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コクヨ、外出先でも子供の居場所・表情・頑張りが分かる「Hello! Family.」

コクヨは、親子間のコミュニケーションをサポートする新ブランド「Hello! Family.」を立ち上げ、見守りIoT事業へ参入。スマートフォンアプリと4種のIoTデバイスを順次リリースする。このうちアプリと2種のデバイスを3月29日に公開、発売した。価格は3,960円から16,280円。

Hello! Family.は、“家族の「いま」は、もっとつながる。”をコンセプトとする、家族の新しい形のコミュニケーションをサポートするブランド。特に共働き世帯で多い、親子間のコミュニケーションの希薄化やすれ違いといった悩みを解決するためのアプリや製品を展開する。

プロジェクトリーダーを務めるコクヨ 経営企画本部の山本容子氏も3人の小学生の母であり、自身の経験も踏まえて企画開発。離れていても家族の存在を身近に感じることができ、日常の小さなアクションをほめたり、応援し合ったりとポジティブなコミュニケーションを活性化させることを目指して開発した。

コクヨ 経営企画本部 イノベーションセンター Hello! Family.プロジェクトリーダー 山本容子氏

第1弾として発表したデバイスは、子どもの位置情報を確認できるGPS「はろここ」、子どもの持ち物につけることで忘れ物チェックができるタグ「はろたぐ」、マイク・カメラ付きで簡単にスマホへ音声メッセージを送信できるモニター「はろもに」、押すだけでスマホへメッセージを通知できるボタン「はろぽち」の4種。このうち「はろここ」「はろたぐ」を3月29日に発売し、これらのデバイスから送られてきた位置情報などを確認できるアプリ「ハロファミアプリ」を同日公開した。「はろもに」「はろぽち」は夏発売予定。

「はろここ」は、ランドセルや習い事のカバンなどに取り付けておき、GPS機能で子どもの居場所や移動経路をリアルタイムで確認するためのデバイス。よく行く場所を登録することで、子どもが出発・到着したときにアプリに通知される。子どもにも喜んでもらえるデザインの、別売りの専用ケースも用意する。

サイズは49×49×17mm(縦×横×奥行)、重量は約41g。カラーはホイップグリーン、マシュマロピンクの2色展開。価格は6,930円。専用ソフトケースは全3種を用意し、価格は1,980円。通信回線はソフトバンクで、別途通信料として月額580円が発生する。バッテリー持続時間は、頻度優先モードで1〜2週間。充電はUSB Type-C。

「はろここ」(上)と別売りの専用ケース(下)
「はろここ」
専用ケースは3種
使用イメージ

「はろたぐ」では、子どもがつけた持ち物に付けて「はろここ」とセットで持ち歩くことで、離れた場所からでも忘れ物をしていないかをすぐにアプリで確認ができる。これにより、子どもの居場所だけでなく持ち物も見守れる。家の鍵などの必需品、水筒や傘などの携行品に取り付けることを想定。子ども用のGPSと持ち物タグが繋がるのは「はろここ」と「はろたぐ」だけで、特許申請中。

サイズは36×14mm(直径×奥行)、重量は約11g。カラーはキャンディーグリーン、マンゴーイエローの2色展開。価格は3,960円。

「はろたぐ」
使用イメージ

「はろもに」はスマホとメッセージ交換できるモニターで、スマホを持たせるにはまだ早いと感じる子どもとのコミュニケーションに活用できる。マイクとカメラが付いたモニターにより、子どもの音声メッセージ、そのときの表情がスマホに届く。また、アプリからのメッセージを受信できる。

自宅で利用し、電源や自宅のWi-Fiネットワークが必要。サイズは97×102×95mm(縦×横×奥行)、重量は230g。カラーはアイシングターコイズ、シュガーピンクの2色展開。価格は16,280円。

「はろもに」
使用イメージ

「はろもに」では、予定ややることリストの表示も可能。子どもが1人で家にいる時もやることをチェックできるほか、「3時にピアノ」など習い事の登録をすることで音と光で通知し、子どもが1人で習い事に行くこともサポートする。

