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アマゾンの見守りカメラ「Ring」日本上陸。“4秒前”録画のドアベルなど
2022年4月13日 11:30
Amazonは13日、ドアベルとセキュリティカメラ「Ring(リング)シリーズ」の日本展開を発表した。カメラ付きのドアベル「Ring Video Doorbell 4」、屋内用カメラ「Ring Indoor Cam」、屋内外で使える充電式カメラ「Ring Stick Up Cam Battery」の予約販売を開始し、4月20日から出荷する。
価格はRing Video Doorbell 4が23,980円、Ring Indoor Camが6,980円、Ring Stick Up Cam Batteryが11,980円。
Ringはホームセキュリティのためのカメラで、在宅中、外出中を問わず、スマートフォンや対応するEchoデバイスなどで自宅内外の様子を確認したり、家族の見守リに活用できる。
いずれもAlexaに対応しており、「アレクサ、玄関を見せて」「アレクサ、リビングを見せて」と言うと、Echoデバイスの画面でカメラのライブ映像を確認できる。フル機能の利用には、有料の「Ringプロテクトプラン」契約が必要だが、購入者には2023年3月31日までの無料体験期間が付帯する。
Ring Video Doorbell 4
Ring Video Doorbell 4は、玄関に設置してドアフォンとして利用できる「ドアベル」。玄関先でドアベルのモーションセンサーが反応した時に、リアルタイムでスマホなどのRingアプリに通知が届くほか、訪問者がドアベルを押すと、スマホや対応するEcho Showデバイスの画面に、1080pのビデオ映像で玄関前の状況を表示し、確認・応答できる。家庭のネットワークとはWi-Fiで接続する。
カメラの視野角は水平160度、垂直84度。訪問者を検知すると、Alexa搭載のEchoデバイスやFire TVシリーズに通知し、訪問者がいることを知らせる。また、Alexaに訪問者との応答をリクエストすると、訪問者と会話できる。Echo Showなど画面付きのデバイスでは、カメラの映像を確認できるため、モニター付きインターホンのように利用できる。
また、訪問者の動きを検知する前の様子を最大4秒間確認できる「カラーPre-Rollビデオプレビュー」を搭載。動きが感知される前でも、不審な動きなどを把握できる。
録画データは、クラウドに保存。Ringプロテクトプランに契約することで、過去60日間の動画と、過去7日間の静止画を確認・保存できる。また、通知受信時に画像をプレビューできるスナップショット付き通知や、モーション検知ゾーン内で人物を検知した場合にだけ通知を受信する「パーソンアラート」などの機能が利用できる。Ringプロテクトプランは'23年3月までは無料で利用でき、無料期間の終了後は、デバイス1台につき月々350円、またはデバイス登録住所につき月々1,180円となる。
Ring Video Doorbell 4は、防塵防滴仕様で屋外でも利用可能。バッテリを内蔵しており、電源ケーブルの配線不要でドアベルとして固定して利用可能。バッテリは交換式で、約2カ月利用できる。バッテリは再充電して使え、予備バッテリも発売する。Ring Video Dorrbell 4の外形寸法は12.8×6.2×2.8cm。
日本の設置環境にあわせたオプションも用意する。Ring Intercom Doorbell Mountは、日本の標準的なインターホンで使われるJISの「一個用スイッチボックス」のサイズでドアベルを固定できる器具。従来使っていたインターホンをそのまま置き換えられ、価格は1,780円。
集合住宅では、ドアベルの交換はなかなか難しいため、まずは戸建てのリフォームや、都心のアパートなどに向け提案していくという。
また、ドアベルの色を選べる「Ring Video Doorbell 4用着脱式フェイスプレート」もあわせて発売する。ゴールドメタル、スムースブラック、ナイトスカイ、ブルーメタル、ホワイト、モカブラウンの6色を用意し、価格は1,780円。
