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AIに「耳」、眼鏡用次世代ディスプレイなど CEATEC注目技術
2026年10月13日 13:36
デジタルイノベーションの総合展示会「CEATEC 2026」が、10月16日まで幕張メッセにて開催されている。入場は無料で、会場参加やカンファレンス聴講などには事前予約が必要となる。
CEATECでは、特にイノベーション性が高い出展製品や技術、サービスを表彰する「CEATEC AWARD」を実施。本稿では同アワードで大臣賞を受賞した出展物を紹介する。
フィジカルAIに「耳」を与える技術
総務大臣賞を受賞したのは、多様な環境下で音を聞き分ける聴覚機能をフィジカルAIに与える、三菱電機グループの「タスク汎用音源分離技術(TUSS)」。
TUSSは、マイクで収音した複数の音が混ざった状態から、必要な音を分離・抽出するAI技術。分離したい音をプロンプトで指定することで、音声分離や音声強調、機械音の分離など、従来は用途ごとに専用モデルが必要だった処理を単一のAIモデルで行なえる。
工場や公共空間では、機械音、人の声、周囲のノイズなどが同時に発生するため、AIが必要な音だけを正確に捉えることが難しいという。TUSSでは、現場や目的が変わってもモデルを作り分ける必要がなく、さまざまな環境に対応できる点を特徴とする。
処理の高速化や、マイク本数に依存しない設計も採用し、ロボットや監視機器、設備機器などへの実装を想定する。画像や映像を中心としてきたフィジカルAIに聴覚を加えることで、異常検知や音声認識、現場記録などへの活用につなげる。同技術は2027年のサービス化を目指している。
同社のブースではこのほか、「現合調整AI」搭載ロボットによる作業や、CP Roboticsとの協業による搬送・商品補充ロボットなども展示している。
スマートグラスを“普通の眼鏡”に近づけるミラー
経済産業大臣賞を受賞したのは、TDKのスマートグラス用ディスプレイ向け「メタオプティクスミラー」。ナノサイズの微細構造で光の反射方向を制御し、従来は眼前に必要だった大きな曲面ミラーを薄型・平坦化して、眼鏡レンズへのミラーの埋め込みを実現する。
スマートグラスでは、表示性能に加えて、日常的に装着できるデザインや光学系の小型・薄型化が課題となっている。特に、網膜に直接映像を投影するディスプレイ方式では、眼前に大きな曲面ミラーを配置する必要があり、外観上の制約となっていた。
同技術では、このミラーを眼鏡レンズ内に収めることで、通常の眼鏡に近い外観を実現。対面から見た際にレンズに生じる虹模様を抑えながら、高い透明度も確保するという。従来の網膜直接描画方式が抱えていた外観上の制約を改善するとともに、高価な導波路に依存しない光学系の簡素化を目指している。
メタオプティクスミラーは現在、緑色の単色表示に対応しており、今後はフルカラー化を進め、数年以内の実用投入を目指す。なお、同社はスマートグラス本体を製品化せず、スマートグラスメーカーとの協業を通じて同技術を展開する。
社会インフラをAIで高度化
デジタル大臣賞を受賞したのは、日立製作所のAIソリューション群「HMAX by Hitachi」。鉄道、電力、産業、金融などのミッションクリティカルな社会インフラ分野を対象に、同社が培ってきたOT(制御・運用技術)、IT、プロダクト技術、各分野の知見とAIを組み合わせ、運用、保守、制御、意思決定の高度化を支援する。
人材不足や熟練技術者の減少、設備の老朽化などが課題となるなか、HMAXにより現場から得られるデータをAIで分析するだけでなく、その結果を実際の運用や制御に反映し、継続的な改善につなげる。
個別設備の予兆保全や運用効率化に加え、複数の設備や業務を横断した最適化への展開も想定する。安全性や信頼性が求められる社会インフラにAIを組み込み、実際の設備やシステムの運用につなげる。
ブースでは、ケーブルをクリップに固定する配線ロボットや、工場内の環境を監視するロボットを展示。このほか、鉄道向けソリューション「HMAX for Rail」の説明や、日立ビルシステム 水戸事業所で実証中のフィジカルAI搭載ロボットなども紹介している。























