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葛西臨海水族園、リニューアル事業始動 28年3月に新水族園オープン

正門から見た新しい水族園のイメージ

東京都は、葛西臨海水族園リニューアルに向けた整備事業が本格始動したと発表した。'28年3月の新水族園オープンを予定している。

葛西臨海水族園は開園から30年以上経過しており、施設・設備の老朽化や国内外の社会状況の変化に対応する必要が生じていることから、現在の水族園の隣接地に新たな水族園を整備する。

葛西臨海水族園および計画敷地

新水族園のコンセプトは、「海と接する機会を創出し、海と人とのつながりを通して海への理解を深める」。展示・空間演出を刷新するほか、環境保全への貢献などの役割を果たすため、ハード・ソフト両面から全く新しい施設へと生まれ変わるとしている。

誰もが快適かつ安全に利用できる施設とするため、高いレベルのバリアフリー計画とユニバーサルデザインを採用。また、水族園利用者以外も利用できる開放的な樹木の広場「共生の杜」を新たに整備し、緑の中を散策できる癒しの空間を創出するなど、葛西臨海公園等の周辺環境との調和を図る。

展示についてもリニューアルし、音響・映像・ICTなど最先端技術を活用した海を体感できる空間づくりや、新たな学びや体験を生み出すしかけなどを備える。

現在、淡水に生息する生き物は淡水生物館を含む「水辺の自然」エリアで展示をしているが、新水族園では本館内で東京の川の水辺環境と淡水生物を併せて展示。淡水の生態系を一体的に見られる展示とする。

新水族園の淡水生物の展示イメージ

具体的には、東京の川の源流から河口に至るまでの場面を体系的に展示するほか、池沼や田んぼなど里山の水辺環境も展示し、体験的に学び、環境を考える場とする。

新水族園の規模は、地下1階・地上2階(本館)、建築面積約12,800m2、延床面積約24,100m2、水槽水量約4,800トン。

整備事業に伴い、淡水生物館を含む「水辺の自然」エリアの展示、芝生広場、おべんとう広場の利用は、5月19日をもって終了する。同エリアに展示している生き物は、現在の水族園のバックヤードへの引越しを行なう。水族園本館は開園を継続し、また水族園への入園ルートに変更はない。

現在の水族園の建物は、新水族園のオープン後も保存していく。今後、建物をどのように保存し利用していくかは、有識者などとの意見交換や調査検討等を進める。また、ガラスドームへの愛着やリスペクトを表現するイベントなども実施する。

こうした一連の取り組みを「ガラスドームプロジェクト」と名付け、シンポジウムやアートイベント、3Dデジタルアーカイブスの制作等を行なう。