採用し、台湾高鉄のコーポレートカラーで明るい未来などを意味するオレンジと、現在走行中の「700T」で使用されている黒のラインを組み合わせることで、連続性を継承しながら、新世代高速鉄道車両としての先進性とスピード感を表現している。

車内は、700Tで使用された色を、標準車両の座席に部分的に残しつつ、ビジネスクラス車両の色はグレーとし、より落ち着きのあるカラーリングとした。標準車両にはリクライニング時に座面が沈み込む座席、ビジネスクラス車両には包み込み式座席を採用。揺れを大幅に抑えるフルアクティブ制振制御装置や、全席にコンセントを設置するなど、快適性と利便性の改善を図っている。

車内案内にはフルカラーの液晶ディスプレイを採用し、上下2段表示により、列車情報や次駅案内の視認性を高めた。全車両に荷物置き場を設置し収納性も向上させた。授乳室には洗面台、コート掛け、ベビーシートを新設し、車椅子スペースを現行車両より増設するなど、バリアフリー設備も充実させている。

新型高速鉄道車両全12編成(144両)は2028年末までに営業運転に導入される予定で、北は台北市南港駅、南は高雄市左営駅を結び、台湾の南北の主要交通ルートを走行する。今回の車両数の増強によって、ピーク時には現在と比べ約25%の輸送力を増強する見込み。