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LINE、大規模リニューアルを発表 新ホームとショッピングタブ追加

LINEヤフーは7日、「LINE」の大規模リニューアルを行なうと発表した。ヤフーとの「クロスユース」を前提に、トークタブのほか、新たなポータル「ホームタブ」が追加されるほか、「ショッピングタブ」も加わり、Yahoo!ショッピングへの送客も強化する。

7日には、LINEヤフー合併後初となる2023年度第2四半期決算を発表。その中で今後の重要戦略として、LINEのリニューアルを発表した。リニューアルは2024年度を予定しており、新LINEでは、ホーム、トーク、VOOM、ショッピング、プレイスの5つのタブを用意する。

ホームは、ニュースやコンテンツが集まる新ポータルとなり、ヤフーの検索サービスとも連携する。トークやVOOMは従来どおりだが、VOOMにおける動画力を強化していく。

ホームタブ。ニュースやコンテンツを強化

新たなショッピングタブは、LINE起点のショッピング体験を実現。LINEからすぐにアクセスでき、LINEユーザーをYahoo!ショッピングなどに送客し、コマース事業の売上拡大を図る。単純にYahoo!ショッピングを統合するのではなく、LINEユーザーにとって最適な形のコマース体験を模索していくという。

また、プレイスタブではガイドマップ的なメディアとしてリニューアル。マップや予約をLINEからシームレスに行なえるようにする。例えば飲食店の予約など、シームレスにヤフーのサービスに繋いでいく形を想定している。

ショッピングとプレイスタブ

9.600万人のLINEのユーザー基盤を活用して、サービスのクロスユースを促進していく。なお、これまでのLINEを大きく変えるようなアップデートとなるため、「時間をかけて慎重にやっていく」(LINEヤフー出澤剛CEO)と説明した。

LINEヤフー出澤剛CEO

LINEヤフーのクロスユースを推進

10月からスタートしたLINEとヤフーの「アカウント連携」の実績は11月6日時点で、1,948万アカウントで、「想定を上回っている」という。これによりサービスのクロスユース拡大と、広告売上の上昇を見込む。また'24年度にはPayPayとのアカウント連携も予定している。

Yahoo!プレミアムを刷新する「LYPプレミアム」も、11月29日にスタート。月額料金は508円を継続するが、Yahoo!だけでなくLINEスタンプなどLINE関連の特典が増える。

検索においては、8割がYahoo! JAPANトップページから行なわれているため、トップページを強化。2023年第2四半期は前年同期比で5.6%増加している。また重要なクエリ領域として、コマース、ローカル、ナレッジを強化していく。2023年度上期では、LINEアプリからYahoo!検索に対応したほか、ローカルでは飲食店検索を強化、また有名人プロフィールのリッチ化などを行なった。下期は、検索連動型ショッピング広告を提供し、コマースを強化する。

また検索に生成AIを活用し、Chat UIを含む検索を10月からスタート。また11月にはYahoo!知恵袋への生成AI活用も予定している。

金融は再編により、重複事業を整理して一本化。上期は調整後EBITDAで78億円を改善している。また、PayPayを軸にしたサービス連携により、PayPayカードの取扱高や、PayPay銀行の口座数を拡大。さらにLINEアプリにおけるPayPay決済などの連携や、LINEの友達へのPayPay送金も予定している。

LINE Payについては、LINEのサービスと密接に連携して使われているため継続していく。金融サービスにおいても、LINEとヤフー、PayPayを連携させることで成長を目指す。

なお、11月以降も継続的にLINEを使うために必要な、LINEヤフーの「プライバシーポリシー」への同意取得については、「(これまでも同様の同意取得を行なったが)進捗率は、いつもよりちょっといい。相当数のユーザーに同意いただいている」(出澤CEO)という。

第2四半期は過去最高に

2023年度第2四半期決算は、売上収益4,412億円(前年同期比11.9%増)、調整後EBITDAは1,033億円(同28.1%)で、第2四半期として過去最高。メディア事業で、広告が回復したほか、アカウント広告が料金プラン改定で20%超の成長となった。

コマース事業はショッピングが前年割れだが、取扱高は改善。またトラベルは2桁成長となった。ZOZOやアスクルとのシナジーについてもLINEヤフーのユーザー基盤や技術力が、成長に寄与していると説明した。

PayPayなど戦略事業は、選択と集中により、調整後EBITDAが初の黒字化となった。PayPayの連結EBITDAは23億円のプラス、PayPayカードはPayPayとのシナジーにより取扱高が31.8%成長し、リボ残高は前年同期比56%拡大した。PayPay銀行も各指標で2桁成長となった。