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スマホがスターリンク衛星と直接通信、全米をカバー。T-Mobile×Starlink

Space Xと米国の通信大手T-Mobileは25日(米国時間)、Space Xの衛星通信サービス「Starlink(スターリンク)」にT-Mobileのスマートフォンを接続可能にする計画「Coverage Above and Beyond」を発表した。従来は電波が届かなかった遠隔地など、米国の殆どエリアをカバー可能にする。

現在のLTEと5Gネットワークでは、米国には50万平方マイル以上と広い海域が、どの携帯キャリアからもアクセスできない状態にある。従来の技術では、国立公園など土地利用の制限のある場所や、山や砂漠などの地形の制限がある地域では、接続を断たれ、衛星電話を持ち歩くために高い料金が必要になる。SpaceXとT-Mobileは、こうした制限が過去の遺物となるようビジョンを共有し、その一歩として今回の計画を発表した。

デスバレーの中心やグレート・スモーキー山脈などをカバー。専用端末ではなく、一般的なスマートフォンで動作することを目指す。T-Mobileのネットワークを利用しているスマートフォンの多くが、特別な機器の追加なく使えるようにする。

SpaceXのイーロン・マスク氏は、「これの重要な点は、携帯電話が世界のどこにもデッドゾーンがないことを意味する」と言及。両社は新しいネットワークを作り、Starlinkの衛星からT-Mobileのミッドバンドの周波数帯を使用する。新たな衛星-携帯電話サービスにより、「空を見ることができる場所」は、ほぼ完全にカバーすることができるという。

T-Mobileは、SpaceX社が計画している衛星打ち上げ後、2023年末までに一部の地域でベータ版を開始。米国本土、ハワイ、アラスカの一部、プエルトリコ、領海のほぼ全域で、T-Mobileのネットワークの電波が届かない場所でもテキストメッセージを利用できるようにする。SMS、MMS、メッセージング・アプリなどのテキスト・メッセージングにより、利用者のつながりを維持する。その後、音声通話やデータ通信のサービスも追加する。

このCoverage Above and Beyondをグローバルに拡大するためのビジョンを共有し、世界の通信事業者に参加を呼びかけ。T-Mobileは、協力するプロバイダーに対して、相互ローミングを提供する。

T-Mobile and SpaceX Join Forces To Provide Universal Coverage | T-Mobile