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神戸空港から有馬温泉まで 鉄道・バス・ロープウェーがタッチ決済乗車対応へ

神戸市内で2024年春よりタッチ決済が利用可能となる公共交通機関

神戸市と三井住友カードは、2024年春より神戸空港から神戸中心部、有馬温泉までを結ぶ公共交通機関において、クレジットカードなどのタッチ決済による乗車を開始する。

タッチ決済を導入する交通事業社および路線は、神戸新交通「ポートアイランド線」、神戸電鉄「有馬線」、六甲山観光「六甲ケーブル」および「六甲山上バス」、こうべ未来都市機構のまやビューライン、六甲有馬ロープウェー、神戸-関空ベイ・シャトル、みなと観光バス「211、212、22系統」および「坂バス」で、全23駅、バス15台に導入を予定している。

タッチ決済導入時期は2024年春を予定しており、具体的な開始時期は今後改めて公表する予定。なお、神戸-関空ベイ・シャトルについては別のチケットレスシステムを導入済みのため、調整が完了次第導入する予定。

タッチ決済を導入する対象路線
神戸新交通

ポートアイランド線全駅(12駅)

神戸電鉄

有馬線 谷上駅、有馬口駅、有馬温泉駅

六甲山観光

六甲ケーブル 六甲山上駅、六甲ケーブル下駅、六甲山上バス

こうべ未来都市機構

まやビューライン 摩耶ケーブル駅、虹の駅、星の駅
六甲有馬ロープウェー 有馬温泉駅、六甲山頂駅
神戸-関空ベイ・シャトル

みなと観光バス

211、212、22系統
坂バス

神戸市都市局 交通施策課課長の吉田匡利氏によると、今回の取り組みのように、鉄軌道、バス、ロープウェーなどの系列の異なる複数の交通事業社が同時期にタッチ決済を一斉導入するのは国内初とのこと。今回の取り組みに加え、すでにタッチ決済を導入済みの神姫バスの連節バス「ポートループ」「シティループ」や、導入発表済みの神戸市営地下鉄と合わせて、神戸空港やウォーターフロントから三宮、新神戸、六甲山系、有馬温泉の間を、タッチ決済対応のクレジットカード1枚でシームレスに移動が可能になるとしている。

今回の取り組みについて説明する神戸市都市局 交通施策課課長の吉田匡利氏

対象となるカードの決済ブランドは、Visa、JCB、American Express、Diners Club、Discover、銀聯。Mastercardについては、順次追加予定としている。

今回の取り組みを行なう背景は、2024年5月開催予定の「世界パラ陸上競技選手権大会」や、2025年開催予定の「大阪・関西万博」、神戸空港の国際化などによる神戸への国内外の来訪者増加に対応するため。神戸市では、この問題に素早く対応すべく、クレジットカードなどのタッチ決済を導入する交通事業社に対し、経費の一部を補助する制度を設けており、今回発表された交通事業社のタッチ決済対応は、その制度を利用したものになる。

タッチ決済導入後には1日乗車券のようなタッチ決済を利用した企画券の導入も検討。単一事業社だけでなく、対応する事業社をまたいだ企画券の導入や、地域のお店と連携し、お店での購買と運賃の割引を組み合わせるといったものも検討しているという。

三井住友カード「stera transit」を活用

今回の取り組みで導入されるタッチ決済システムは、三井住友カードの公共交通機関向けソリューション「stera transit」となる。

三井住友カード Transit事業推進部グループ長の生田孝憲氏によると、stera transitは、20年7月に事業を開始して以降、今回の取り組みを含めて29都道府県、74事業社での導入または実証実験開始が発表済みで、2023年度には100社を超える公共交通機関への導入が見込まれているという。このように、公共交通機関でのタッチ決済対応が進んでいる背景として、国内でのタッチ決済対応カード発行枚数が2023年3月に約1億枚に達したことや、タッチ決済対応端末の普及が進んでいることなどを背景に、タッチ決済の認知度が高まっていることが大きな要因になっていると説明。

三井住友カード Transit事業推進部グループ長の生田孝憲氏

また、新型コロナウイルスの水際対策緩和以降、インバウンド観光客が急増しており、公共交通機関の窓口や券売機をインバウンド観光客が占領し混雑を招いている例が増えている。タッチ決済を導入することで、現金を用意してきっぷを購入したり、交通系ICカードのように現金チャージ不要で利用できるため、こういった問題を改善できる。

この他、stera transitでは、クラウドシステムを活用し運賃の1日累計額に上限を設けるシステムも実現済み。これは、例えば1日に同じ路線に複数回乗車した場合に、累計運賃に上限を設け、それ以上の運賃が請求されなくなるというもの。1日乗り放題になるきっぷと同じようなシステムだが、stera transitの場合には事前に1日乗車券を購入したり、利用の宣言を行なうことなく自動適用が可能となる。

こちらも、利用客の利便性を大きく高めるとともに、混雑解消に繋がることから、交通事業社だけでなく利用者からもポジティブなコメントを多く受けており、神戸の取り組みにおいても、「この仕組みを活用して神戸市が考えるMaaS施策に活かして行きたい」と説明した。

三井住友カードの公共交通機関向けソリューション「stera transit」を採用
stera transitは今回の発表時点で29都道府県、74事業社での導入または実証実験開始が発表済みで、2023年度中に100社を超える導入を見込んでいる
stera transitの導入によって、インバウンド観光客増加による課題の改善が期待できる
クラウドシステムを活用するstera transitの特徴を、企画券や地域店舗との連携など神戸市が考えるMaaS施策に活かしていく