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iDeCoとつみたてNISA どっちを選ぶべき? プロに相談してみた

「知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoをはじめたいです。」の著者 横山光昭さんにいろいろお聞きしました

知識ゼロでiDeCoかつみたてNISAを始めたいと思い、家計コンサルタントの横山 光昭さんに相談し、初心者向けに投資について解説してもらう本企画。計3回に渡ってお届けする予定で、第1回では今なぜ投資なのか、初心者がまずやるべきことなどを教えてもらいました。

第2回では、初心者にオススメのiDeCoとつみたてNISAについて、商品購入時の注意点やインデックスファンドといった用語などを解説します。

この記事のポイント

・銀行預金より、iDeCoやつみたてNISAを使った投資信託の方がお金が増えやすい
・iDeCo・つみたてNISAともに利益が非課税でオトク
・iDeCoは60才まで解約できないから老後資金向け。所得控除ありで節税も
・つみたてNISAは途中解約できるから教育資金やマイホームに
・始めるにはネット証券で証券口座を開設
・初心者にオススメの商品は?
・投資先の「分散」、一定額を毎月必ず購入する「積立」、運用は「長期」の3つを心掛ける

ますiDeCoとつみたてNISAについておさらいしますが、いずれも「利益に税金が掛からない」点が大きな特徴。通常、投資で得た利益には、20.315%の税金が掛かりますが、iDeCoやつみたてNISAで出た利益は基本的に非課税なのです。

iDeCo

60歳になるまで売却できない。老後資金向け
投資期間:20歳から60歳未満(2022年5月からは65歳未満)
年間投資額:約14万~81万円(加入する年金・企業年金によって異なる)
掛け金:5,000円から
税優遇:利益が非課税。掛け金、利益を受け取るとき、ともに所得控除あり。節税対策
商品:投資信託、定期預金、保険商品
備考:途中でやめたくなったら支払停止か金額変更のみ。支払い停止しても毎月口座管理料が掛かる
60歳まで投資できるので、始めるのが早いとそれだけ投資額が増える

つみたてNISA

途中で売却できる。教育資金やマイホーム資金向け
投資期間:最長20年
年間投資上限額:40万円
掛け金:100円から
税優遇:利益が非課税
商品:一定の条件を満たした投資信託、ETF

投資で心掛ける「分散・積立・長期」

iDeCoとつみたてNISAで購入できる金融商品は主に「投資信託」と呼ばれるもの。複数の企業の株式や債権などが組み合わさったパッケージタイプで、商品はすべて資産運用の専門家が厳選しています。

投資信託について横山さんは、「簡単に言えば幕の内弁当です。ごはんも入ってればおかずも色々ある。投資信託も、1個買えばバランスよく商品が入っているというイメージです」と説明します。

iDeCo、つみたてNISAともに投資を続けるポイントは、「分散・積立・長期」の3セットを心掛けること。この3つを守ることでお金が増えやすくなります。

投資は「分散・積立・長期」の3セットを心掛けることが大事(出典:「知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoをはじめたいです。」)

「分散」は、投資先や購入時期を複数に分けること。どちらの投資信託も、投資先は日本に限らず全世界の株式や債権、不動産が商品として組み込まれています。1つの投資先が値下がりしても、投資先や購入時期を分散しておけば損失が少ないのでリスクは低くなります。

「積立」は、自分で決めた金額で定期的に金融商品を購入すること。金融商品は常に価格変動していますが、購入時期を分散した方が平均購入額が安くなる傾向があります。

「投資は、金額で買うのか量で買うのか、色々やり方はありますが、量にこだわらず一定の金額で毎月買うのがオススメです。この買い方が『ドルコスト平均法』と言われるものです。購入時期を下手に自分で判断するのではなく、毎月5日とか10日とか、同じ日に購入していきましょう。もちろん高値で株を購入することになるときもありますが、何回か続けていくと平均値が良くなりやすいです。こうして積み立てるのが、オススメの投資方法です。