そのほか、親の居場所を表示する機能も搭載しており、例えば会社にいる、家の最寄駅に着いたなどが留守番中の子どもにも分かる。親の居場所については常にどこにいるかを表示するのではなく、アプリの「家族スポット管理」により登録した場所のみ表示される。

アプリの「家族スポット管理」画面。マップから登録できる

「はろぽち」は、宿題など子どもが「できた!」瞬間に押すボタン。子どもがボタンを押すと、登録した通知内容がアプリに届くほか、ポイントを貯めてバッジをゲットできる。「宿題できた」「手洗いできた」など、習慣化させたいことをメッセージにすることで、親子間のコミュニケーションだけではなく、子どもの成長にも役立つとしている。

顔のパーツシールや専用プレートが付属。子どもが進んで取りくみたくなるような楽しめるデザインにできるほか、割り当てるメッセージやボタンのデザイン・役割を変更できるので、成長に合わせて長く使用できる。

通信方法はWi-Fi、Bluetooth。サイズは72×37mm(直径×奥行)、重量は約60g。カラーはシャーベットブルー、コーラルピンク、カスタードイエローの3色展開。価格は4,840円。

「はろぽち」
好みのパーツなどでアレンジが可能
使用イメージ

ハロファミアプリでは、子どもの居場所や移動経路の確認、メッセージ交換や家族の予定の把握ができるアプリ。カラーとイニシャルで家族の状況をまとめてチェックできる。祖父母から子どもまで最大12人の登録が可能。

家族の予定やタスクの登録で、時間になったらプッシュ通知が届く。また、家族でテキストと音声のメッセージ交換ができるほか、いいねや既読機能でのリアクションも可能で、忙しい時のすれ違いを防ぐ。

ダウンロードは無料。5月には無料のレギュラープランよりも機能を充実させたプレミアムプランをリリースする。

デバイスは、Hello! Family.公式サイトを経由のうえ、コクヨ公式ステーショナリーオンラインショップにて購入できる。3月29日から5月31日まで、「はろここ」と「はろたぐ」をセットで購入した人に「はろここ専用ケース」をプレゼントするキャンペーンを実施する。

着眼点は仕事と子育ての両立が難しくなる「小1の壁」

子どもが小学生に上がる際、学校・学童保育と保育園・幼稚園の違いや、夏休みや春休みといった長期休暇の預け先の調整など、親にとっての悩みが発生する。プロジェクトリーダーの山本氏も同じ悩みを経験したという。

また、小学生になると行動範囲や交友関係が広がるほか、持ち物や宿題、勉強のサポートなど、不安も発生する。だからといって、子どもは宿題を終わらせているのに「宿題やった?」と聞くと、子どもにとっては親に理解してもらえないことにより達成感を感じられなくなってしまう。

こういった「小1の壁」は、共働き世帯が増加する状況下において約7割が直面する課題だという。

この課題に対してHello! Family.では、タッチポイントを増やすことによる安心を提供。さらに、関わりや成長を促す効果もあるとする。成長に合わせて用途や組み合わせを変えながら長く使えることも特徴で、子どもがスマホデビューをした後も、ハロファミアプリを家族間コミュニケーション用アプリとして活用できる。

山本氏はHello! Family.について、「監視でも管理でもない新しい見守りのかたち」としており、家族で使い、家族のコミュニケーションも活性化させると説明。また、子どもが毎日使いたくなる使用感と、親が求める機能性・インテリア性の両立にもこだわっている。

今後は、家族IoTデバイスのバリエーションを拡充するほか、将来的には「Hello! Family.プラットフォーム」を構築し、アプリとデバイスから収集される家族の日常生活にまつわる様々な情報を集約、他サービスへの連携・展開することを目指す。

発表会では、4児の母である辻希美さんが登壇。特に一番上の子が小学生に上がった時には、登校する子どもを電信柱に隠れて追っていったり、下校の時間に学校の門の前で待っていたりしたというエピソードを語った。

また、2年後には末っ子が小学校に上がるそうで、「一番上の子と同じくらい心配はあるけれども、Hello! Family.があれば自分も子どもも安心して1年生の生活を送れる」と話すとともに、デザインも辻さんは気に入っていて、子どもにとっても「これを持つことで携帯に近づけたという喜びを持てるかもしれない」と感想を述べた。

辻希美さん