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赤坂溜池タワー屋上でブドウ栽培 森ビルが臨む緑化と実り

森ビルは、「赤坂溜池タワー」の屋上で栽培しているブドウの収穫を行なった。地上約100mの場所で育ったブドウが数多く収穫された。

赤坂溜池タワーは森ビルが管理運営しているオフィス、住宅等で構成される、地上25階・地下2階の複合施設。所在地は東京都港区赤坂2-17で、アクセスは東京メトロ 溜池山王駅および赤坂駅から徒歩約4分、赤坂見附駅から徒歩約9分。

赤坂溜池タワー
赤坂見附駅から溜池山王駅方面へと連なる飲食店街の先に見える

こういった都心のビルの屋上でブドウを栽培する目的は、森ビルが取り組む都市緑化の一環。森ビルでは赤坂溜池タワーだけではなく、アークヒルズや六本木ヒルズ、秋に「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」が開業する虎ノ門ヒルズ、11月に開業する麻布台ヒルズなど、管理するほぼすべての施設で緑化空間の整備に取り組んでいるという。

赤坂溜池タワーの竣工は2000年で、当時より屋上に、同施設の居住者やワーカーが憩いの場として利用できる庭園を設置しており、その中の植物の1つとしてブドウの栽培が開始された。

屋上にはブドウのほかにも多くの緑が整備されている
屋上から見た風景
ブドウの栽培を行なっている棚

今年収穫される予定の品種は、巨峰と白ぶどうの「ロザリオ・ビアンコ」。あくまで観賞用という位置づけだが、自然に任せて実が落ちるのを待つことなく収穫を行なう。春には花、夏には実、秋には色づく葉を楽しむことができるという。

巨峰
ロザリオ・ビアンコ
収穫の様子

屋上での栽培は、地上とは異なる苦労があるそう。まず、土壌の範囲が狭いので、栄養などが行き届くよう、他の植物とのバランスを考えなければならない。また、特に台風の時など、風の影響を受けやすく、実が落ちてしまうこともある。

一方で、100mという高さゆえ、地上に比べると虫による被害は少ない。同様に鳥による被害も少ないかというとそんなことはなく、都心ではカラスによる被害を受けることもあるとのこと。ただ、年によってカラスが来たり来なかったりで、来る年は集団でやってくるが、来ない年はほとんど被害を受けないという。

森ビルでは赤坂溜池タワーのブドウ以外にも、ジューンベリーやアーモンド、シークアーサー、イチゴなどの栽培を、各施設の緑地空間で行なっている。また六本木ヒルズの「けやき坂コンプレックス」の屋上庭園(通常非公開)では水田や畑を設置し、稲などを育てている。