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"獺祭"を宇宙で製造 世界初 新型ISS補給機HTV-Xに搭載
2025年10月9日 14:01
獺祭と三菱重工業は共同で、宇宙用醸造装置と清酒の原材料をJAXAのH3ロケット7号機により、10月21日に打上げることを発表した。ISSの「きぼう」日本実験棟において、清酒の醸造試験を行なう「獺祭MOONプロジェクト」で使用するもので、世界初の試み。
国際宇宙ステーション(ISS)への輸送には、今回初実証となる国産の新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」を使用。ISSの「きぼう」日本実験棟での醸造試験は油井亀美也宇宙飛行士が作業する予定で、JAXAと調整中。
獺祭は、将来の月面生活におけるQOL(Quality of Life:生活の質)向上を目的とした、月面での酒蔵建造と獺祭の醸造を目指す「獺祭MOONプロジェクト」を2024年より始動。獺祭MOONプロジェクトphase1としてJAXAのきぼう有償利用制度を活用し、2025年秋に月面重力模擬環境下で宇宙空間での清酒醸造試験を実施する。
「HTV-X」は今回が初めての運用となる宇宙ステーション補給機。ISS到着後は、醸造装置がセットアップされ、水を注入することで日本酒特有の発酵反応である並行複発酵が始まり、醸造試験を行なう。
今回のミッションでは、酒造りに関する部分は獺祭が開発を担当し、宇宙用醸造装置の開発に関する部分は三菱重工が担当している。射場における装置のロケットへの積載、打上げ、ISSにおける運用などに関してはJAXA、三菱重工など様々な日本の関係機関・企業等が連携して取り組んだ、オールジャパンの技術力で臨む挑戦としている。
軌道上での試験は、打上げ後10日程度でスタート。およそ2週間にわたって各種データを地上からモニタリングし、月面重力に相当する1/6G環境下での醸造を行なう。宇宙で発酵を終えた醪(もろみ)は軌道上にて凍結保管され、早ければ年内に地球へ帰還する。
回収後の醪は、地上にて解凍して絞り、完成した清酒の半分は購入者の元へと渡り、残り半分は宇宙醸造サンプルとして各種解析を実施する。


