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吉野家、牛丼に使えない玉ねぎを高付加価値食品にアップサイクル

吉野家の牛丼

吉野家ホールディングスは、牛丼に使用できない規格外の玉ねぎを、自社工場で高付加価値食品である玉ねぎパウダーにアップサイクルする取り組みを開始した。

吉野家では、工場に仕入れた玉ねぎのうち、なめらかな食感とはならない柔らかすぎるものを避けるなどの工程を経て、牛丼に使用している。この過程で、1日当たりの玉ねぎ処理量の5%が芯を中心とした規格外として排出される。玉ねぎは含有成分の一部が飼料には不向きであることから、フードリサイクルなどにも活用できていなかった。

東京工場で玉ねぎを加工する様子

一方で味・風味・栄養的価値においては、規格外の部分も可食部として規格部位と同等であることから有効活用法を検討し、ASTRA FOOD PLANとの協働を開始。2023年2月より吉野家ホールディングス東京工場で発生した玉ねぎの端材をASTRA FOOD PLANへ輸送し、食品の乾燥・殺菌装置「過熱蒸煎乾燥機」で玉ねぎが含有する水分を瞬時に乾燥させ、風味を残し、殺菌と栄養素維持の両方を実現した高付加価値食品である玉ねぎパウダーへアップサイクルするようになった。

過熱蒸煎機(左)と玉ねぎパウダー(右)

その後、玉ねぎパウダーは「タマネギぐるりこ」として、ASTRA FOOD PLANからベーカリーやレストランの食材として販売されるようになった。

吉野家ホールディングスはさらなる環境負荷低減を目指し、2月に過熱蒸煎機を東京工場に導入。東京工場で玉ねぎの加工から、規格外の玉ねぎの粉末化まで一括で行なえるようになり、同工場に入荷した玉ねぎは皮以外余すことなく使用されるようになった。これにより端材の輸送にかかるコストも削減している。