また、金額を変えずに毎月必ず購入することを続けてほしいです。金額を減らしたタイミングで相場が安くなることもありますし、タイミングを一定にすることでお金は安定して増えやすくなります。なので、投資信託は同じ額をずっと買い続けることに意味があるのです」(横山さん)

ドルコスト平均法。同じ金額で定期的に購入した方が、1株あたりの購入価格が安くなる(出典:PayPay証券)

「長期」の運用はさまざまなメリットがある

最後に「長期」については、「複利効果でお金を増やしやすい」、「暴落しても株を持ち続けることで回復する」といったメリットがあります。

投資には掛け金のみに利息がつく「単利」と、掛け金に利息が組み込まれる「複利」があるのですが、投資信託は複利で運用できます。

「例えば100万円を1年間預けた場合、ありえないですけど金利が3%だと103万円になりますよね。1年目は対して変わらないですが、2年目になると今度は103万円に金利が3%付きます。これを長期で運用すると、雪だるまのように大きくなるので、長く続けることで増えがとても良くなるんです」

ちなみに単利の場合は、掛けた金額にしか利息がつきません。国債や社債などが単利で運用されているもので、資産は増えますが複利のような効果はありません。

投資信託は掛け金に利息が組み込まれる「複利」。長く続けることで増えが良くなる(出典:「知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoをはじめたいです。」)

暴落しても回復する点について、横山さんは以下のように解説します。

「過去にリーマンショック、最近ではコロナショックなど、株は暴落するタイミングが絶対どこかで来るんです。そこは、値が安くなっているので買い時でもあるのですが、持っている株の評価額がグッと下がるんですね。

ただそれは一時的に下がるだけで、日経平均もそうですが評価額は上がったり下がったりを繰り返して、上がっていくことが多いです。一時的に暴落しても、持ち続けていればカバーできるのが長期のメリットです。実際にリーマンショックで暴落した株式も、5年で元戻りになったものが多くあります」

家計コンサルタント・横山 光昭さん

iDeCoは老後資金に

iDeCoとつみたてNISAについて、横山さんにさらに詳しく解説してもらいました。

まずiDeCoは、投資期間は20~60歳と年齢で区切られており、始めるのが早ければ早いほど投資できる額が多くなります。

年間投資額は働き方などによって異なり、公務員は144,000円で、フリーランス・自営業は816,000円まで掛けられます。会社員は企業年金などの加入有無によって異なり、確定給付型の企業年金ありで144,000円、企業型確定拠出年金ありで240,000円、企業年金なしで276,000円です。

iDeCoの投資上限額。働き方や企業年金の有無などによって異なる(出典:「知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoをはじめたいです。」)

またiDeCoは節税メリットが大きく、60歳まで利益が非課税になるほか、掛け金が全額所得控除の対象で、さらに受取時も一定額まで非課税になります。住民税や所得税を多く支払っている人は、高い節税効果が期待できるのです。

なおiDeCoとは「個人型確定拠出年金」の通称。自分で掛け金を拠出(投資)して金融商品を運用し、その掛け金と運用益との合計額を給付として受け取れる年金のことを言います。

老後の資金形成を目的として作られた制度なので、60歳になるまで途中解約は原則できません。もし解約したくなっても、支払い停止申請をして運用のみにするか、掛け金を減額(最低5,000円)するかという選択肢のみになります。ちなみに支払い停止にしても、月66円の口座管理料が掛かります。

横山さんはiDeCoの途中解約について、「解約できないのはデメリットではなく、むしろメリットです。やったら止められないので、もしかしたら途中でやめるかもしれない、という心配がある人はiDeCoはやらない方がいいです」と話します。

つみたてNISAは教育資金やマイホームなど

一方つみたてNISAの投資期間は最長20年と決まっており、20歳以上であればいつでも始められます。年間投資上限額は40万円で、属性関係なく一律です。年間40万円の投資枠は翌年には繰り越せません。

