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ぺんてる、ノックや芯折れの時間ロスを減らすシャープペン「オレンズAT」

ぺんてるは、自動芯出し機構搭載シャープペンの新モデル「オレンズAT デュアルグリップタイプ」を、1月24日に発売する。芯径は0.5mmで、価格は2,200円。

ノック1回でずっと書き続けられる「自動芯出し機構」、ペン先で芯を守って書く「オレンズシステム」、しっかり握れるラバー付き金属グリップ「デュアルグリップ」を採用。ノック動作や芯折れによる時間ロスを大幅に減らすことで、これまで以上に書くことに集中できるという特徴を持つ。

自動芯出し機構では、ペン先が紙面から離れるたびに、自動で芯が出てくる。最初のノック1回で芯が1本無くなるまで書き続けることができる。

オレンズシステムは、芯の減り具合に合わせて、ペン先のパイプがスライドする。パイプで芯を守ったまま書き続けられるため、芯が折れないという。

デュアルグリップは、機能とデザインを両立したラバーと金属で出来ている。指先にフィットし滑らずしっかり握ることができる。

本体は、自動芯出しシャープペンのアイデンティティを継承した12角のデザイン。ノック部分は、ワンノックで描き始められるスタートボタンをイメージ。ボディカラーは思考を邪魔しない落ち着きのある4色(ダークレッド、ダークブルー、グレー、シルバー)を採用している。

重心が中心よりも先端に近い位置にあるため軽い筆圧でくっきり書きやすく、長時間筆記しても疲れにくいという低重心設計となっている。

自動芯出し機構をシャープペンの新スタンダードに

オレンズATの発表会には、ぺんてる 製品戦略本部 製品戦略部 商品企画グループ 主任の大澤成氏と、デザイングループ 課長の柴田智明氏が登壇。

オレンズATではコンセプトとして「思考を止めない。自動芯出し機構」を掲げており、大澤氏は、試験の1分1秒無駄にできないところで、考えることだけに集中できるようなシャーペンということで自動芯出し機能を搭載したとコメント。

開発に苦労した点については、多くの人に使ってもらうために量産性を高める必要があったこと。2017年発売の自動芯出し機構搭載シャープペン「オレンズネロ」の芯を掴むボールチャック部分は金属部品だったが、これを樹脂にすることが命題だったと語った。

金属と樹脂は全く異なる素材のため、ほとんどの部品を試行錯誤しながら新しく設計したという。ボールチャック研究開始から7年、樹脂ボールチャック研究への本格着手からは5年と、時間をかけてやっと今回の発売に至ったと振り返った。

筆記テストでは、機械に加え、ぺんてるの社員100人以上が手書きで検証をした。耐久テストとして機械でも行なったが、実際の書き味については、人が検証をした方が正確と考えているとのこと。オレンズネロと比べての書き味について、「オレンズネロは金属を使っているので若干重い」「実際に使う分にはオレンズATの方が好き」と述べた。

シャープペンの歴史は約60年。その間に折れない、グリップが良いなどのステップがあったが、次の世代ではオレンズATを筆頭に、自動芯出し機構がシャープペンシルのスタンダードとして広まってくれればと大澤氏は語った。

大澤成氏(左)と、柴田智明氏(右)

普段使いにふさわしい落ち着いたデザインに

デザインのコンセプトについて柴田氏は、オレンズシリーズの技術の継承をデザインでも表現したいという思いが根底にあるとコメント。オレンズネロで培った自動芯出し機構を多くの人に使ってもらうために、より一般的に使いやすいと思われるデュアルグリップを採用したと説明した。デュアルグリップは、金属とゴムの組み合わせで出来ており、金属の部品が重さを生んで低重心で使える、ゴムによって滑り止めが効いて使いやすくなるという、2つの素材のいいとこどりをしているとのこと。

ノック部分が短いのも特徴。自動芯出し機構を搭載していることから、ノックは初めにペン先を出すためだけの機能になるため、最小のものにしようとこだわったと語った。

カラーリングに関して、オレンズネロでは黒1色だったが、オレンズATでは4色を採用。いろんな人に使っていただきたいという思いからカラーバリエーションを分けたという。授業や試験といった集中を要する場面で使うことを想定し、落ち着きのある色を選んだとコメントした。

また、芯は他社製のものでも使用可能だが、オレンズATの純正芯として1月30日発売の新製品「Pentel Ain」を組み合わせて使うことを推奨した。