ニュース
シェアサイクル「借りられない・返せない」を防ぐ新手法 千葉市で実証
2026年8月20日 13:29
東京大学、三井不動産、OpenStreetは、シェアサイクルの各ステーションについて2時間ごとの「目標台数」と優先順位を算出し、現場スタッフの車両再配置を支援する手法を開発した。千葉市で2週間の実証運用を行ない、効果を確認した。
ステーション型シェアサイクルでは、各ステーションの収容台数に上限があるため、空車で借りられない、満車で返せないといった機会損失が発生する。同手法では、過去の貸出・返却データや空車・満車の発生記録をもとに、目標台数と優先順位を算出する。
研究では、千葉市内約510カ所のステーションについて需要パターンを5類型に分類し、2時間ごとの需給の増減を予測。また、2つ先の時間帯までを考慮して目標台数を算出し、効果の大きい順に並べた一覧表として現場に提示する。
実証は、OpenStreetが運営するシェアサイクル「HELLO CYCLING」の千葉市内ネットワークで実施。各時間帯で需要の多い上位20ステーションを対象に、12月15日から28日までの2週間運用し、移動後6時間以内に空車・満車による貸出・返却の失敗をどれだけ防げたかを表す「再配置1台あたりの機会損失回避」を評価した。
結果、同手法による再配置1台あたりの機会損失回避は、返却側で0.583台/回、貸出側で0.563台/回となった。従来運用ではそれぞれ0.305台/回、0.071台/回、ランダム再配置は0.027台/回、0.104台/回で、同手法がいずれも上回った。
また、一覧表の指示に沿った再配置に限ると、返却側で0.719台/回、貸出側で0.732台/回とさらに高かった。全体の指示遵守率は76%だった。
同手法は、巡回ルートまで中央で指示する従来手法とは異なり、目標台数と優先順位だけを現場に示し、巡回順序や経路は現場スタッフの裁量に委ねる「ハイブリッド型」の設計を特徴とする。
また、大規模な最適化計算を必要としないため日常業務に組み込みやすく、EVバッテリー交換ステーションや電動キックボードなど、ステーション型のシェアモビリティ全般に応用できるとしている。
3者は今後、対象ステーションの拡大や季節変動への対応、新規ステーション開設への追随、車両運搬経路の最適化などに取り組む。


