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西川の3Dスキャンで導き出した枕の高さが、しっくりきすぎて驚いた

いま使っている枕が自分にとってベストの高さであると自信を持って言える人は少ないのではないでしょうか。適当に選んだ、知人やネットの評判を聞いて選んだ、という人も多いでしょう。西川では「自分の体型に合ったまくらや寝具」を提供するため、「N 3D-body」「PI+MA PITTA(ピマピッタ)」というレコメンド測定機、寝具測定システムを使ったサービスを提供しています。今回、これらを試す機会を得たのでレポートします。

結論から先に言うと、測定結果から導き出した枕を試してみたら、驚くほど首や頭にフィットしました。いかに普段、合っていない枕を使っているかを痛感した次第です。こういったことに気付けるだけでも、試す価値があるように思います。

筆者が“自分に合った枕”を試している様子

ということで、どういった流れで自分に合った枕に出会えたかを説明していきます。取材場所は日本橋西川、お話をお伺いしたのは大渕学さんです。なお、測定は無料で受けられますが、店舗により事前の予約が必要です。

日本橋西川(東京都中央区日本橋1-4-1 コレド日本橋 地下1階)
西川 企画宣伝担当 マネージャー 大渕学さん

ボディスキャナーで3D計測をする「N 3D-body」

N 3D-bodyは、全身の形状をミリ単位で3D計測できるボディスキャナーを使った、スリープレコメンド測定機です。約120万点の測定点で体型データを取得する3Dボディスキャナーと体脂肪や筋肉量を測定する体組成計を融合させたシステムで、身⾧を含む体の形状、体重、体脂肪率、筋肉量、骨格量、内臓脂肪レベルを計測できます。

ボディスキャナー。中央にある体組成計に乗って計測する

これほどまでに様々な計測をして、全部寝具選びに関係しているの? という感じですが、直接は利用していないデータもあるそうです。ただし、睡眠以外にも生活習慣の見直しに必要なデータという考えから、様々なデータを表示しているそうです。

筆者が計測している様子。立っているだけ

寝具選びに必要な主なデータは、どんな姿勢をしているかです。自身の身体について、タブレットで見せてくれます。この時点で早くも、枕の高さの目安も確認できます。筆者の場合は5.34cmでした。

首の部分に枕の高さの目安が表示される(画面上部に表示されている年齢はダミーとなり、実際の年齢とは異なります)

そのほか、アイコンが表示されている部分に歪みがあるのですが、これをより見やすく表示するための「積み木分析」があります。

積み木分析。筆者の場合は脚部に歪みは見られないが、O脚などの傾向がある場合は赤く表示される

赤い部分をタップすると、どのような傾向にあるのか解説が表示され、さらにそこからおすすめ寝具の表示などに進むことができます。

「首が後ろに曲がっています」とのこと
おすすめ寝具の表示

タブレット端末の寝具測定アプリ「ピマピッタ」

ピマピッタは、非接触型寝具測定システムで、N 3D-bodyと連動した使い方と、ピマピッタ単体での使い方があります。N 3D-bodyの導入店舗は4店舗、ピマピッタは50店舗以上と、単体で運用している店舗の方が多いです。

ピマピッタのみ導入している店舗の場合、スタッフがタブレットで正面と横向きの写真の撮影、アプリの操作を行なって計測します。

ピマピッタのみの導入の場合は、撮影等を行なう

N 3D-bodyとあわせて導入している場合は、N 3D-bodyで使用したタブレットにQRコードを表示し、ピマピッタアプリで読み取ることで、計測したデータを移行できます。

N 3D-bodyの計測結果
QRコードを読み取ることで移行できる
N 3D-bodyから移行したデータ

ピマピッタでは、計測もしくは移行したデータから、体型にフィットする枕の高さや、オーダーマットレスの配列パターンが表示されます。筆者におすすめの枕は「高め」とのことです。N 3D-bodyで表示された「5.34cm」という高さは標準より高めだったということですね。

この情報を枕の提案に活用します。西川ではフィッティングで高さを微調整して完成させるオーダー枕を提供するサービスを展開していますが、販売している既製の枕の提案にも対応しています。

今回は、オーダー枕の流れで、好みの硬さの素材を選んでから、計測結果に基づいた筆者の体型に合った枕を出していただきました。これが冒頭でも述べた通り、ピッタリだったというわけです。身近な例でいうと、靴選びでは試し履きをしたほうが良いし、ショップで足のサイズを正確に計測すればなお良いです。枕でも同じことが言えますが、靴と違って「自分にとって目安となる数値」を知っている人は少ないのではないでしょうか。

横向きにもなってみました。こちらも悪くはないのですが、仰向けに比べるとフィット感に物足りなさを感じます。オーダー枕ではこのような違和感をなくすよう、高さを微調整して最終形へと仕上げます。後方にあるモニターは、高さの微調整の際に使用します。画面左側に赤い部分が見えますが、この赤をなくしていく方向で調整するそうです。

横向きは仰向けに比べるとちょっと物足りない

ピマピッタは枕だけではなく、ボディラインに合わせたおすすめのマットレスの提案にも活用されます。

筆者のラインは「F(フラット)タイプ」

オーダー枕の価格は33,000円~、既製の枕は6,380円~の「医師がすすめる健康枕 シリーズ」が人気とのことです。

計測をしたからといって、必ず枕などの寝具を購入しなければいけないわけではありません。計測だけではなく、よく眠れないなどの相談も受け付けているとのことですので、睡眠の質に興味があったり、悩みがある人は、お店に足を運んでみてはいかがでしょう。いろいろな寝具を見るだけでもシンプルに楽しいです。

加藤綾