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Meta、ARが学べる無料コンテンツ。角川ドワンゴ学園と連携も

MetaおよびFacebook Japanは、次世代XRクリエイター向け教育プログラム「Meta Immersive Learning Academy」を発表し、N高等学校、S高等学校を運営する角川ドワンゴ学園と連携していくことを明らかにした。

Metaはメタバース分野で日本市場を重視しており、独自の取り組みも展開している。他社や業界を巻き込んでのイベント「メタバースエキスポジャパン 2022」を7月に開催したほか、内容をグレードアップして、10月開催のCEATECでは一般来場者に向けた展示も行なう予定。

また日本市場は機器の販売だけでなく、メタバース関連の開発者が多く、コミュニティも活発であるとして、コンテンツ開発やクリエイターの育成・連携にも力を入れていく方針。今回の教育プログラムはその一環で、次世代のクリエイターが、メタバース関連の最先端テクノロジーに関するスキルを習得することを支援していくというもの。

外部の調査では、9年以内となる2031年までに、アジア太平洋地域ではメタバース関連の経済効果は1兆円に達すると予測されており、「質の高いスキル構築のために、リソースにアクセスできることが重要」(Meta アジア太平洋地域 公共政策統括のサイモン・ミルナー氏)と指摘、今回の教育プログラムによって新たな技術を習得したクリエイターやその成果は、新たなアプリにインスピレーションを与える存在になれるとした。

次世代XRクリエイター向け教育プログラム「Immersive Learning Academy」
アジア太平洋地域で、今後9年間で1兆円の経済効果と予測

誰でも無料でAR構築を学べる

同プログラムでは具体的に、「Spark AR オンラインカリキュラム」を提供。初心者向けで、誰でも無料で学べ、AR体験の構築(Spark ARの構築)方法について学習できる。日本のクリエイターと連携し事例なども紹介、日本語版として順次公開していく。これはMetaのWebサイトで一般向けに公開される。

一方、角川ドワンゴ学園との連携では、Spark ARやVRのワークショップ、イベントを開催し、次世代のクリエイター養成に取り組んでいく。当初の対象の生徒数は1,200名。将来的には対象を拡大するなどの取り組みも検討する。

Spark AR オンラインカリキュラム
角川ドワンゴ学園との連携で高校生にも提供していく

角川ドワンゴ学園が通信制高校の制度を活用して運営する高校が、N高等学校、S高等学校。N高等学校の2万人の定員が超えそうだったため、S高等学校が開校されている。両校あわせて生徒数は22,166名。必修授業をコンパクトにまとめ、午後は将来につながる、自分がやりたい課外授業に打ち込めるのが特徴。2021年からはメタバース上で学べる普通科も開始されている。S高等学校 校長の吉村総一郎氏は、Metaと連携するプログラムにより、新しい技術にトライすることや新しい問題に向き合うことについて、学んでほしいと期待を語っていた。

S高等学校 校長の吉村総一郎氏