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社員の出張不正を撲滅 コンカー、不正予備軍をデータで可視化

出張・経費管理クラウドのコンカーは「ニューノーマルトラベル構想」を発表。また、JTBビジネストラベルソリューションズ(JTB-CWT)の国内出張ポータルサービス「B+PLUS」との連携による、国内出張管理プロセスの効率化とガバナンス向上に向けた新サービス「JTB-CWT Trip Link」を開始する。

コンカーは出張管理「Concur Travel」を提供。海外出張に向けては、従来より出張前の予約、出張申請、予算確認から、出張中の旅程確認、危機管理、出張後の精算、分析まで、管理できる機能を提供していた。これらは、業務の効率化、ガバナンス、コスト最適化をテーマとしてきた。ガバナンスの面では、出張規定違反の自動検知、適切な航空券・ホテルの自動表示、出張規定違反の記録可視化により、上位クラスの座席利用といった社員の勝手な予約の抑止を図っていた。

ニューノーマルトラベル構想においては、コロナ禍を経た新しい出張管理のテーマとして、テレワーク促進、社員の安全管理、環境配慮を掲げる。

テレワーク促進は、コロナ禍で進んだオンライン会議を促進する仕組み。社内ルールを整備し、出張申請・承認機能「Concur Request」を利用して出張稟議プロセスに組み込むことで、出張の目的に応じてオンライン会議を促すメッセージを自動表示できる。例えば目的欄で「社内会議」を選択した際に「社内打ち合わせはWeb会議での開催を検討して下さい」と表示をするというテレワーク促進ができる。

社員の安全管理は、情勢の急変や疫病流行などに対応するもの。出張前にリスクを自動チェックするほか、出張中の従業員の不安要素排除に向けた支援を行なう。

環境配慮については、移動で発生するCO2を自動測定し、従業員単位で可視化。自分ごと化することによる環境に配慮したプランを選択する等行動変容を図る。こういったアクションを促進させる仕組みとして、グリーンパートナーである「推奨ホテル(環境にやさしい取組みをしているホテル)」を選びやすいよう、優先表示する。

国内出張に関する不正は毎年必ず発生

国内出張に関しては、企業における不正は毎年必ず発生しているとともに、発覚していない不正が隠れている状態とコンカーは分析。調査でも、「出張における意図的な不正が発生したことがある」が51%、「カラ出張(旅費の横領)が社内で生じている可能性がある」が62%となっている。

具体的な問題行為の例は、カラ出張、不正精算、不適切な旅費利用。こういった問題の背景には、個人立替精算による社員への現金還流、数が多すぎて不正発見が困難、対象者が多く統制維持が困難といった課題があるとする。これらに対し、社員への現金還流には会社払い精算、不正発見には仕組みで管理、統制維持には不正予備軍をデータで可視化することで解決に繋げる。

新サービスのJTB-CWT Trip Linkでは、分散しがちであった国内出張情報をSAP Concurに統合することで、国内出張管理プロセスの効率化とガバナンス向上を実現するという。

JTB-CWTの出張手配ポータル「B+PLUS」は、航空券・鉄道・宿泊・パッケージの各種予約システムと連動している。JTB-CWT Trip Linkでは、コンカーが提供する旅程管理アプリ「TripIt」と連携し、出張旅程データが確認可能となる。また、経費精算システム「Concur Expense」と連携し、出張精算の業務効率化を図れる。さらに、国内出張データをコンカーの「Business Intelligence」で確認でき、有事の際にも活用できるという。

こういった機能により、出張管理における課題である不正のほか、コスト最適化、業務効率化にも繋がるとしている。

コロナ禍による行動制限の影響で出張は大幅に減少したが、現在は回復の傾向にあるという。Concur Travel & Expenseの契約数についてもコロナによる停滞期があったものの、今後伸長するものと見ており、2025年に契約数を200社とする販売目標を掲げる。2022年現在は108社。また、JTB-CWT TripLinkの契約数の目標は、2026年までに累計84社としている。