いつモノコト
外出先でハサミを使いたい! コクヨ「ハコアケ」が便利 開梱カッターにもなる
2024年4月13日 09:30
外出先でハサミを使いたい。そんなシチュエーションに年4~5回ほど出くわします。例えば、新幹線移動中におつまみを食べたいとします。そんな時に限って、包装袋の切り口が役に立たず、手も滑ってしまう。この時の無常観たるや。
恐らく、ボールペン(のペン先)を袋に突き立てれば、無理矢理破ることはできるでしょう。ただし、電気製品や漫画単行本にかかっている外装フィルムを剥がす際に、あまり手荒なまねはできません。となると、普段からハサミを持ち歩くべきか。いや、こんなご時世だし、みだりに刃物を持ち歩くのもよくないか。判断に迷うところです。
そうした中、観光のついでに訪れたお店で、一風変わったハサミに出会いました。コクヨの「2Way携帯ハサミ<ハコアケ>(カッタータイプ)」という製品です。価格は935~1,320円。今回、刃がチタンコートされているオレンジ色のモデル(1,320円)を実際に買って、試してみました。
見た目はカッター。レバー操作で小型ハサミに早変わり
ハコアケを見かけたのは、コクヨが東京・羽田空港第3ターミナル駅直結の商業施設「羽田エアポートガーデン」内に出店している「KOKUYODOORS(コクヨドアーズ)」というお店。立地を考えると、恐らくはインバウンド観光客へのアピールが念頭にある店舗なのでしょう。ユニークかつカラフルな製品がズラーッと陳列される中、ハコアケは実際に試用できるかたちで展示中でした。この実物に触れたことが、購入の大きなきっかけです。
実はハコアケにはいくつかバリエーションがあるのですが、本稿で取り上げるのは「カッタータイプ」です(以下、特記なき場合はこのカッタータイプのハコアケを指します)。外観は113×28mmという平たい板状。厚みは約15mm、重さは39gほど(ともに筆者実測値)で、その名の通りカッターのような見た目です。
では、一般的なカッターとハコアケの違いはなにか? それは刃の形状と、繰り出し方です。ハコアケの側面には黒いレバーがあり、スライドによって3つのモードを切り替えられるようになっています。
まずはロックモード。言わずもがな、刃が露出しないようにロックをかけておくモードです。つまりキャップレス仕様となっており、刃カバー紛失の心配がありません。
レバーは親指で操作するにようなっており、1段階スライドさせると開梱カッターモードになります。長方形状の金属プレートがおよそ20mmほどせり出し、その角の部分が刃になります。ただし通常のカッターとは違い、厚紙や段ボールが切れるほどの鋭利さはありません。粘着テープに切れ目を入れたりカットするためだけのカッターと考えてください。
開梱カッターモードからもう一段階レバーをスライドさせると、ハサミモードになります。金属プレートがさらにせり出してハサミ状に展開。そして黒いレバーは跳ね上がってハサミのハンドルになります。このトランスフォームっぷりはお見事!
ハサミ部分の刃渡りは35mmとかなり小ぶりなため、厚手のものは切れません。また、一般のハサミと比べてハンドル形状も異なる(穴状になっていない)ので、あらゆるものをスイスイ切れるかといえば、それは無理な注文です。
とはいえ、梱包用のPPバンドやビニール袋を少量切る程度なら、このハサミモードで全く問題なし。本稿冒頭で触れたような、菓子袋を開ける際には大いに活躍してくれることでしょう。
収納時のコンパクトさが魅力、手近な場所に置いて使いたい
ハコアケを実際に使ってみて感じたのは、“キャップレスかつ板状のハサミ”ならではの利便性です。
ハサミは、包丁やカッターに比べて危険は少ないかもしれませんが、それでも収納場所には気を使います。指をケガしないように引き出しにしまったり、もしカバンで持ち運ぶなら、剥き身の状態にはせず、必ずキャップやカバーを付けるはず。
しかしハサミ本体に加えてカバーまで管理するのは意外と煩雑です。それこそ無くしてしまったり、そもそもキャップが付いていないハサミを買ってしまっていたり……。
その点ハコアケは構造上、最初からキャップレスです。キャップやカバーを無くす心配がありません。さらに未使用時は刃が本体内に収納されるので、嵩張りません。小さなペンケースにも十分収納できますし、事務机の引き出しにしまうにしても、一般的なペンなどと同じように扱えます。ペン立てに挿し入れるにしても、ハンドルの凸凹がない分“すわり”がよい印象です。
筆者の場合、ハサミの存在こそがハコアケの購入目的であり、開梱カッター機能は蛇足かとも考えました。実際、コクヨはハサミだけに特化した「サクサポシェ」という製品をラインナップしており、こちらもKOKUYODOORSで展示されていました。単機能な分、サイズもコンパクトです。
ただハコアケとサクサポシェを持ち比べてみると、サイズ的にはハコアケのほうが筆者の手に馴染む印象(サクサポシェは若干小さく感じてしまった)。またハコアケの開梱カッターを実際に使ってみますと、刃を切断面にあてやすくするガイドがなかなか便利でした。段ボールの粘着テープ部分にカッターを押し当てる際、自然な角度になるよう、本体のデザインが工夫してあるのです。一般的なカッターとはまた違った使用感に仕上がっています。
ハコアケの購入から1カ月ほど経ちました。外出先で使った機会は数えるほどですが、それでもお花見の際にお菓子の袋を開けるのに重宝しました。想像するに、キャンプでも便利かも? 今後はより積極的に、宿泊旅行の際に持ち運んでみようと計画中です。ただしハサミは飛行機での機内持ち込みが御法度なので、注意しなければ……。
ハサミを持ち歩く必要がないという方でも、1つでハサミと開梱カッターの2役をこなせるハコアケは、なかなか便利な製品と言えるでしょう。例えば玄関脇など、開梱作業をよく行う場所に用意しておけば威力を発揮しそうです。今のところ筆者は、財布や鍵、(配送物の受け取り時に使う)認印などを置いておくスペースの横に、ハコアケを備え付けるようにしています。
ちなみにハコアケは、ハサミ状の本体に開梱カッター機能がついたハサミタイプの製品もあります(価格は1,045~1,430円)。自分の用途をじっくり考えてみて、より適したモデルを見つけてはいかがでしょうか?