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「在学資格証明」をマイナカードでデジタル化 複数大学やカラオケ活用など実証
2026年3月17日 16:07
デジタル庁は17日、マイナンバーカードを活用した在学資格証明デジタル化実証実験についての報告会を開催した。実証実験は、大和大学、京都女子大学、大阪大学、広島大学の4校が参加し、マイナンバーカードによる在学証明書のデジタル化(VC)インフラを元に、JR西日本の学割サービスや、カラオケのクーポンなどを付与するもの。結果として「ポジティブな反応が得られた」としている。
大学における在学証明書の発行は、窓口対応による時間・場所の制約があるほか、紙の発行の手間が発生し、なりすまし対策なども必要とされる。これに対し、マイナンバーカードとデジタル認証アプリによる本人確認により、申請をスマホからデジタルで行なえるようにすることで、大学側の業務負担削減を図る。あわせて、利用者にとってもデジタルでいつでも証明書取得できるほか、なりすましを防ぎやすい仕組みとしていく。
2024年度にも大学と在学証明書、交通機関(JR西日本)における連携の技術検証を行なったが、2025年度は複数の大学に広げて、交通機関以外にも拡大した。
対象の大学が、大和大学、京都女子大学、大阪大学、広島大学となり(24年度は大阪大学のみ)、特典は「関西おでかけフリーパス」(JR西日本)の購入でポイント獲得と、「カラオケまねきねこ」で使えるクーポンを付与した。
JR西日本のケースでは、学生がスマホで大学の在学証明書を取得し、関西おでかけフリーパスを購入して、チケット画面を駅係員にかざして利用。スマホで本人確認&在学認証を行ない、アンケートに回答すると最大3,000ポイントがWESTERポイントとしてICOCAにチャージされる。
カラオケの特典は、デジタル認証アプリで本人確認して、クーポンを取得し、カラオケまねきねこ店頭でクーポンを提示すると、学割利用できるほか、アンケート回答で500ポイントがもらえるという仕組み。
実証期間は3月2日から15日までの2週間で、JR西日本と、国立情報学研究所(NII)、カラオケまねきねこを運営するコシダカホールディングス、OpenIDファウンデーションジャパンらが協力。全体の取りまとめはJR西日本が担い、NIIのデジタル資格証明発行基盤システムを活用、OpenIDファウンデーションがVC実装支援や技術監修を行なった。
今回の実証期間は2週間と短いが、関西おでかけフリーパスは39名が、カラオケまねきねこの実証は59名が実際に参加した。「大学に人が居ない時期でもこれだけの数が利用したことはポジティブに考えている(JR西日本 デジタルソリューション本部 WESTER-X 事業部 X-aaS 課長 眞鍋宗一郎氏)」とし、特に大学ごとに異なる形態で管理されてきた在学証明書データが問題なく扱え、様々な大学で扱えることが示せたことを成果とする。
NIIのデジタル資格証明発行基盤システムは、全国800の大学の約半数にあたる400校が採用しており、より多くの学校と連携できる可能性が示された。一方で、実証の時期や利用できるサービスの拡大などには課題があるとする。
カラオケまねきねこでは、店舗において「学生証の目検」でのチェックが負担になっており、システム的な対応に切り替えることで店舗オペレーションの負荷が削減できると説明。本格的な導入に期待をかけている。
また、OpenIDファウンデーション代表理事の富士榮尚寛氏は、「政府主導プロジェクト」であることが重要と説明した。政府が主導していないケースでは、国同士のつなぎ込みがうまくいかないケースが多いことから、デジタル庁が主導して立ち上げたことで各国との連携が進めやすいとする。加えて、先行して導入している地域では、「発行」のデジタル化は進んでいるものの、「使う場所」が広がっていないという課題があるという。学生や事業者側のメリットを高めるためには、公共交通機関や事業者を巻き込んでいくことが重要となるとする。
今後は、NIIを中心により多くの大学の意見を聞きながら、拡大を検討していく。大学数の拡大だけでなく、日常の購買から学生生活全般をカバーできるような社会実装を目指す方向としている。在学証明書だけでなく、成績証明や卒業証明などの資格情報への拡大も検討していく。








