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アシックス、疲れた足を楽させるサンダル。格子構造で柔軟性と通気性

アシックスは7月16日に発表した、競技やトレーニング後の身体をリラックスさせるアフターパフォーマンスサンダル「ACTIBREEZE 3D SANDAL」(以下、3Dサンダル)の、メディア向け説明会を実施した。発売は7月20日、価格は9,900円。

7月15日よりアメリカ・オレゴンで開催されている世界陸上競技選手権大会に合わせて発表。多くの選手が着用し、競技後だけではなく、競技以外のすべての時間を3Dサンダルで過ごしているくらいに快適という声も届いているという。

特徴は、パラメトリックデザイン手法と高度な3Dプリント技術によって実現した格子構造。表面だけではなく内部に至るまですべて、立体的かつ厚みのある格子構造を重ね合わせた設計とし、またLuxcreo(ラックスクレオ)社がもつ弾性に優れた素材の3Dプリント技術を用いることで、優れた通気性と柔らかさを実現している。

パラメトリックデザインとは、形状を作り上げるのではなく、作り上げる「ルール」を策定することにより、それに基づいた形状を導く手法。一見すると同じ形状の格子が重なっているのように見えるが、よく見ると“穴”の形は四角や丸など様々で、こういった形状や素材の厚みの違いにより、部位に応じて硬さを変えるなど足の負担軽減を図る機能性を持たせている。

部位によって“穴”の形状が異なり、これにより硬さを変えている
実際に履いて歩いてみると、クッション性がありつつ、硬い部位があることによる安定性も感じられた

複数のサンダルやシューズにおける温湿度の比較試験では、足裏の湿度と温度を低く保てる、通気性に優れた結果を公表している。

開発の背景には、ランナーの82%がレース直後に、レーシングシューズからクッション性の高いシューズやサンダル等に履き替えているという調査結果がある。この理由として、「シューズがきつく感じる」、「より高いクッション性」、「サポートが不十分」、「通気性が不十分」などが挙がった。

アシックスは、「アスリートにとって大切なことは競技パフォーマンスのサポートだけなのか」という考えから、3Dサンダルを開発。履き替える理由などから、レース後に履くものとして求められる特性として「リラックス・フィット性」、「やわらかさ・クッション性」、「安定性」、「通気性」を導き出した。

サイズ(目安サイズ)は、S(23.5~25.0cm)、M(25.5~27.0cm)、L(27.5~28.5cm)、XL(29.0~30.5cm)。素材は合成樹脂。販売はアシックスオンラインストアで、数量限定。

アシックスが3Dプリンターで作るサンダルを公開するのは、今回が初めてではない。例えば東京オリンピック・パラリンピックに合わせて原宿で実施された、“今”と“未来”のアシックステクノロジーを体験できる「ASICS EXPERIENCE TOKYO」で体験コーナーを展開。「Foot Scan」で足の長さ、横幅、甲の高さ、かかとの傾斜など「足形データ」を計測し、3サイズ、2種類のアーチの計6バリエーションのサンダルの中から、足に合わせたサンダルをプレゼントするという企画を実施していた。

ASICS EXPERIENCE TOKYOで展示していたサンダル
同じく展示していた3Dプリンター

この時、足形データさえあれば3Dプリンターが、ひとりひとりにフィットしたシューズを作り出してくれるという未来のイメージを展示していたが、3Dサンダルもその延長線上にある。

将来的には、スマホなどのモバイル機器を使って足の形を3Dスキャンする技術、デジタル設計・予測する技術、製造する技術の、3つの技術を連動させ、パーソナライズされた製品・サービスの提供を目指す。