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LINEに誘導されるSNS詐欺、対策の鍵は「通報」
2026年8月7日 19:42
LINEヤフーは7日、SNSを悪用した各種詐欺被害の動向と、「LINE」アプリで実施している不正対策について説明する報道関係者向け勉強会を実施した。
近年、SNS型投資詐欺やニセ警察詐欺など、SNSを悪用した犯罪が深刻化している。警察庁の統計によると、2025年のSNS型投資詐欺の認知件数は9,538件で、前年から48.7%増加した。被害額は46.3%増の約1,274億円。ニセ警察詐欺の認知件数は10,936件、被害額は約985億円にのぼる。
また、26年上半期の特殊詐欺全体の被害額は約1,816億円で、すでに24年の年間被害額に迫る規模となっている。このうち、SNS型投資詐欺が43.9%、ニセ警察詐欺が28%を占め、2つの手口だけで被害額全体の大部分を占めているという。
SNS型投資詐欺では、SNS上のバナー広告やダイレクトメッセージ(DM)を入口に接触し、LINEなどの連絡ツールへと誘導して金銭を騙し取る手口が多い。LINEが最初の接触手段になるケースは比較的少ないが、SNSからLINEへ誘導される割合は非常に高く、被害時の連絡ツールの96%がLINEだという。
LINEヤフーはこの結果について、詐欺では各国で最も利用されている連絡ツールが犯罪の手段として悪用される傾向があり、日本ではLINEが標的になっていると説明した。
同社が実施した、SNS型投資詐欺やニセ警察詐欺に関するユーザー意識調査では、7割以上が「自分は騙されない」と回答。過去の警察庁調査でも、実際の詐欺被害者ほど事前に「自分は被害に遭わない」と考えていた傾向があり、同社は過信への懸念を示した。
また、怪しいアプローチを経験した人のうち6割以上が、面倒、意味がない、機能の場所や存在を知らないといった理由で、報告や通報を行なわなかったという。
不正対策では「通報」が重要
LINEヤフーは23年頃から本格的な不正対策に着手し、25年には常設の不正対策チームを立ち上げた。同社は、詐欺の流れを「犯人との接触前」「当初接触ツール」「連絡ツール」「被害発生後」の4段階に分けて対策を進めている。
接触前の段階では、啓発サイトの作成や関係機関と連携した注意喚起を実施。当初接触ツールへの対策では、なりすましアカウントの排除や広告審査の厳格化により、不審な詐欺広告のLINE内流通を抑制している。
LINEへ直接誘導させないよう、遷移先やクリエイティブの審査も強化しており、こうした対策により、LINEが詐欺の最初の接触手段となる割合は減少しているという。
一方で、詐欺グループとのやり取りが3段階目の「連絡ツール」、つまりLINEに移った後は、LINEヤフー側が積極的に対応することが難しいという。LINEのトークやグループトークはクローズドな空間であり、通信の秘密を保護する法令上の制約があるほか、エンドツーエンドの暗号化技術も導入されている。そのため、運営側は通常、チャット内容を確認できず、警告や介入を行なえない。
こうした事情から、LINEヤフーはユーザーによる通報の重要性を強調する。怪しいメッセージやグループ招待を受け取った際に、ユーザーがアプリ内で通報することで、同社が内容を確認でき、規約違反アカウントの調査や停止につなげられる。LINEでは、メッセージであれば長押しすることで通報できるため、不審なやり取りがあった場合は通報してほしいと同社は語った。
被害発生後については、捜査機関からの要請に基づく情報開示の体制を強化し、犯人検挙を支援している。また、金融機関への注意喚起素材の提供なども進めている。
LINEでは、友だち以外のユーザーとの1対1トーク開始時や、グループへの招待時、アカウントを友だち追加する際などに、詐欺への注意を促す表示を設けている。
同社は新たな対策として、26年4月に「メッセージリクエストボックス」機能を導入。友だちに追加していない相手からのメッセージやグループ招待を一時的に隔離し、「友だち以外からのリクエスト」フォルダに分けて表示する機能で、不用意に詐欺グループと接触するリスクを減らす狙いがある。
詐欺グループで使われる「サクラ」アカウントへの対策も進める。AIを用いて行動様式やアカウント同士のつながりを分析し、従来の判定フローでは検出できなかった不正利用の可能性が高いアカウントを特定して、迅速に利用停止にする。
ニセ警察詐欺に関しては、警察官などを名乗ってビデオ通話へ誘導する手口がある。これに対して同社は、一定条件を満たすビデオ通話の開始時に注意喚起ダイアログを表示し、ユーザーに気づきを促す対策を行なっている。
LINEヤフーは、現状の対策で十分とは考えていないとし、国内の詐欺被害を少しでも減らすために今後も機能強化と対策を継続していくとした。

















