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JTの加熱式たばこが紙巻により近く。2つの新プルームを吸い比べ

日本たばこ産業(JT)は、加熱式たばこ用デバイスのラインナップに低温加熱型の「プルーム・テック・プラス(Ploom Tech+)」と高温加熱型の「プルーム・エス(Ploom S)」を追加することを発表、1月29日より発売する。価格は、プラスのスターターキットが4,980円、エスのスターターキットが7,980円。発表会では従来製品「プルーム・テック(Ploom Tech)」を加えた3ラインナップを吸い比べるブース展開も行なった。

加熱式たばこは、火をつけて吸う紙巻たばこに比べて、喫煙に伴う健康へのリスクを低減させる可能性のある「リスク低減製品(RRP)」にカテゴライズされ、加熱式たばこ(T-vapor)のほか、電子たばこ(E-vapor)がRRPに分類される。いずれも、燃焼にともなう煙は発生しない。

この2つのうち、日本でニコチン入りのラインナップが販売されているのは加熱式たばこで、さらに、低温加熱型と高温加熱型に分類される。低温加熱型はプルーム・テック、高温加熱型はアイコスとグローが日本市場で展開されている。つまり新製品では、プラスで低温加熱型のラインナップ拡充、エスで高温加熱型に参入する形になる。

JTはラインナップを拡充する目的について、「加熱式たばこは“温度”で選ぶ時代」であることを強調。同じ低温加熱型でも、プルーム・テックは30℃、プラスは40℃で、さらに高温加熱型のエスは200℃となっている。

プルーム・テック・プラスは、プルーム・テックよりも吸いごたえがあることが特徴。商品企画部部長の高橋正尚氏は「吸いごたえを実現するには、たばこ葉の量と、ベイパーつまり蒸気の量のどちらもアップすること」と説明。

たばこカプセルの形状はプルームテックと同じながら、カプセル内のたばこ葉を増量し、またプルームテックより高出力のバッテリーを採用し、専用のカートリッジを開発することで、発生させるベイパーの量をアップさせたという。

そのため、プルーム・テックよりもサイズが大きくなったものの、試した人からは、吸いごたえがあるのに匂いが少ない、パワーアップしてパンチがあるなどの感想を得ることができ、JTが目指したものとなったと話した。

商品企画部部長 高橋正尚氏

では、実際筆者が吸ってみた印象はどうだったか。プルーム・テックとプラスを吸い比べてみると、プルーム・テックはたばこのフレーバーを口の中でだけ味わっている印象であるのに対して、プラスは口の中だけではなく、喉でたばこを感じ、味わっているような印象を受けた。

プルーム・テック・プラス。右側に見える透明のマウスピースは試し吸い用

高温加熱型のプルーム・エスは、「紙巻たばこに近い味わいと、1本1本を数分程度の区切りで楽しむ所作で、紙巻たばこらしい、くつろぎの一服を楽しめる」(高橋正尚氏)ように開発された製品。「メビウスらしい味わいと、高温特有のにおいの低減を目指した」という。

デバイスのデザインにもこだわりがあり「機能だけではない、手に馴染む心地よさを目指しこの形にたどり着いた」と説明。左右非対称な形状と、質感を特徴としている。

プルーム・エスを吸った印象は、低温加熱型2製品に比べると、紙巻たばこと同じとは言わないまでも、最も近い感覚。パワフルな味わいを感じることができた。ただし、低温加熱型はもちろん、紙たばこにもない熱を口元で感じたことには違和感があり、慣れるまでは気になるようにも思えた。

なおクリーニングは底面にある穴に専用ブラシを差し込んで行なう。

プルーム・エス
底面にあるクリーニング用の穴

プルーム・テック・プラスは、JT独自の低温加熱方式を採用。紙巻たばこと比較して、健康懸念物質99%以上カットを実現しているという。またプルーム・エスは90%以上カットとなっている。ともに、においは紙巻たばこの1%未満としている。

プルーム・テック・プラスは、セットしてから吸えるまでの待ち時間はなし。フル充電時の使用可能リフィル数は約5カプセルで、フル充電までの待ち時間は約90分。連続使用可。専用リフィルのラインナップは、メビウス マイルド・ブレンド フォー プルーム・テック・プラスなど4種類。専用リフィル(たばこカプセル5本/カートリッジ1本入)の価格は各500円。

プルーム・テック・プラスの専用リフィル ラインナップ

プルーム・エスは、セットしてから吸えるまでの待ち時間は約40秒。フル充電時の使用可能リフィル数は約10本で、フル充電までの待ち時間は約90分。連続使用可。専用リフィルのラインナップは、メビウス レギュラーテイスト フォー プルーム・エスなど3種類。専用リフィル(たばこスティック20本入)の価格は各480円。

プルーム・エスの専用リフィル ラインナップ

たばこ事業本部長の岩井睦雄氏は、「たばこの楽しみ方は様々であり、たばこの選択肢を特定のカテゴリーや特定の製品のみに絞るべきではない」と説明。多様な好みなどにあわせて「最適な製品を“チョイス”できることが大人の嗜好品に求められており、多彩で魅力的な選択肢を提供し続ける」と話した。その考えに則り、紙巻たばこを含めたすべてのカテゴリーで製品価値の向上を続けるという。

たばこ事業本部長 岩井睦雄氏

カラーバリエーションは、プルーム・テック・プラスは黒と白の2色、プルーム・エスは黒と白のほか、“NUANCE OF LIFE”をコンセプトにしたカラーバリエーション6色が用意される。

プルーム・テック・プラス スターターキット
プルーム・エス スターターキット

販売計画は、1月25日正午よりブランドサイトにて予約受付を開始し、29日より全国のPloom専門店とオンラインショップで販売開始。以降、順次販売チャネルエリアを拡大し、2019年中の全国拡販を目指す。