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ヒーター内蔵した服で火傷の事故発生 保管時は折り畳みNG

電熱ウェアの異常発熱に注意

独立行政法人 国民生活センターは、全国の消費生活センターに寄せられた相談の中で、電熱ウェアの異常発熱による衣服の焼損や火傷を負ったなどの事例が、2017年4月~2022年9月末のあいだで228件にのぼると発表。

電熱ウェアのなかでも特にジャケットやベストについての相談が7割を占めることから、その危害・危険につながる異常発熱に関するテストを行なうとともに、消費者へ注意喚起することにしたという。

なお、同センターのいう「電熱ウェア」とは、ジャケットやベスト、ブルゾンなどの衣服に、電熱線による発熱体を内蔵させた商品のこと。商品ごとに発熱体の構造や大きさ、位置や数は様々だが、背中や襟などに配置されて、胸元などにあるスイッチで電源のON/OFFや、温度を切り替えられるものが多くみられるとする。

電熱ベスト使用時に、首元が焦げて穴が開いたなどの事例も

電熱ウェアによる危害や危険に関する事例では、「電熱ベストを使用していたら首元が焦げて穴が開いた」や「パジャマの上に着用したところパジャマが焦げてしまった」などがあったという。

国民生活センターが、消費生活センターから依頼を受け商品を調査したところ、いずれも異常発熱により商品が損傷したものだという。

そこで、使用中に異常発熱する状況を模したテストを実施。電線を切断し、断線部同士が不安定に接触した状態で通電すると、接触部分の温度が30秒ほどで200℃にまで上昇したという。また発熱体周囲の温度が高いと、発熱体の温度も高くなる傾向がみられたとする。

正常な場合は各電熱線が均等に発熱するが、断線部同士が接触した場合に、その箇所が異常に発熱した
周囲温度が20℃の場合は発熱体の最高温度が68℃だったが、周囲温度が40℃に高まった場合には、発熱体自体の温度も最高84℃にまで高くなった

保管時は折り畳まない。布団の中で使わない! 注意表示の確認を

製品表示を調査すると、下記のような使用上の注意が記載されていたという。

・折り畳まずに保管するなど、電熱線等に負荷をかけないようにする
・他の暖房機器の近くや布団の中など、高温になる環境では使用しない
・濡れた状態での使用を禁止

以上のことを踏まえて、国民生活センターは「電熱ウェアは衣服に暖房機能を持たせた電気製品」であるとし、改めて「丁寧に扱い、異常を感じたら使用を中止する」よう求めている。また、取扱説明書や本体の注意表示をよく読んで、理解してから使用するようアドバイスしている。

同時に、製品を展開する事業者に向けては、異常が生じた際に通電を停止する機能など、安全に配慮した商品の開発を要望している。