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東京メトロ運賃に「バリアフリー料金」加算 '23年3月から

東京メトロは、バリアフリー整備を目的とした「バリアフリー料金」を運賃に加算し、2023年3月から徴収を開始する。運賃の支払いに10円が加算され、定期券も対象。詳細は後日改めて案内される。

東京メトロは、新たな料金設定と整備計画を国交省に届け出た。これは国が創設した鉄道駅バリアフリー料金制度を活用したもので、バリアフリー設備の整備などに使用する費用を運賃に加算できるというもの。

現在の大人旅客運賃に対し、ICカード・切符ともに10円がバリアフリー料金として加算される。また通勤定期の場合は、例として1カ月は370円、3カ月は1,050円または1,060円、6カ月は1,990円または2,000円など。小児は、バリアフリー料金を加算した大人の運賃から半額という形になる。通学定期についてはバリアフリー料金は加算されない。

国が創設した鉄道駅バリアフリー料金制度は、全国の鉄道施設のバリアフリー化を加速させることが目的の制度。都市部では、利用者から薄く広く徴収する料金設定を事業者に認めることで、各社がバリアフリー整備費用を早期に確保することを促進させる。一方、地方部のバリアフリー化は国からの補助率が最大1/3から1/2に引き上げられる。

同制度を活用したバリアフリー料金の設定はJR東日本なども発表しており、運賃に10円を加算することが明らかになっている。

バリアフリー設備と今後

東京メトロではすでに、ホームドアについて180駅中150駅で整備が完了、整備率は83.3%となっている。整備が完了したのは銀座線、丸ノ内線、千代田線、有楽町線、南北線、副都心線。整備中は日比谷線、東西線、半蔵門線。

このほか段差解消として、エレベーター(1ルートは整備率98.3%)、ホームと車両床面の段差・隙間縮小(43.8%)を整備中。全車両のフリースペース設置(56.5%)も進めている。バリアフリートイレは全駅で整備が完了している。

今後については、ホームドアは2025年度までに全線での整備が目標。ホームと車両床面の段差・隙間縮小については、日比谷線で整備を進める。バリアフリートイレはエレベーター複数ルート上の追加整備を進める。

今後の取り組みのうち、バリアフリー料金により整備されるのは、ホームドアが整備対象51駅中の39駅で、エレベーターは10駅11基のうち2駅4基になる見込み。同様にホームと車両床面の段差・隙間縮小については20駅40番線すべてで、バリアフリートイレは4駅4カ所すべてで、車両のフリースペースのためのリニューアルは対象の100両すべてが、バリアフリー料金で賄われる予定。

なお設備更新として、2029年度までにホームドアは136駅273番線で、エスカレーターは70駅で161基を更新する予定。これも一部にはバリアフリー料金が充当される。