ニュース

「グリーンローソン」オープン。運転免許+セルフレジで酒・アバター接客

ローソンは、20を超えるサステナブルな施策を集約した「グリーンローソン」を、東京都豊島区にて11月28日にオープンする。

グリーンローソンは、サステナブルな実験を展開するラボ店舗という位置づけで、効果のあった施策について、全国の店舗への導入を検討する。グリーンローソン自体は当面は1店舗のみで、グリーンローソン店舗を増やしていくという取り組みは予定されていない。

グリーンローソンとして展開するのはローソン北大塚一丁目店で、所在地は東京都豊島区北大塚1-13-4、売場面積214m2(約65坪)。

グリーンローソンでの取り組みは以下の23項目。

  • アバター接客(ローソン初)
  • おもてなしクルー(ローソン初)
  • セルフレジによる省人化
  • サービスカウンター(ローソン初)
  • 自薦・他薦ロボ(ローソン初)
  • できたてモバイルオーダー(ローソン初)
  • ゴーストレストラン
  • 冷凍食品の拡充
  • 弁当の冷凍販売/解凍機(ローソン初)
  • ピックアップボックス(ローソン初)
  • セルフレジでのたばこ・酒販売
  • カウンター一体型タバコ什器(ローソン初)
  • 処方箋ロッカー
  • 扉付き要冷機
  • レジ袋・カトラリー撤廃(ローソン初)
  • エコバッグ・マイカトラリー販売
  • 再生プラスチック使用の看板(ローソン初)
  • 再生プラスチックを使用した買い物かご
  • リサイクル紙袋の利用
  • 専用ユニフォーム(ローソン初)
  • エシカルコーナー(ローソン初)
  • フードドライブ
  • リサイクルウェア回収(ローソン初)

アバターが利用者をサポート。レジはセルフのみ

アバター接客は9月に発表していた、AVITAとの協業による取り組み。時間・距離・年齢・介護や育児で外出しづらい・身体的なハンディキャップがあるなど、様々な障害や制約にとらわれることなく、誰もが働ける環境を創出することを目的としている。

9月に公募を行ない、主婦、ローソン勤務経験者、Vtuber、身体的な理由から接客業を諦めていた人など、10代から60代の幅広い年代の約400名から応募があったという。グリーンローソンでは約30名がアバターオペレーターとして勤務する。

グリーンローソンのアバター接客

グリーンローソンに設置されるアバターは、セルフレジサポートアバター、ウェルカムアバター、商品おすすめアバターの3カ所に4つ。ウェルカムアバターは店舗外側と内側に設置し、外側では「いらっしゃいませ」などの声掛け、内側ではグリーンローソンの紹介や販促を実施する。いずれもAIなどによる自動音声ではなく、質問をするとアバターオペレーターが回答してくれる。

店舗外側のアバターは入店してすぐの場所に設置
店舗外側のアバターと背中合わせで設置された店舗内側のアバター
セルフレジサポートアバター
商品おすすめアバターはタブレットを使用しているため、容易に設置位置の変更ができる。オープン時点ではチルドデザート売場で実施

アバターを操作しているスタッフがいる場所は、東京や大阪のローソンのオフィスなど。いずれは在宅でも勤務できるようにすることを目標にしつつも、操作の慣れやセキュリティなどの課題があることから、当面は決められた場所に勤務する形で運用する。

一方でグリーンローソンには、有人のレジカウンターは設置されておらず、会計はセルフレジのみとなる。セルフレジの操作に不慣れな利用者もいることから、サポートをアバターにて行なう。

セルフレジコーナー

冷凍弁当・店内厨房で作る弁当のみにして廃棄ゼロへ

グリーンローソンでは、チルド弁当や常温弁当の販売は行なわず、冷凍弁当、店内厨房で作る弁当のみを販売。弁当廃棄の削減を目的とした取り組みで、廃棄ゼロに向けた検証を行なう。

冷凍弁当は、ローソンで販売している常温弁当・チルド弁当を冷凍販売できるように仕様を変更。オープン時は7品を発売する。店内の電子レンジで温めることを想定した仕様ではなく、家庭用電子レンジを使用する想定。購入後にすぐに食べるのではなく、家で冷凍保存することも想定する。

