ニュース

JR東日本「駅ナカ病院」拡大 阿佐ヶ谷・東京・上野・仙台

JR東日本は、対面診療・オンライン診療に対応する「スマート健康ステーション」を、新たに阿佐ケ谷駅・東京駅・上野駅・仙台駅の4カ所に開設する。

スマート健康ステーションは、駅の改札内外で展開しているクリニック。対面診療・オンライン診療に対応し、JR東京総合病院と開設クリニックとの病診連携を強化し、患者にとって身近な駅という場所において病院と同水準の診療を受けられるようにする。

診療科目は駅によって異なるが、対面診療では内科、外科、皮膚科、小児科などを予定している。オンライン診療科目は、耳鼻科、婦人科、皮膚科、小児科、内科、美容医療などを予定。

阿佐ヶ谷駅

阿佐ヶ谷駅のクリニック名称は「あおい内科-エキナカ・ビーンズ阿佐ヶ谷駅-」。12月1日に開設予定で、改札外の改札口横に設置。面積は約10坪。オンライン診療ブースも設置する。

健康診断を、土日含め20分程度で受けられる点が特徴。診療にJR東京総合病院の医師が加わることで、専門性の高い診療が駅でも受けられるようになり、患者の利便性向上につなげる。

東京駅

東京駅のクリニック名称は「Tokyo Station International Clinic」。12月1日に開設予定で、改札外のグランスタ八重洲内に設置。面積は約20坪。

東京駅直結という立地特性を踏まえ、インバウンド需要に対応し、受付時の多言語対応や会計金額の事前提示を行なう。海外の保険会社も含め旅行保険と幅広く連携することで、面倒な払い戻し手続きなく保険適応の診療が受けられるなど、旅行客も利用しやすい体制を強化する。

オンライン診療も活用し、自宅においても同クリニックの医師の診療を受けられる。事前予約制で、待ち時間なく患者の都合に合わせて受診可能。

上野駅

上野駅のクリニック名称は「東京ビジネスクリニック エキュート上野」。2024年1月6日に開設予定で、改札内のエキュート上野内に設置。オンライン診療にも対応。

診療所・調剤薬局・ドラッグストアを併設することで、体質調査に基づいたサプリメントの提供や、待合スペースでの健康・医療相談など、医療に留まらない未病・予防領域でのヘルスケアサービス提供に取り組む。

併設する調剤薬局では、駅ロッカー(多機能ロッカー「マルチエキューブ」)での薬受け取りサービスの実証に取り組み、待ち時間なく、患者の都合に合わせて薬が受け取れる。

仙台駅

仙台駅のクリニック名称は「仙台ステーションクリニック(仮称)」。2024年夏頃に開設予定で、2階在来線改札内に設置。面積は約10坪。オンライン診療にも対応。

診診連携や病診連携を行なうことで、患者は通勤や通学途中の駅でいつもの診療が受けられるようになるとする。

高輪ゲートウェイで展開

今後の展開は、ブース単独型のオンライン診療を含め、都市と地方それぞれで診療拠点の拡大に取り組む。オンラインを活用した医療ネットワークを構築し、さまざまな患者の医療アクセス向上に取り組んでいく。

「TAKANAWA GATEWAY CITY」においても、「スマート健康ステーション」のサービスを展開予定。まず「東京大学 GATEWAY Campus」と連携し、東京大学の先端的な知から創造する睡眠・食・運動機能向上などのサービスを提供するとともに、その提供にあたってはSuicaと連携することによってウェルビーイングで最適な暮らしを提供する。

さらに、「スマート健康ステーション」のネットワークを通じて、「TAKANAWA GATEWAY CITY」をハブに、日本各地に展開していく。

TAKANAWA GATEWAY CITY

また、多機能ロッカー「マルチエキューブ」の駅設置拡大に合わせて、駅ロッカーでの薬受け取りサービスといった診療後のサービスや、20分健康診断をはじめとした未病・予防領域での取り組みサービスも拡充する。

医師の働き方改革にも貢献し、オンライン診療のネットワークの拡大により、医師の在宅勤務や隙間時間の活用による育児・介護との両立なども推進する。各地域の病院との病診連携に取り組み、病院と診療所の役割分担の推進、さらに医師の労働時間削減にもつなげていく。