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楽天、ネットスーパーで270億円の減損 「当初計画を著しく下回る」
2025年10月6日 08:00
楽天グループは3日、ネットスーパー事業に関して、25年12月期 第3四半期連結決算において270億円の減損損失を計上すると発表した。
同社は23年12月、楽天西友ネットスーパー株式会社を完全子会社化し、楽天グループが楽天西友ネットスーパーと倉庫型ネットスーパー事業の運営を継続すると発表。完全子会社化に際し、楽天グループは「楽天エコシステム」を活用し、倉庫型ネットスーパー事業では、「楽天市場」などのEC事業やその他サービスのアセットを生かした早期の収益改善を目指すとしていた。同時に、「楽天全国スーパー」を通じ、全国のネットスーパーにプラットフォーム展開する方針を示し、24年9月にはサービス名称を「楽天西友ネットスーパー」から「楽天マート」へと変更するなどブランドイメージを刷新。商品調達プロセスの再構築を進めていた。
しかし、商品調達プロセスの構築に想定以上の時間を要したほか、スーパーマーケット業界において、消費者の購買行動が実店舗へ回帰するなどの環境変化もあり、ネットスーパー事業における顧客獲得実績が「当初計画を著しく下回る結果となった」としている。そのため、楽天グループは茨木倉庫(関西エリア)からの撤退を決定。こうした対応のため、270億円の減損を計上する。
今後の展開については「生鮮食品EC市場の成長性に着目し、利便性の高いサービスを提供することで、楽天グループの重要なビジネスの一つとして継続していく」と説明。品揃えの拡充やパーソナライゼーションの強化などを推進し、早期の収益の改善を目指すとしている。主な施策は以下の通り。
- 新ロイヤリティプログラムの導入による楽天エコシステムとの連携強化と顧客基盤の拡大
- 顧客ニーズに応じた品揃えの拡充とパーソナライゼーションの強化
- 調達体制の強化と効率化
- 物流網の再構築と効率化
- 不採算エリアからの撤退による収益性改善