冷凍弁当陳列の様子
解凍後のおてがるのり弁

また、オープン時点では冷凍販売のみだが、'23年2月にはバックヤードに解凍機を設置し、解凍後の冷凍弁当をオープンケースに陳列する販売方法も予定している。

グリーンローソンでは弁当以外の冷凍食品についても拡充をしており、通常店舗では約100SKUのところ、同店は約170SKUを展開する。ミールキット、野菜、スイーツなど、家庭で必要とされる商品を取りそろえているという。

冷凍食品を拡充

店内厨房で作る弁当についてはモバイルオーダーを導入し、出来立て商品提供と食品ロス削減につなげる。

モバイルオーダーでは、からあげクン、弁当のほか、「ゴーストレストラン」メニューの注文も可能。ゴーストレストランはデリバリー専用に開発した商品を、店内の厨房で調理して届ける取り組みとして、実証実験を実施していた。

利用方法は、店内に設置されたQRコードから専用のWebサイトにアクセスし、オーダーページからメニューを選択、決済を行なったのちに、店内のカウンターで受け取る。カウンターには出来上がりなどを知らせるモニターが設置されている。

厨房の様子も見ることができる
QRコードを読み取る
専用サイトでメニューを選んで決済する
出来上がったら受け取る

オープン時点のゴーストレストランメニューは、スンドゥブとチョイ飯セット(999円)、肉盛りソース焼きそば【カレー】【ソース】(1,376円)など。デリバリーでも注文できる。

そのほか、店内にデリバリー配達員の商品受け取り用のピックアップボックスを設置。店員が渡す必要がなくなることによる、省人化を見込む。

レジ袋の販売すら行なわずプラ削減

CO2排出量やプラ削減に向けた取り組みも展開。レジ袋の販売を行なわず、またプラスチックカトラリーも廃止する。店舗ではマイバッグやマイカトラリーの販売を実施するほか、紙袋リユース活動を展開する。

カトラリーについては、オープン時点では必要な人のみに環境配慮カトラリーを提供。周知期間を設けた後、'23年1月の全面廃止を予定している。あわせてオリジナルカトラリーを販売する。

また、マイカトラリー(はし、スプーン、フォーク等)やアップサイクル商品、紙パック洗剤などを販売するエシカルコーナーを設置する。

紙袋リユースは、自宅で不要になった紙袋を店頭で回収し、買い物袋として再利用する取り組み。そのほか12月12日から、不要な衣類を店頭で回収するリサイクルウェア回収を実施する。回収した衣類は、必要とされる海外への出荷や、軍手等にリサイクルする。各家庭で余っている食品の寄付を受け付けるフードドライブとあわせ、店舗をハブとしたエコサイクルの実現を目指す。

CO2排出量およびプラ削減に向けてそのほか、冷蔵ショーケースへの扉設置による省エネや、ラインサイン看板・買物かごへの再生プラスチック利用といった取り組みを実施している。

そのほか様々な“ローソン初”

利用者が目の前に立った時と商品を手に取った事を認識し、コメントを発したり商品の台が動く「自薦・他薦ロボ」を設置。「とっても美味しいよ。手に取って欲しいなー」等のコミュニケーションによって買い物を促進する。

自薦・他薦ロボ

そのほか、おもてなしクルーによるコミュニケーションの創出を図る。おもてなしクルーはグリーンローソンのコンテンツ、セルフレジの利用方法、ローソン初設置のサービスカウンターでの対応などを行なう。専用ユニフォームを着用しており、ジェンダーレスなデザインで、環境に優しい素材を使用しているという。

なおサービスカウンターでは、収納代行の支払いやチケット購入など、セルフレジでは支払いができないサービスに対応する。

グリーンローソンではタバコやお酒の販売もセルフレジで行なうが、運転免許証を使用したデジタル年齢確認により販売。タバコ什器はローソン初となるカウンター一体型を採用しており、セルフレジカウンターの下のタバコ什器から、購入者が扉を開けて商品を手に取り購入する形となる。

セルフレジカウンターの下に設置されたタバコ什器