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アキバで遊んでもらえる・つかえる地域コイン「アキコ」開始

東京・秋葉原地域で使えるコミュニティ通貨サービスが、「アキコ」として1月26日からサービスを開始する。スマートフォンアプリで利用できる。「まちのコイン」としてカヤックが開発・展開しているサービスがベースで、秋葉原では、自治体ではなくGENDA SEGA Entertainmentなど秋葉原で活動する企業が主体となって展開する。サービス開始時点で「セガ秋葉原」の4店舗のほか、神田明神、ホテル、メイドカフェ、とらのあな、ゲーマーズ、サンコーレアモノショップ、駿河屋、リアルアキバボーイズなど16事業体・30カ所で導入する。2022年中に導入スポット100カ所、ユーザー数3,000人が目標とする。

まちのコイン
まちのコイン「アキコ」のアイコン

「まちのコイン」は、円を代用する電子通貨ではなく、「お金では買えない体験」をコインで交換できるとうたう地域向けのサービス。地域の独自の魅力の提供や、ユーザーによる社会や地域への貢献など、お金(円)でやりとりされていない“独自の魅力”や“体験”などについて、コインという形でやり取りできるようにする。獲得したコインは円に換金できず、有効期限が発行から最大180日というのも特徴。

地域のお店を周遊するとコインが貯まるといった形や、廃棄間近の食品を購入するとコインがもらえるといった形で、コインでやりとりするサービスは店舗側が内容を自由に設定可能。また店舗側にもコインは貯まるため、これを利用した取り組みもあり、例えばホテルでは、朝食ブッフェを利用したユーザーにコインをあげる、といったものがある。事業体が導入する際の初期費用や維持費はかからない。

まちのコインはカヤックが自治体や地域の企業などに向けて提供しているサービスで、鎌倉や下北沢など、1都6県13地域で提供されている。

アキバならではの追加サービスが揃う

まちのコインの秋葉原版である「アキコ」では、ユーザーはアプリをダウンロードすると500コイン(500アキコ)を獲得。お店の周遊などでアキコを増やせるほか、神田明神で購入したお守をメイド喫茶に持っていき、500アキコを使うとメイドさんに特別な“おまじない”をかけてもらえるといったサービスもあり、相互送客にも活用される。ほかにも、模型工作スペースでは裏メニューとして珍しい塗料を提供するといった、コアなファンの多い秋葉原という地域性を活かした内容も特徴になっている。

1月24日開催の発表会では、ステージ上でメイドさんによる“おまじない”も披露

利用にはiOSまたはAndroidで「まちのコイン」のアプリをダウンロード。地域選択で「秋葉原」を選ぶと利用できるようになる。

以下はユーザー側から見た一例。

【もらう】
各スポット共通「来店で50アキコあげる」(1日1回限定)
神田明神「境内清掃に参加して頂いたら300アキコをあげる」
セガ秋葉原「エコバッグ持参で景品獲得したら200アキコあげる」

【つかう】
秋葉原工作室「500アキコで作ったプラモデルを展示」
セガ秋葉原「150アキコで賞味期限直前のお菓子プレゼント」

アキバのお店が“共闘”へ

秋葉原はコロナ禍の影響で街への人の流入が大きく減った地域のひとつで、飲食店、アミューズメント施設、ホテルなども大きなマイナスの影響を受けている。こうした状況に際して、「個々の店舗で集客を図るのではなく、街全体で、という意向は多かった」(GENDA代表取締役社長の申 真衣氏)という。

業態によっては危機感は非常に強く、例えばホテル業態では、秋葉原ワシントンホテルとホテルリソル秋葉原、スーパーホテルPremier秋葉原という、本来は競合関係にあるホテル同士で連絡を取り合い、アキコに参加することを決めている。

関係者からは「秋葉原に恩返しをしたい」「コアなファンの多い秋葉原ならではの魅力を気軽に体験してもらいたい」といった声も聞かれ、観光客の回帰を目指す取り組みとして期待が寄せられている。

発表会の開催に先立ち、秋葉原の神田明神で祈祷も