ニュース

ネット銀行4行、住宅ローン不正防止で協定 悪質業者情報を共有

イオン銀行とPayPay銀行、auじぶん銀行、SBI新生銀行の4行は29日、住宅ローンの不正利用を未然に防止するための「住宅ローン不正利用に関する情報交換協定書」を締結した。住宅ローンの不正利用に対抗する取り組みで、不正に関与する恐れのある不動産会社や手口に関する情報を各行が共有し、対策を強化する。

住宅ローンは本来、住まいを取得するための金融商品だが、近年は、居住目的を偽った利用や、物件価格の不当な水増し、収入資料の改ざんなど、本来の趣旨と異なる形で住宅ローンが利用される事例が確認されている。また、こうした不正利用では、不動産会社等が主導し、利用者自身が不正と気付かないまま巻き込まれているケースもあるという。

これまでは銀行各社が独自の不正対策を行なってきたが、不正の手口が巧妙化し、一社単独での対応が難しくなっているという。そのため今回の協定は、不正に関与する傾向のある企業の情報などを共有し、潜在的なリスクを可視化。未然の不正防止につなげていく。

情報交換は、当初は月1程度の頻度で、不正に関与する傾向がある企業や不正時期などを共有。加えて、定期的にその不正手法の詳細や対策を協議する会合を設ける。また、緊急性の高い情報は即時に情報共有を行なう。

なお、この情報共有には顧客情報は含まず、不動産会社等の企業の情報共有を前提としている。関係法令を遵守したうえ、利用する情報は、不正利用の防止目的に限定し、厳重な管理のもとで取り扱う。

今回の協定はイオン銀行が各行に呼びかけて実現。いずれも非対面で住宅ローン手続きを完了できるネット銀行だが、不正対策においては、商圏やチャネルが異なる複数の金融機関が連携することで、単独では検知が難しい不正の兆候を捕捉できることが期待される。そのため、今後、多くの金融機関の参加を呼びかけていくという。

現在課題となっている不正としては、賃貸用やリゾートマンション等を「住居用」と偽り住宅ローンを使おうとするものや、住宅ローンの枠を拡大するために提出書類を不正に改ざんするものなどが多い。こうした不正は、ローンを借りる個人よりも不動産会社が主導するケースが多いが、不正が発覚するとローンを借りた個人が残債を一括で返済するよう求められるなど、生活設計に大きな悪影響を与える場合もある。今回の取り組みにより、こうした問題をなくし、住宅ローン市場全体の健全性を高めていく。