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ホンダ、電動スポーツバイクなど25年までに10モデル

ホンダは、バイクの電動化を推進し、2025年までに合計10以上の新電動モデルを投入。2040年代に全製品でのカーボンニュートラルを実現する。

二輪事業の累計生産台数は4億台を超え、世界各国でさまざまな用途で普及し、クルマ以上に厳しい使用環境も踏まえた多面的なアプローチが必要という。

電動バイクは、その最高速によって、電動自転車(EB、最高速度25km/h以下)、電動モペット(EM、最高速度25~50km/h)、電動車(EV、最高速度50km/h以上)という3つのカテゴリーに分けられる。

現在、グローバルでの電動車の市場規模は、約5,000万台。現時点では、その大半を中国のEMとEBが占めており、その他の国でも徐々に市場は拡大している。

今後ホンダは、コミューターとFUNモデルを合わせて、2025年までに合計10以上の新電動モデルを投入する計画。EV普及のためには、航続距離や充電時間、価格が課題で、その解決手法の一つとしてバッテリー交換システムの共通利用化を推進する。

特に小口配送などのビジネスでは、走行範囲が限定され、集配センターなどにバッテリー交換の設備を設置できることから親和性が高い。日本ではすでに商用利用として「Honda e:ビジネスバイク」シリーズを投入し、日本郵便で運用されているほか、ベトナムの郵便配達でも展開され始めている。

大型スポーツバイクも電動化

個人向けには、市場ニーズに合うように付加価値を持たせたコミューターEV 2モデルを2024~2025年に、アジア・欧州・日本で投入する予定。将来に向けては、市場環境や電動バイクの用途、技術進化なども踏まえ、交換式バッテリー以外の選択肢も視野に入れていく。

EM/EBカテゴリーは、最大市場の中国に現地開発体制を構築しているのが強みとし、現地合弁企業のブランドで複数のモデルを展開している。中国以外でもグローバル需要が拡大するとし、コンパクトで求めやすい電動車をアジア・欧州・日本へ投入。今年から2024年までに、EMとEBで計5モデルを展開する予定。

「FUN領域」と呼ばれる中・大型スポーツ系バイクも電動化を進める。現在はFUN EVのプラットフォーム開発が進行中で、プラットフォームを用いた大型FUN EVを2024~25年に日本・米国・欧州で計3モデルを投入。キッズ向けモデルも開発する。

全固体電池も投入

現在クルマ向けに開発をしている次世代バッテリー「全固体電池」は二輪車へも導入。充電インフラも充実させ、モバイルパワーパック(MPP)の活用やバッテリーシェアリング事業によって拡充していく考え。2020年4月にはENEOSと国内二輪4メーカー(Honda、KAWASAKI、SUZUKI、YAMAHA)でバッテリーシェアリング事業を行なう「Gachaco」を設立しており、今年の秋には、二輪車向けバッテリーシェアリングサービス事業の開始を予定している。

さらに、バッテリーや交換システムの仕様を共通化すべく、日本と欧州でバッテリーコンソーシアムにも参加。日本では、交換式バッテリーとシステムの相互利用に合意したほか、インドでも現地企業とともに規格共通化を推進している。

電動車ならではのソフトウェアとの親和性の高さも活かし、新しい価値を創出。例えば、EVの航続可能距離を踏まえた最適ルートや、充電スポットの案内、安全運転コーチングやアフターサービスの支援など、移動時間の質を持続的に豊かにするUX(ユーザーエクスペリエンス)を2024年発売のモデルから順次適用していく。