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首都高1000円上乗せ、19日から開始。深夜は5割引に

東京2020大会開幕まで1週間を切りました。オリンピックは7月23日から開幕しますが、期間中、混雑緩和のために行なわれる首都高の1,000円値上げ及び深夜割引については、一足早い7月19日から開始となります。間違えないよう注意したいところです。逆に、深夜の利用は半額になるなど、利用者のメリットとなるところもあります。詳細を確認してみましょう。

昼は1,000円上乗せ

首都高ではオリンピック期間中、選手や大会関係者が首都高を利用して移動することから、この移動を妨げないよう交通量を減らすことを目的として、6時から22時まで基本料金に1,000円を上乗せします。期間は7月19日から8月9日(オリンピック)と、8月24日から9月5日(パラリンピック)です。首都高の基本料金が300円から1,320円ですので、これにプラス1,000円というのは、かなり割高になります。

また、もし料金を上乗せしているのにもかかわらず交通量が減少しない場合、首都高の入口閉鎖などの措置を行なう予定です。期間中の昼間は、実質的に首都高の利用はできないと考えたほうがよさそうです。

自家用車が対象、物流車両などは対象外

料金上乗せの対象車両は、基本的に軽・二輪、普通車が対象となりますが、ETC車と現金車で対象が異なります。ETCを利用している場合、一般の自家用車は料金上乗せになりますが、「小型貨物・タクシー等」は対象外となります。しかし、ETCを利用していない現金車の場合は、自家用乗用車だけでなく、小型貨物・タクシー等も料金上乗せとなってしまいます。なお、自家用乗用車は、社用車も含まれます。

ETC限定になりますが、障害者手帳の保有者が運転・同乗する福祉関係車両は、事前申請することで料金上乗せの対象外となります。また、「有料道路における障がい者割引制度」の適用を受けている人は、申請不要で料金上乗せの対象外となります。

今回の料金上乗せについては、「他に代替手段がない移動方法」は除外することになっていることから、福祉車両等も上乗せの対象となりません。必要な場合は事前申請を忘れないようにしておきましょう。

なお、物流への影響を最小限にするため、中型車、大型車、特大車については、ETCの有無にかかわらず料金上乗せの対象外となります。

下り方面にも注意

料金上乗せの対象となるエリアもETCと現金で異なります、ETCでは主に首都高の都内区間が中心です。中央道や東名高速との接続部、埼玉県側は戸田南や新郷、千葉県側は京葉道路との接続部や浦安、羽田空港側からは空港中央などから都心方面に向かうと料金が上乗せされます。下り線では、さらに内側から首都高に乗っても適用されるので注意が必要です。例えば、都内の池尻から東名高速に乗ろうとして首都高に乗ってしまうと1,000円が上乗せされます。

現金では、首都高全線が料金上乗せの対象で、ETCよりもエリアが広くなります。一部、戸田~さいたま見沼区間など都心から離れたエリアで下り方向に向けて首都高に入る場合は対象外となります。

現金車が全線で料金上乗せの対象となる理由については、首都高では全ての出入り口に料金所を設置しているわけではないため、現金車の通行経路を把握できないからとされています。そのため、都内区間を通行する可能性がある全線で料金上乗せとなります。

深夜半額はETCだけ

昼間は料金上乗せによって交通を制限しますが、逆に深夜時間帯は割引を行なうことで交通量のシフトを狙うというのが、今回の試みの肝になります。そのため、午前0時から午前4時の間に首都高を通過する場合、「ETCを搭載した全ての車両」が首都高全線で基本料金から5割引となります。残念ながら現金車に関しては割引の対象外です。

なお、料金上乗せ時間と夜間割引時間以外の時間帯については、すべて通常料金となります。

オリンピック期間中は、よほど必要性が高くない限り、昼間は首都高に近づかない、というのが無難です。どうしても首都高を通ってどこかへ行きたい場合は、深夜帯に利用するようにしましょう。割引が適用されるタイミングは、首都高の「料金所や最初のETCアンテナ通過時」が基準となります。そのため、午前4時までに料金所等を通過できれば割引の対象となります。首都高を通り抜けるのに、深夜帯なら通常2時間は掛かかりませんので、6時に1,000円が上乗せされる前に通り抜けることは難しくないでしょう。料金上乗せというデメリットが注目されがちですが、お得になる仕組みをうまく利用して、オリンピック期間を切り抜けましょう。