いつモノコト

外出先でハサミを使いたい! コクヨ「ハコアケ」が便利 開梱カッターにもなる

2Way携帯ハサミ<ハコアケ>

外出先でハサミを使いたい。そんなシチュエーションに年4~5回ほど出くわします。例えば、新幹線移動中におつまみを食べたいとします。そんな時に限って、包装袋の切り口が役に立たず、手も滑ってしまう。この時の無常観たるや。

恐らく、ボールペン(のペン先)を袋に突き立てれば、無理矢理破ることはできるでしょう。ただし、電気製品や漫画単行本にかかっている外装フィルムを剥がす際に、あまり手荒なまねはできません。となると、普段からハサミを持ち歩くべきか。いや、こんなご時世だし、みだりに刃物を持ち歩くのもよくないか。判断に迷うところです。

そうした中、観光のついでに訪れたお店で、一風変わったハサミに出会いました。コクヨの「2Way携帯ハサミ<ハコアケ>(カッタータイプ)」という製品です。価格は935~1,320円。今回、刃がチタンコートされているオレンジ色のモデル(1,320円)を実際に買って、試してみました。

見た目はカッター。レバー操作で小型ハサミに早変わり

ハコアケを見かけたのは、コクヨが東京・羽田空港第3ターミナル駅直結の商業施設「羽田エアポートガーデン」内に出店している「KOKUYODOORS(コクヨドアーズ)」というお店。立地を考えると、恐らくはインバウンド観光客へのアピールが念頭にある店舗なのでしょう。ユニークかつカラフルな製品がズラーッと陳列される中、ハコアケは実際に試用できるかたちで展示中でした。この実物に触れたことが、購入の大きなきっかけです。

ハコアケのパッケージ(表面)
パッケージ裏面には、使い方が詳しく記載されています

実はハコアケにはいくつかバリエーションがあるのですが、本稿で取り上げるのは「カッタータイプ」です(以下、特記なき場合はこのカッタータイプのハコアケを指します)。外観は113×28mmという平たい板状。厚みは約15mm、重さは39gほど(ともに筆者実測値)で、その名の通りカッターのような見た目です。

では、一般的なカッターとハコアケの違いはなにか? それは刃の形状と、繰り出し方です。ハコアケの側面には黒いレバーがあり、スライドによって3つのモードを切り替えられるようになっています。

まずはロックモード。言わずもがな、刃が露出しないようにロックをかけておくモードです。つまりキャップレス仕様となっており、刃カバー紛失の心配がありません。

これがロックモード。キャップレスで刃を保護し、安全に持ち運ぶことができます

レバーは親指で操作するにようなっており、1段階スライドさせると開梱カッターモードになります。長方形状の金属プレートがおよそ20mmほどせり出し、その角の部分が刃になります。ただし通常のカッターとは違い、厚紙や段ボールが切れるほどの鋭利さはありません。粘着テープに切れ目を入れたりカットするためだけのカッターと考えてください。

レバーを一段階スライドさせると開梱カッターモードに。金属プレートがわずかに飛び出します
開梱カッターモードでは刃の飛び出しが最小限。この角の一部分(画像では左下)だけが鋭利になっています

開梱カッターモードからもう一段階レバーをスライドさせると、ハサミモードになります。金属プレートがさらにせり出してハサミ状に展開。そして黒いレバーは跳ね上がってハサミのハンドルになります。このトランスフォームっぷりはお見事!

そしてハサミモード。刃がさらにせり出して、一般的なハサミの見た目に近くなります。そしてレバーはハサミのハンドルに

ハサミ部分の刃渡りは35mmとかなり小ぶりなため、厚手のものは切れません。また、一般のハサミと比べてハンドル形状も異なる(穴状になっていない)ので、あらゆるものをスイスイ切れるかといえば、それは無理な注文です。

とはいえ、梱包用のPPバンドやビニール袋を少量切る程度なら、このハサミモードで全く問題なし。本稿冒頭で触れたような、菓子袋を開ける際には大いに活躍してくれることでしょう。

刃はかなり短め。ハサミとしてみても、一般のものよりかなり小ぶりなため、あらゆる用途で使い心地抜群!……とまでは言えず
とはいえ、小さなお菓子の袋を開ける程度であれば、用は十分足ります