利益の非課税期間は、最初に商品を購入してから20年間です。つみたてNISAは途中解約できますが、横山さんは「長く続けることで利益が増えるので、最低10年は続けてほしい」と言います。

なおつみたてNISAとは別に一般NISAもありますが、こちらの非課税運用期間は5年で、投資額上限は120万円/年、商品は投資信託だけでなく株式も購入できます。投資上級者向けですが、一般NISAとつみたてNISAは併用できないので、初心者にはつみたてNISAがオススメなのです。

つみたてNISAと一般NISAの違い

商品購入は「インデックス型」を選ぶこと

第1回でも触れましたが、iDeCo・つみたてNISAともにいざ始めたいとなったらまず証券口座を開設します。横山さんのオススメは、手数料が安いネット証券で、「楽天証券」「SBI証券」「マネックス証券」のいずれか。

口座開設が完了し、はじめての商品購入に横山さんがオススメするのが、iDeCo・つみたてNISAともに「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」です。全世界株式には日本だけでなく世界中の企業の株式が含まれており、リスクを分散できるといったメリットがあります。

つみたてNISAとiDeCoはもともと金融庁が手数料や信託報酬の審査をしており、リーズナブルなものしかありません。なので基本的にはいずれも安心できる商品です。

「その中で『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』は、コストとなる信託報酬が安く、購入者が多いため純資産額が多く信頼性が高いという点がポイントですね」と、横山さんは話します。

はじめて買う商品で横山さんがオススメするのが、iDeCo・つみたてNISAともに「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」

また商品購入の際に重要なのが「インデックス型」を選ぶことです。

「投資信託は大きく2つに分けられ、『インデックス型(パッシブ型)』と『アクティブ型』があります。基本は『インデックス型』の商品を買いましょう」(横山さん)

インデックスとは、市場の動きを表す指数のことで、日本の株式指数では日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)が代表的です。日経平均株価や東証株価指数は常に値が動いており、その指数(インデックス)と同じ動きを目指して運用するのがインデックス型です。

「このグラフを見てもらいたいんですけど、この点が日経平均株価だとしますよね。日経平均株価が変動するのはわかるじゃないですか。それと同じように動こうと目指す運用方針をインデックス型といいます」

インデックス型とアクティブ型の違い

日経平均株価は東京証券取引所一部に上場する約2,000銘柄のうちから、日本経済新聞社が選定した225銘柄の株価をもとに算出する指数を表します。東証株価指数は、同じく東京証券取引所一部に上場するすべての銘柄が対象です。

ほかにもインデックス型の商品には、米国株価指数の「ダウ平均」や「S&P500」などの指数が用いられています。

インデックス型はこうした指数と連動することを目指しているため、運用会社が独自に株や債券を売買する必要がなく機械的にやっており、手間が掛からず手数料が安いといった特徴があります。また市場平均以上に負けることもありません。

「一方アクティブ型は、指数連動を上回る運用を目指すもので、指数が高いときはさらに高くいこうとします。インデックス型は機械的なのでコストが0.1%とか0.1%を切っているものもありますが、アクティブ型は1~3%くらい掛かります。仮に運用成果が良かったとしても、手数料負けする可能性があります。アクティブ型に確実性があるなら良いですがあまりないので、コストも掛からないインデックス型がオススメです」

いざ実践。つみたてNISAを始めます

横山さんに投資の基本からポイント、オススメ商品まで教えてもらい、私はつみたてNISAを始めることにしました。まだ子供が1歳で、定年まで働くか正直わからないので、60歳まで解約できないiDeCoはちょっと心配。

証券口座は楽天証券で開設し、現在はつみたてNISAの口座開設申し込みをして、税務署の審査待ちをしている状況です。次回実践編では、証券口座の開設やつみたてNISAでの商品購入についてお届けします。

つみたてNISAを始めることにしました。現在は税務署の審査待ち

また横山さんの新刊「知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoをはじめたいです。」では、さらに詳しくつみたてNISAとiDeCoの始め方が紹介されています。興味を持った方はぜひこちらも参考にしてみてください。