いつモノコト

ガーミン「ボディバッテリー」で無慈悲な現実に向き合ってみた

ガーミンの発表会の取材で“睡眠の質”についてのプレゼンテーションを聞いて以来、睡眠計測やガーミン独自の指標「ボディバッテリー」が気になっていました。そこで、ガーミンのアクティビティトラッカー「vívosmart 5」を買って、自分の体力がどのように表示されるのか、半年ほど「ボディバッテリー」を計測してみました。「vívosmart 5」は18,000円、ガーミンのアプリは無料で利用できます。

「vívosmart 5」はガーミンの製品の中でも小型のアクティビティトラッカーです。GPS非対応でモノクロの液晶ディスプレイですが、光学式心拍センサーを搭載していて、睡眠計測に対応していますし、ボディバッテリーを試してみたいという私には好都合なシンプルさでした。私は外出時に(普通の)腕時計を好んで着けるので、腕時計っぽくない細いバンド状のデザインも、むしろ好都合でした。

ガーミン「vívosmart 5」
シンプルな形状
光学式心拍センサーを搭載。充電は専用端子のUSBケーブル
本体ユニットとバンドは簡単に分離できます

ガーミンが独自の指標として提供する「ボディバッテリー」は、睡眠計測による睡眠の質の判定や、心拍などそのほかの指標を総合して、体の“バッテリー残量”を5~100の数字で示すという機能です。ちょうどテレビゲームのHP(ヒットポイント、体力)のようなイメージで、通常は起床後が最も数値が高く、1日を過ごすうちに減っていきます。数値が低くなれば、積極的に休息したほうがよいといった、判断のきっかけにできます。前述のガーミンの発表会での説明では、起床後80ぐらいで始まり、仕事が終わった頃に20ぐらいが理想、とのことでした。

無慈悲な現実、納得のフィーリング

私は2023年の6月頃から使いはじめたのですが、半年間の状況を要約すると、かなりの“低空飛行”であることが分かりました。起床後でも30以下は当たり前、仕事が終わる頃には表示上の下限である5にへばりついているという、無慈悲な現実が可視化されてしまったのです。

8~9月の4週間のボディバッテリーの推移。ほとんどが25以下で始まり、1日の最低値は下限の5ばかり……

「HPが残り5とか大げさでは? そんな死にかけみたいな……」と思いたいところですが、実際にボディバッテリーが「5」と表示される世界では(表示上の下限なので、1や0の可能性も……)、仕事終わりに一息入れたと思ったら1時間ほど“寝落ち”していた……ということがけっこうな頻度で起こっていたので、私としては説得力のある数値と納得せざるを得ない感じです。

そもそもボディバッテリーが起床後で30以下からスタートする時点で、いろいろ問題アリな状況です。そういう体力が足りていない状況では、日中でも「集中力が足りない」と自覚することが多々ありましたし、一日をポジティブなメンタルで過ごす“活力”のようなものが不足していると感じました。

そんな調子では、休日も一切の家事を放棄してゴロゴロするだけの“異常にやる気のない生活”に変貌するのですが、なにかの拍子にボディバッテリーが60ぐらいまで回復した日は、首筋のあたりに芯が通ったような気分で、あれもこれもと家事を次々にこなしたり買い物に出かけたりしました。

そうした浮き沈みを感じながら半年間を過ごしてみて、その悲惨な低空飛行ぶりはともかく、さまざまなケースに照らし合わせると、なるほどボディバッテリーの数値はけっこう信頼できるかも、というのが素直な感想です。

解決策もだいたい判明。あとはやるだけ

私の2023年の後半を振り返ると、これは科学的な裏付けのない素人の想像ですが、テレワーク中心の生活が4年目を迎え、運動不足や加齢も加わって、基礎的な体力が日常生活に影響がでるほどまでに落ちたと感じていました。睡眠時間も絶対的に不足がちでしたし、夏季の猛暑続きによる睡眠の質の低下の常態化もあったと思います。

まれに睡眠スコアが良くボディバッテリーが大きく回復した日でも、さほど活動していなくても1日のうちにみるみる数値が減っていくのは、基礎的な体力がないので低い数値に収斂していくのでは、と想像しています。

ボディバッテリーのポイントは、質の高い睡眠でどれだけ数値を高めてから一日を始められるか、という点で、質の高い睡眠のために、適度な運動も欠かせないとされています。また運動だけでなく、食事のタイミングや、お風呂で湯船に浸かりしっかりとリラックスすることなど、いずれも睡眠の質に影響するとされています。そうした改善策をうまく生活サイクルに取り込むまでには至らなかったのが、私の2023年の問題点でした。そもそも基礎的な体力が低下しているところに、体力をしっかり回復させる生活サイクルを確立できなかったわけです。

小難しいことをいろいろ考えましたが、体力低下の一番の要因は慢性的な睡眠時間の不足だと予想しています。若い頃は睡眠不足でも無理がきいたからといって、意識を年齢に合わせて更新せず睡眠時間の不足を軽視していると負のサイクルにはまってしまうということが、半年間のボディバッテリーの計測で実感できました。それらはうっすらと気づき始めていたことですが、「パフォーマンスが落ちている」「睡眠時間が不足してる」と数値や分析結果で示されて、改めて気をつけなければいけないと思えました。

ボディバッテリーに大きく影響する睡眠計測のスコア推移。ほとんど50以下で、「回復効果のない質の低い睡眠」と判定されています
使い始めた6月からの睡眠スコアの推移。概ね横ばいで、成績はよくありません

ボディバッテリーという指標がなければ、「最近なんだかやる気が出ない」「疲れやすい」とかの、あいまいな感覚だけになっていたことでしょう。

例えば、ウォーキングなど少し負荷のある運動をして、睡眠時間にも気を配って、うまく睡眠の質を高めることができれば、ボディバッテリーが多めに回復し、次の日が活力のある1日になる、ということは実体験として確認できています。こうした解決策と思われるものや“道筋”が得られているのは、アクティビティトラッカーの計測と科学的な分析ならではの部分だと思います。

体力のある人だけでなく、私のように「最近ちょっと1日の体力が落ちてないか」と感じていた人にも、ボディバッテリーの指標は解決策を探る手がかりになるかもしれません。今ではガーミン以外でもボディバッテリーと同様の指標を提供しているメーカーやサービスはあるので、試してみてはいかがでしょうか。

太田 亮三