ニュース

Google、呼吸・いびきを検知するスピーカー。新Nest Hubは“睡眠”改善

Google Nest Hub(Chalk)

Googleは、“睡眠の質”を高めるスマートスピーカー/ディスプレイ「Google Nest Hub」の第2世代モデルを5月5日から発売する。価格は11,000円。カラーはChalk、Charcoalの2色展開。

7型/1,024×600ドットディスプレイを備えたスマートディスプレイ。2019年発売の初代Nest Hubから低音再生能力を約50%強化したほか、睡眠をサポートする新機能の「睡眠モニター」が特徴。

Google Nest Hub(Charcoal)

スピーカーは43.5mmフルレンジで、YouTube Music、Spotify、Apple Music、Pandoraなどの音楽やポッドキャスト、オーディオブックの再生に対応する。マイクも従来モデルの2本から3本に増やし、音がうるさい環境などでも音声の聞き取り能力を高めている。

また、Netflixや、YouTube、Hulu、U-NEXTなどの映像配信サービスにも対応。Google アシスタントによる音声操作のほか、新たにクイックジェスチャーが可能となり、画面に触れずにコンテンツの一時停止や再生操作が行なえる。

呼吸やいびきから眠りを分析・改善 「睡眠モニター」

最大の特徴が、睡眠を理解・改善し、安眠をサポートする新機能「睡眠モニター」。朝、起床すると、パーソナライズされた睡眠サマリーがディスプレイに表示され、自分の睡眠データを確認し、眠りの改善に役立てられる。

スマートフォンの「Pixel 4」などで採用された「Soli」レーダー技術による「Motion Sense」により、ディスプレイ近くの人の動きや呼吸を察知。その人が「どのように眠っているか」分析する。Soliでは、大きな動きから数mmレベルの小さな動きも検知できるため、咳やいびきなどの睡眠障害も“非接触”で検出できるという。

一方、Soliでは動きの“主”が誰かは検出しない。そのためGoogleでは、数千名による10万回以上の睡眠データから検知のためのアルゴリズムを開発。非接触式のデータ検出ながら、睡眠ポリグラフ計による調査と照らし合わせても、統計学的差異は無いことが確認でき、市販の「スリープトラッカーと同等かそれ以上」としている。

Soliが検出するのは1人だけ。ユーザーにあわせて調整し、一緒に寝ている人やペットなどは検知しない。

すべてのデータはデバイス上で処理され、睡眠データのみがGoogleのクラウドに送信される。せきやくしゃみなどは録音さず、いびきも“発していた”という情報だけが、クラウドに送られる。

また、Nest Hubのマイクと環境光・温度センサーを使い、部屋の光や温度の変化を検知できる。朝、起床すると、パーソナライズされた睡眠サマリーがディスプレイに表示され、自分の睡眠データを確認できる。

確認できるデータは、主に「睡眠の長さ」「スケジュールの一貫性」「睡眠の質」の3点。

睡眠の長さは6時間15分などの時間で、一貫性は睡眠パターンが一定であるかどうかを判定。睡眠の質では、睡眠時間のほか、睡眠が浅くなっている時間や、いびき、咳などの時間を検出。また部屋の明るさや室温などもスクリーン上で確認できる。

長期的な呼吸状況の把握などにも利用可能。Google Nest プロダクト マネージャーのカイータ ジョンソン氏は、データを元に睡眠について医者に相談したところ、睡眠時無呼吸症候群と指摘され、治療。睡眠を改善したという。

従来の手首につけるスリープトラッカーなどは、充電を忘れる・使い勝手が悪いなどの課題があった。それに対し、Nest Hubの睡眠モニターは、非接触で睡眠を把握できる点が特徴となる。

睡眠モニターのデータは、AndroidとiOSデバイスのGoogle Fitアプリとも連携。Google Fitアプリ上で、他の健康・ウェルネス情報と一緒に睡眠サマリーを確認可能で、長期のデータなどはGoogle Fitアプリから確認可能。睡眠モニターはいつでも“オフ”にできる。

なお、睡眠モニターは2021年中は無料のプレビュー版として提供し、ユーザーからの意見を聞きながら改善を進めていく方針。また、Fitbitのスマートトラッカーとの連携なども検討していくという。

Nest Hubユーザーの20%が「寝室」で利用していることから、ベッドの横で扱うための機能を強化。睡眠モニターのほかにも、ホーム画面に「夜のおすすめ」を導入し、明日の天気や起床アラーム、睡眠用のライトと音楽が1画面で管理可能にした。画面もダークモードとなっている。

スマートホーム新規格対応

「アンビエントEQセンサー」も搭載。部屋の明るさに応じてスクリーンの明るさや色温度などを調整していく。また徐々に音が大きく、画面が明るくなる「目覚ましディスプレイ」も装備。Soliの搭載により、「手をかざしてアラームを止める」といった操作も可能になる。

対応の照明や家電のコントロールなどスマートホーム機能も搭載。新たにProject Connected Home Over IPに対応した。これは、Amazon、Apple、GoogleとZigbee Allianceらによるスマートホームの共通規格で、同規格に準拠することで、AlexaとGooge Nestで同じスマートホームデバイスを利用可能にするもの。

新Nest Hubの強化ポイントは、睡眠モニター、音質向上、Project Connected Home Over IP対応のほか、環境対応の強化。プラスチック部分は54%再生プラスチックを採用したほか、手入れが簡単で画面を美しく表示できるエッジレスデザインとした。

無線LANはIEEE 802.11b/g/n/ac対応、Bluetooth 5.0も備えている。電源は15WのACアダプタ。外形寸法は177.4×69.5×120.4mm(幅×奥行き×高さ)、重量は558g。