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インボイス制度に賛成の個人事業主は4%。freee調査

freeeは、個人事業主・法人経理担当者それぞれを対象とした、2023年10月に開始されるインボイス制度に関するアンケート調査を実施。制度内容を知っていて理解している個人事業主は14.4%、知っている人のうち賛成は4.4%にとどまるという結果となった。

個人事業主を対象とした調査

個人事業主については20-50代の個人事業主(自営業・自由業・フリーランス)926名を対象に実施。「インボイス制度を知っているか」という問いに対して、「制度内容を知っていて理解している」は14.4%にとどまり、「名前は知っているが制度内容はなんとなくしか知らない」が32.6%、「聞いたことすらない」が26.7%、「名前を聞いたことがある程度で制度内容は全く知らない」が26.3%だった。

インボイス制度の内容を知っていると回答した個人事業主のインボイス制度への意見は、「反対」が47.1%、「どちらともいえない」が39.1%、「そもそもよくわからない」が9.4%、「賛成」がもっとも少ない4.4%という結果となった。

「インボイス制度について取引先と協議したことがあるか」の問いでは、「協議をしたことがある」は5.1%、「協議をしたことはないが今後行う予定」は7.6%と少数で、協議について議論が進んでいないことを示す。

業種別でみると、「取引先とのインボイス制度について協議したことがある」「協議をしたことはないが、今後行なう予定」と回答した人の業種は「卸売業」「サービス業(デザイン)」「サービス業(コンサルティング)」「ソフトウェア・情報サービス業」「建設業」が上位を占め、BtoBビジネスを行なう人に多い。

個人事業主で免税事業者に該当する人への「インボイス制度が導入された際に考えられる選択肢」についての問いで、「課税事業者として活動する」と回答したのは「取引先と協議進展中」の場合は41.5%、「取引先と協議予定なし」の場合は17.2%と、取引先と協議が進むと課税事業者に転換するという傾向が見られる。

法人経理担当者を対象とした調査

法人経理担当者については、法人に勤めている経理部門の責任者および担当者558名を対象に実施。免税事業者との取引がある法人が43.4%、ない法人が27.6%という割合で、わからないが29%。

免税事業者との取引があると回答した法人経理担当者に対する「免税事業者の取引先に対して課税事業者への変更を依頼したことがありますか」と問いに対して、「すでに行なった」が22.7%、「まだ行なっていないが、今後行なう予定」が34.7%と、約58%が免税事業者から課税事業者への変更を求めようとしていることがわかる。

業種別でみると、課税事業者への変更依頼を行なう法人は、「製造業」が21.6%、「商社」が15.8%、「IT」が12.2%、「建設業」が7.2%と、下請会社との取引が多い業種が上位を占める。

インボイス制度の各対応項目の認知度についての問いに対しては、買手側の対応となる項目の認知度が全体的に低く、「免税事業者や消費者など適格請求書発行事業者以外でも仕入税額の一部を控除可能となる経過措置が設けられている」という項目の認知は24.2%にとどまる。このことから、経過措置に関する認知が広がっていないことがわかるとしている。

freeeでは、インボイス制度対応に向けた各種項目の開発を、2023年10月までに行なう方針を打ち出し、開発ロードマップを公開している。