Ring Stick Up Cam Battery
Ring Stick Up Cam Batteryは、IP55等級の防塵防滴仕様で、屋内・屋外を問わず使える充電式カメラ。交換式のバッテリを備え、配線不要で利用できる。カメラの視野角は対角130度。
最大1080p HDビデオのライブ映像に対応するほか、ナイトビジョンもサポート。消灯してもHDの映像を確認でき、車庫の見守りなどにも活用できる。赤外線とカメラセンサーでモーション検知をし、Ringアプリに通知する機能を搭載。外形寸法は6×6×9.7cm。
Ringアプリの設定から、必要なイベントを検知するようにカスタマイズできるゾーン設定や、カメラに映したくない範囲を隠すプライバシーマスクなども装備する。
ゾーン設定は広角撮影時に道路のクルマの往来などを不要な動きを通知しないように、通知が必要なエリアだけを指定する機能。
プライバシーマスクは、カメラ視野内の特定のエリアを撮影録画範囲から除く機能。例えば、隣家の出入りまで確認できてしまうといった場合に、自宅のクルマや人の周りだけ録画するといった設定が可能。この枠は3個まで設定できる。
Ring Indoor Cam
コンパクトな屋内用カメラ。棚の上に置いたり、壁や天井に取り付けでき、RingアプリやAlexa搭載のAmazonデバイスを介して、会話やモーション検知、1080pビデオのライブ映像機能など、自宅のさまざまな場所から各種「見守り」機能を利用できる。カメラの視野角は対角140度。
自宅や離れて暮らす家族を見守るために複数のIndoor Camを購入・設置し、Ring アプリにあるダッシュボードからすべてのIndoor Camをコントロールできる。外形寸法は4.5×4.5×7.5cm。
音声で呼び出せる「Chime Pro」
また、Ringを拡張するデバイスも展開。Chime Proは常夜灯を内蔵するほか、RingデバイスのWi-Fi接続の範囲を拡張する中継機の機能を搭載。Ring Video Doorbell 4に接続した場合、屋内で音声による呼び出しや、通知音を鳴らすことができる。価格は5,980円。
Ringシリーズに対応するAmazonデバイスは、Echo Show(全世代)、Echo(全世代)、Echo Spot(全世代)、Fire TV Cube(第1/2世代)、Fire TV Stick 4K、Fire TV Stick(第2世代)。
Ringシリーズの発売にあわせて、Echo Showなどとのセット販売も実施する。
・Ring Video Doorbell 4とEcho Show 5(第2世代)のセットは30,960円(2,000円引き)
・Ring Video Doorbell 4とRing Chime Proのセットは28,960円(1,000円引き)
・Ring Indoor CamとEcho Show 5(第2世代)のセットは14,960円(1,000円引き)
・Ring Stick Up Cam BatteryとEcho Show 5(第2世代)のセットは19,460円(1,500円引き)
日本では「見守り」を提案
Ringは2013年に創業し、セキュリティカメラを手掛けてきたが、Amazonが2018年に買収。米国などでは、順次製品展開してきたが日本では今回が初の製品投入となる。
日本展開に時間がかかった理由は、買収前のRingは米国外での展開を想定しておらず、日本における技適など各国の制度・規制対応などのための製品開発が買収後となったため。また、日本は比較的安全でこれまでセキュリティカメラの市場は大きくなく、他の警備会社のサービスと紐づいた比較的高額な製品が多かった。Ringシリーズは、それらとは異なるDIY感覚で設定できるスマートなセキュリティ製品として提案し、高齢化における見守りニーズの高まりなどに応えていく狙い。
日本投入にあわせて、専用マウントなどを準備。販路については、Amazonのほか、ヤマダデンキの3店舗(LABI1 LIFE SELECT 池袋、LABI1なんば、LABI1 LIFE SELECT 高崎)で4月20日から発売するほか、他の家電量販店での取り扱い拡大も予定。また今後はBtoBtoC向けの販路の開拓も目指すという。