収納時のコンパクトさが魅力、手近な場所に置いて使いたい

ハコアケを実際に使ってみて感じたのは、“キャップレスかつ板状のハサミ”ならではの利便性です。

ハサミは、包丁やカッターに比べて危険は少ないかもしれませんが、それでも収納場所には気を使います。指をケガしないように引き出しにしまったり、もしカバンで持ち運ぶなら、剥き身の状態にはせず、必ずキャップやカバーを付けるはず。

小さくてもハサミはハサミ。収納場所や持ち運び方には気を使います。カッタータイプのハコアケなら、そうした気遣いが減る。隠れたメリットの1つです

しかしハサミ本体に加えてカバーまで管理するのは意外と煩雑です。それこそ無くしてしまったり、そもそもキャップが付いていないハサミを買ってしまっていたり……。

その点ハコアケは構造上、最初からキャップレスです。キャップやカバーを無くす心配がありません。さらに未使用時は刃が本体内に収納されるので、嵩張りません。小さなペンケースにも十分収納できますし、事務机の引き出しにしまうにしても、一般的なペンなどと同じように扱えます。ペン立てに挿し入れるにしても、ハンドルの凸凹がない分“すわり”がよい印象です。

ペン立てに挿しておくにしても、ストレートな板状のハコアケならスッキリしまえます

筆者の場合、ハサミの存在こそがハコアケの購入目的であり、開梱カッター機能は蛇足かとも考えました。実際、コクヨはハサミだけに特化した「サクサポシェ」という製品をラインナップしており、こちらもKOKUYODOORSで展示されていました。単機能な分、サイズもコンパクトです。

ただハコアケとサクサポシェを持ち比べてみると、サイズ的にはハコアケのほうが筆者の手に馴染む印象(サクサポシェは若干小さく感じてしまった)。またハコアケの開梱カッターを実際に使ってみますと、刃を切断面にあてやすくするガイドがなかなか便利でした。段ボールの粘着テープ部分にカッターを押し当てる際、自然な角度になるよう、本体のデザインが工夫してあるのです。一般的なカッターとはまた違った使用感に仕上がっています。

開梱カッターモードのハコアケを梱包物の角に押し当てると、刃の角度がちょうど45度のになるよう、本体構造が工夫されています

ハコアケの購入から1カ月ほど経ちました。外出先で使った機会は数えるほどですが、それでもお花見の際にお菓子の袋を開けるのに重宝しました。想像するに、キャンプでも便利かも? 今後はより積極的に、宿泊旅行の際に持ち運んでみようと計画中です。ただしハサミは飛行機での機内持ち込みが御法度なので、注意しなければ……。

ハサミを持ち歩く必要がないという方でも、1つでハサミと開梱カッターの2役をこなせるハコアケは、なかなか便利な製品と言えるでしょう。例えば玄関脇など、開梱作業をよく行う場所に用意しておけば威力を発揮しそうです。今のところ筆者は、財布や鍵、(配送物の受け取り時に使う)認印などを置いておくスペースの横に、ハコアケを備え付けるようにしています。

ちなみにハコアケは、ハサミ状の本体に開梱カッター機能がついたハサミタイプの製品もあります(価格は1,045~1,430円)。自分の用途をじっくり考えてみて、より適したモデルを見つけてはいかがでしょうか?

ハコアケの使い道は人それぞれですが、引き出しの奥にしまうより、手近な場所に置いておくのがよさそう。筆者は財布や鍵のそばに置いています
森田秀一

1976年埼玉県生まれ。学生時代から趣味でパソコンに親しむ。大学卒業後の1999年に文具メーカーへ就職。営業職を経験した後、インプレスのウェブニュースサイトで記者職に従事した。2003年ごろからフリーランスライターとしての活動を本格化。おもな取材分野は携帯電話、動画配信、デジタルマーケティング。「INTERNET Watch」「ケータイ Watch」「AV Watch」「Web担当者Forum」などで取材レポートを執筆する。近著は「動画配信ビジネス調査報告書 2021」(インプレス総合研究所)、「BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引2020」(共著、インプレス総合研究所)。