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「アイリスロボティクス」設立。アイリスオーヤマ×ソフトバンク

ソフトバンクロボティクスグループ代表取締役社長兼CEO 冨澤文秀氏(左)と、アイリスオーヤマ代表取締役社長 大山晃弘氏

アイリスオーヤマと、ソフトバンクロボティクスグループは、合弁会社「アイリスロボティクス株式会社」を2月1日に設立する。出資比率はアイリスオーヤマが51%、ソフトバンクロボティクスが49%。

新商品開発力とメーカーベンダー(製造業と卸業の融合形態)による広範囲の販売ネットワークを持つアイリスオーヤマと、AIロボットOS分野で高い技術を持つソフトバンクロボティクスが提携することで、法人向けサービス・ロボット分野での市場創造を目指す。

法人向けサービス・ロボットとして、AI除菌清掃ロボット「Whiz i アイリスエディション」と、配膳・運搬ロボット「Servi アイリスエディション」を販売。2022年には、新型のロボットも発売する予定だが、開発中のロボットの詳細は不明。

Whiz i アイリスエディション
Servi アイリスエディション

アイリスオーヤマ代表取締役社長の大山晃弘氏は会見で、「社会の課題をロボットで解決する取り組みで、社会の変化に順応することで事業を進化させていきたい」と、その目的を述べた。課題とは、人手不足、高齢化、感染対策、持続的成長を指す。両社は従来から除菌掃除ロボット「Whiz」の販売を共同で行なっていたが、合弁会社の設立によってこれをさらに進化させるとしている。

アイリスオーヤマでは、2020年1月からWhizの販売を開始。業務用自律清掃ロボット販売数で世界シェアトップを獲得した。

アメリカのCDC(感染症予防センター)が中国・武漢のコロナ患者病院で行なった調査によると、ウイルスの付着が最も多いのは換気ダクトのフィルタ、次に多いのが床面で、マスクや手袋の10倍から25倍に達したという。日本のBMSAが行なった調査でも同様の結果が出ていることから、これらのデータを元にアイリスオーヤマがグローバルでの販売を行なったところ、Whizが床面を除菌清掃するロボットとして注目され、販売が大きく伸びたという。

ソフトバンクロボティクスグループ代表取締役社長兼CEOの冨澤文秀氏は、「コロナによってロボットに対する意味、価値など世間から期待されることが変わってきた」とし、「アイリスオーヤマの営業力と、客の懐に入る『マーケットイン』能力と融合することで、新しいサービス、ロボットを作っていきたい」などと語った。

アイリスロボティクスの所在地は宮城県仙台市青葉区中央2丁目1番7号。出資金は1,000万円。初年度売上目標は50億円。2025年までに累計1,000億円の事業規模を目指す。