レビュー

小学生も指紋で帰宅 SwitchBotスマートロックを導入して1年

SwitchBotのスマートロック、小学生の指でもばっちり解錠できる

子どもが小学生になり、学校への登下校や習い事など、カギを持って1人で外出したり帰宅したりする機会が増えてきました。そもそもカギを紛失しないだけでもハードルが高そうなのに、出かける時には持って行き、帰宅したら決まった場所に戻して管理するのは、大人でも忘れることはあるし、なかなか難しそうだな……。

ということで、カギの運用・管理にかかるストレスを減らし、カギが無くても子どもが帰宅できることを目的に、子どもが小学生になるのに合わせて、スマートロックを導入しました。

今回ご紹介するのは、「SwitchBot スマートロック」(販売価格:11,980円)と、スマートロックを指紋認証で解錠できる「SwitchBot 指紋認証パッド」(同9,980円)です。スマートロックは2022年1月に、指紋認証パッドは2022年7月に発売されています。

SwitchBotのスマートロック(左)、指紋認証パッド(右)

前提として、筆者宅は玄関のオートロックなどは設置されていないため、カギを忘れても玄関前までは戻ることができます。

筆者宅では、SwitchBot スマートロックが発売される前に、上の子どもが小学生になったこともあり、最初はQrio社のスマートロックを設置・導入していました。

Qrio社のスマートロックは、専用の「Qrio Key」を使って、スマートロックを施錠/解錠できますが、この「Qrio Key」を使った施錠/解錠が期待した通りに動作しないことが多くありました。また、カギを閉め忘れても毎日決まった時間になったらカギを閉めるようにスマートホームと連携しているにも関わらず、朝起きたら玄関の鍵が開けっぱなしになっていたことなどから、スマートロックを入れ替えることにしました。

余談ですが、筆者は幼少期に家のカギを忘れて外出し、帰宅するとカギが閉まっていて親や兄弟が帰宅するまで玄関前で数時間過ごす経験を何度かしており、これが「子どもがカギを持ってなくても家に入れるようにしたい」というモチベーションにつながっています。

従来は「Qrio」のスマートロックを使っていた

指紋認証で問題なく解錠

SwitchBot スマートロックを選んだ理由は、別売りの指紋認証パッドと組み合わせれば、「子どもがカギの類いを一切忘れて帰ってきても、指紋認証で解錠して帰宅できる」仕組みが整うからです。また、狙い通りに指紋認証で解錠できれば、下の子が大きくなって1人で出かける子どもが増えても、導入コストや管理運用面での手間が増えないことも大きな理由です。

一方で、メーカーであるSwitchBotのWebサイトには、子どもの指紋認証に関する注意書きとして、子どもの場合は皮膚がやわらかく、成長後に指紋の大きさが変わるため、指紋で正常に認証できる保証がない。と子どもの指紋利用に関して明確に注意書きがされています。

皮膚が柔らかいのはある意味でどうしようもありませんが、成長に合わせて指紋のサイズが変わるなら、その都度指紋を登録しなおせばいいか、予備として専用の物理カードキー(NFCキー)もあるので、指紋がダメならカードキーを使ってみよう。と考えて試してみることにしました。

実際に、SwitchBot スマートロックを導入してからの1年間で、子どもが指紋認証で解錠することが数え切れないぐらいありましたが、連続して5回以上子どもの指紋で解錠できなかったことは1回か2回ぐらいしかありません。

子供の指紋でも解錠可能。連続して5回以上認識できなかったことは1~2回

SwitchBot スマートロックは、子どもの指紋でも全く問題なく解錠できるので、「本当にちゃんと指紋を識別してるのかな?」と疑問に思うこともありますが、登録していない指でロックを解除しようとすると、ちゃんとエラーになりますので、認証は行なわれているようです。

SwitchBot スマートロックは指紋認証でのロック解除に連続して5回(このしきい値は変更させて欲しいのですが……)失敗すると、指紋認証が一時的に利用できなくなり、別の方法で解錠する必要があります。

この時のために子どもに持たせているのが、専用のカードキー「SwitchBot カード」ですが、幸いにも指紋認証でロック解除に連続して失敗することがほとんど無いため、利用機会は極めて稀です。NFCキーは3枚入り1,980円で購入できます。

念のため、SwitchBotのNFCカードキーを持たせている。物理キーはカードタイプ

カードキーは普段、子どもの名前と親の電話番号を記載した上で、ランドセルに結びつけているのですが、運用開始から1年間で1回だけ、学校の教室に置き忘れたようで、担任の先生から忘れ物として連絡を受けることがありました。

子ども本人は落としたことに気付いていませんでしたが、この時は学校から連絡をもらったためすぐに回収することができました。カードキーの有効化/無効化はスマートフォンのアプリ上で管理できますので、管理にそれほど気を遣う必要がありません。紛失時は忘れずに無効化さえすれば、カードキーの代金(1枚1,000円以下)の負担だけで済みます。

NFCキーをアプリから無効化すれば、紛失しても大きなダメージはない

Googleのドアベルも併設

もう一つ、予備の手段として備えているのが、Googleのドアベル「Google Nest Doorbell」です。ドアベルのボタンが押されると、スマートフォンやスマートディスプレイにプッシュ通知され、外出先からでも子どもが帰宅したことが確認できます。また、別途SwitchBot ハブなどのデバイスがあれば、そのままリモートでSwitchBot スマートロックを解錠できます。

Googleの「Google Nest Doorbell」もあわせて設置している

ドアベルの「Google Nest Doorbell」は、有料サービスの「Nest Aware」が提供されており、カメラの動画保存期間が最大60日間に延長されたり、認識済みの人物が識別されるなど、より便利に使えるのですが、「子どもが帰宅したことをリモートで確認する」とか、「在宅で仕事中に、宅配便が来たことを確認する」という使い方であれば、有料プランに加入しなくても十分便利に使えるな、というのが筆者の感想です。

話をSwitchBot スマートロックに戻しますと、子どもがスマートフォンなどを持たなくても指紋でカギを開けることができるほか、カギとして持たせているNFCキーの買い増しに伴うコストが割安な点など、かなり満足しています。

強いて言えば、電池にカメラ用のリチウム電池「CR123A」を使用しており、単三電池などと比べると販売価格がやや高いことと、SwitchBot スマートロックのアジャスター部分を一番長く調節してもドアとスマートロックの位置がうまい具合に調整できず、サイズ調整用のパーツが必要になったことが、少々困った点ですが、全体的な満足度はかなり高いスマートロックです。

なおSwitchBotのスマートロックは、より幅広い形状の鍵に対応し、単三電池を採用した新モデル「ロック Pro」(販売価格:15,980円)が2023年末に発売されました。導入する際は、自宅の鍵形状や使用環境にあわせて選ぶのが良さそうです。

自宅で使っているのは初代モデルのためアジャスターの長さが足りなかったが、手元(足元)に散らかっていた子どものオモチャを間にはさんで解決した
島田 純