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インスタとFacebook、10代のプライバシーを守る機能

Metaは、InstagramとFacebookにおける10代の利用者のオンライン体験を年齢にふさわしい安全なものにするための機能を、11月21日(米国時間)より拡充した。

Metaは'21年7月、悪意がある可能性のある利用者を見つけ、彼らと若年層のアカウントのやり取りを防ぐ新しい技術を開発したことを発表。悪意がある可能性のある大人が、つながっていない10代の子どもにメッセージを送ることができなくなったほか、該当する大人のアカウントに発見タブやリール、「おすすめのアカウント」上で若年層のアカウントを非表示にした。「悪意がある可能性のある」利用者とは、例えば若年層のアカウントから直近でブロックや報告をされた大人が運営しているアカウントのこと。

最近ではさらに機能を拡充し、悪意がある可能性のある大人が10代の子どものInstagramアカウントを閲覧した際、そのアカウントから一切のメッセージボタンを削除する機能のテストを開始した。

さらに、Metaのプラットフォームを使用中に不快な思いをしたとき、10代の子どもがそれを報告できるよう複数のツールを開発。さらに、これらのツールを利用するよう10代の子どもに促す新しい通知機能を導入し、ブロックしたアカウントを報告するよう促したり、大人からの不適切なメッセージへの対処方法を伝える、安全に関するお知らせの送信などを行なっている。

報告を促す通知
安全に関するお知らせの送信

'21年にはMessengerで安全に関するお知らせを見た利用者の数が1カ月で1億人を突破。また、Metaの報告ツールをさらに見つけやすくした結果、'22年第1四半期(1月-3月)には、MessengerとInstagramのDMで、未成年から送信された報告の件数が前年の第4四半期(10月-12月)から70%以上増加した。

Facebookでは、16歳未満(一部の国では18歳未満)のすべての利用者を対象に、Facebookに登録する際により多くの非公開設定がデフォルトで適用されるようになる。また、すでにアプリを利用している10代の子どもに対しては、以下の項目についてよりプライベートな設定にするよう促すという。

  • 自分の友達リストを閲覧できる人
  • フォロー中の人、ページ、リストを閲覧できる人
  • 自分のプロフィールで、自分がタグ付けされている投稿を閲覧できる人
  • 自分がタグ付けされている投稿が自分のプロフィールに表示される前に、その投稿を確認する
  • 公開投稿へのコメントを許可する人
より多くの非公開設定がデフォルトで適用
プライベートな設定にするよう促す

Instagramでは'21年7月より、16歳未満の新規アカウントをデフォルトで非公開に設定した。今回のアップデートはこの対策に続くもので、Metaの安全性の配慮と「子どもの最善の利益(英語のみ)」のフレームワークに沿ったもの。

加えて、Metaは全米行方不明・被搾取児童センターと協力し、10代の子どもが公にしたくない画像がオンラインで拡散されるのを阻止するための取り組みに関する新しいツールを発表。10代の子どもを搾取するために悪用される(性的脅迫)ケースへの対策で、このような画像をそもそもアプリでシェアさせないようにするという。この仕組みは、Metaが成人の公にしたくない画像について同意のないシェアを防止するために行なってきた取り組みと同様のもの。

また、MetaはThornとそのNoFiltrブランドと協力し、公にしたくない画像に関する恥ずかしさや偏見を減らし、このような画像をシェアしてしまった場合や性的脅迫を受けている場合に、助けを求めて問題を解決できるようにするための教材(英語のみ)を作成している。

再シェアする前によく考え、代わりにMetaに報告するよう促す新しいキャンペーン

Metaの調査の結果、子どもを搾取するコンテンツをアップロードしたとしてMetaが全米行方不明・被搾取児童センターに報告した利用者の75%以上は、危害を加えたいという明白な意図を持たず、怒りや卑しい冗談、嫌悪感から、そうしたコンテンツをオンラインでシェアしていたことが判明した。これを受けて、Metaは、そのような画像をオンラインで再シェアする前によく考え、代わりにMetaに報告するよう促す新しいキャンペーンを開始予定。

Thornと共同開発したFacebookセーフティセンターの性的脅迫の阻止ハブをはじめとする、Metaの教育と啓発に関するリソースや、また、ファミリーセンターの教育ハブで、公にしたくない画像について10代の子どもと対話する方法に関する保護者向けガイドを公開している。