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パナソニック、大阪万博パビリオン「ノモの国」 風に揺れ輝くファサード

パナソニック ホールディングス、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のパナソニックグループパビリオン「ノモの国」の起工式を、夢洲のパビリオン建設予定地で実施。資源循環型パビリオンの建築について解説した。

パナソニックグループは、「物と心が共に豊かな理想の社会」の実現を目指し、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を掲げ「地球環境問題の解決」への貢献に取り組んでいる。「ノモの国」の建築でも、「3つの循環で生まれるパビリオン」をテーマに掲げ、使用済みの家電から回収したリサイクル材料や工場から出る端材・廃材、パナソニックグループが開発した廃材を使った製品などを積極的に採用する。

パビリオンのデザインについては、「子どもたちの心が『解き放たれる』デザイン」とし、生物的な風にゆらぐ軽やかで自由な建築を構想。「ひとの営み」と「自然の営み」を合わせた「720°の循環」をイメージしたパーツを組み合わせたファサードのトレードマークとなる。

ファサードを構成するパーツ
パビリオンの模型
ファサードの構成イメージ

また、パーツには表面に金属繊維をコーティングした布を一つずつ貼り付け、かぜに揺らめきながら光を反射してさまざまな表情をみせる。

パーツは一つ一つ積み重ねることでファサードを構成するが、建築物として十分な強度が得られるように構造解析しながら強度を確認。会場が海に近いことから、海風にも耐えられるよう風洞実験なども行なって強度を確認している。

風洞実験の様子
実際にパビリオンが設置される現場でもテストを実施。手作業で布の調整も行なった

家電などのリサイクル材料を活用

パナソニックグループの家電リサイクル工場では、「循環型モノづくり」として、使用済み家電から高効率・高純度の材料を回収し、さまざまな協力企業とともに資源(樹脂・非鉄・鉄等)を再度製品に活用する資源循環のスキームを構築している。これを活用し、パビリオンの建築でも家電リサイクル工場から回収された鉄・ガラス・銅などの材料をもとに生成された建築部材を積極的に採用する。

また、万博期間終了後も建築に利用した材料を循環スキームに戻すことで、博覧会協会が目標とする98.1%(重量ベース)のリサイクル率を、パナソニックグループパビリオンとしても目指している。

パビリオンで利用する鉄約118トン(付帯鉄骨、リース部分およびファサードを除く)の約82%、主な柱・梁(接合部のプレート等を除く)約98%にあたる97.1トンに、リサイクル鉄を利用。

パビリオンの外構部の舗装ブロック(約749m2)には、世界で初めてドラム式洗濯乾燥機約4,600台分のリサイクルガラスを使用して製造した「インターロッキングブロック(廃ガラス含有率7%)」を全面採用する。

パビリオンで利用する主要幹線ケーブルに使う銅は、使用済み家電のプリント基板からとれる銅を原料としたリサイクル銅線を約100%(約1.2t)採用する。

その他、システムキッチンなどの製造で使用する「人造大理石」やテレビに使用する「プリズムシート」などの端材・廃材を、パビリオン内の応接室などを中心に、内装や照明として活用。ブラヤシ廃材を活用した「PALM LOOP」や環境配慮型木質床材「サステナブルフロアー」など資源循環を通じた社会課題の解決に貢献する製品もパビリオンの内装に活用する。