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モビリティの未来を観る「Tokyo Future Tour」【モビリティショー】

日本自動車工業会は、10月26日(木)から11月5日(日)まで(一般公開は10月28日(土)から)、東京ビッグサイトを中心に「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー)」を開催する。

従来の「東京モーターショー」から新生。自動車業界の枠を超えて、他産業やスタートアップ、来場客含め、日本の未来を新しい仲間と一緒に創っていくショーとしている。テーマは「未来に乗りたいモビリティを体験する」。

参加社数は、前回開催の「TOKYO MOTOR SHOW 2019」における192社の出展・参加を大きく上回る過去最高の475社。自動車業界だけでなく、他産業やスタートアップも多く参加し、生まれ変わったイベントとして開催される。

シンボルコンテンツ「Tokyo Future Tour」

シンボルコンテンツは「Tokyo Future Tour」

主催者プログラムである「シンボルコンテンツ」は「Tokyo Future Tour(東京フューチャーツアー)」。自動車業界だけではないオールインダストリーで、「モビリティが実現する、明るく楽しくワクワクする未来」を届ける。

「Tokyo Future Tour」は大きく5つのコンテンツで構成されている。

  • 未来の東京を没入映像体験できる「Immersive Theater(イマーシブシアター)」
  • LIFE/EMERGENCY/PLAY/FOOD 4つの切り口で、モビリティが変える未来を表現する「体験型コンテンツ」
  • モビリティ産業の未来を担うスタートアップを育成する場 「Startup Future Factory(スタートアップフューチャーファクトリー)」
  • 日本の未来をつくるトークショー「Japan Future Session(ジャパンフューチャーセッション)」
  • 次世代モビリティを試乗体験「Personal Mobility Ride(パーソナルモビリティライド)」

順番に紹介する。

未来の東京を没入映像体験できる「Immersive Theater」

Immersive Theater

「Immersive Theater(イマーシブシアター)」は大型のモニターとコンテンツで、「未来の東京」の街への没入体験を提供する。

映像では「未来の東京」で活躍する様々なモビリティが登場。自動運転が当たり前になった時代の全く新しい使われ方や、水素エネルギーの活用、新たなスポーツなど、次世代モビリティが未来の生活をどのように豊かにしているのかを楽しく表現する。また、いざというときの危機にも対応できることが紹介される。そのまま「Tokyo Future Tour」の各コンテンツへと繋がる構成となっている。

未来の東京の街とモビリティ
想定外の災害が到来しても……
次世代モビリティが危機に即応
街の危機を助ける様々なモビリティ

4つの切り口でモビリティが変える未来を表現

「ライフ」コンテンツ

シアターに続き、LIFE、EMERGENCY、PLAY、FOODの4つの切り口で、モビリティが変える未来をショー仕立てで感じられるコンテンツが展示されている。

「LIFE & MOBILITY」ゾーン

「LIFE & MOBILITY」では、モビリティが変える未来の移動シーンと街並みをミュージカル仕立てで構成する。様々な人が多様なモビリティを使うことで心豊かな暮らしができることが演出されている。「暮らし」と言っても幅広いので、展示物も多種多様、実に様々なモビリティが並べられている。

KGモーターズ「ミニマムモビリティ」
FOMM「FOMM ONE」
各社のパーソナルモビリティも登場
ZMP「パトロ」
イコマ「タタメルバイク」とmercari R4D「poimo(ポイモ)」
トヨタ「&brella(アンブレラ)」
JR東日本 水素ハイブリッド電車「HYBARI(ひばり)」
ショーでは各社モビリティでパレード。演出は複数種類がある

異彩を放っていたのは三精テクノロジーズの4脚歩行ロボットライド「SR-02」。全長約3.4m。人が4人乗り込んだ状態で歩行できる、アトラクションのようなロボットだ。ロボット制御システムにはアスラテックの「V-Sido(ブシドー)」が使われている。前進、後進、旋回動作のほか、胴体を揺らす動きができる。

運良く乗車体験させてもらったところ、足が着地する度に下から突き上げるような振動があり、面白い乗り心地だった。また体を揺らす動きは遊園地のライドそのもので、今後の可能性が感じられた。なお残念ながら会期中の一般の方の試乗はできないとのこと。

三精テクノロジーズの4脚歩行ロボットライド「SR-02」
人を乗せるときの姿勢

展示・紹介されていたのは地上を動くモビリティだけではない。今後活用が期待される水素に関する展示、空を飛ぶモビリティや、月面を走行するモビリティ等も合わせて紹介されていた。

Skydrive有人試験機「SD-03」。乗り込むことができる
Joby Aviation「joby」
デンソーによる水素活用の展示。ブランコを漕ぐと発電し、水を電気分解して水素を作る
iSpaceと三井住友会場火災保険によるHAKUTO-R 月着陸船(ランダー)と月探査車(ローバー)
JAXA 自動走行試験用ローバ
トヨタ自動車 ルナクルーザーの模型

「EMERGENCY & MOBILITY」ゾーン

「EMERGENCY & MOBILITY」ゾーン

「体験型コンテンツ」は基本的に一方通行で、逆に戻ることはできないので注意が必要だ。「LIFE」に続く「EMERGENCY & MOBILITY」では、災害大国日本の未来で、人と協調して活躍するモビリティを表現。映画「ゴジラ-1.0」ともコラボし、単なる展示ではなく、ショー形式の演出が行なわれている。

トヨタ自動車「モバイルトイレ」
川崎重工「K-R ACER」
スギノマシン「クローラ式小型作業ロボット」
川崎重工のヒューマノイド「Kaleido」
災害にあった人をアシストスーツを着た人が助けるといった想定のショーが行なわれる
床面にはゴジラの足跡

「PLAY & MOBILITY」ゾーン

「PLAY & MOBILITY」ゾーン

次の「PLAY & MOBILITY」は、モビリティが拡張するスポーツや遊びの楽しさを、モビリティを活用しながら体験するコンテンツ。子供も体験可能で、幅広い層が楽しめるエリアとなっている。

パナソニック 屋外自動搬送ロボット「ハコボ」
大日本印刷による「五感に訴える空間体験型システム」
「EMERGENCY & MOBILITY」でも活躍していたスケルトニクス
FUNVE × PAC-MAN。カートとARを使ってパックマンができる

「FOOD & MOBILITY」ゾーン

「FOOD & MOBILITY」ゾーン

「FOOD & MOBILITY」では、農作物の生産から配送、そして調理から配膳まで、食のあらゆるシーンで活躍するモビリティを体感。移動のみならず拡張するモビリティの役割に期待感を膨らませることができる。

食のシーンで活躍するロボットやモビリティが動態で活躍
トヨタ自動車による複数モビリティの連携「モビリティネットワーク」。
UCC、NEDOによる未来をイメージしたカフェ。トヨタ自動車「Bridge-Palette」を活用
トヨタ「Micro-Palette」とも連携
山形大学工学SWEL「スクリュー式3Dフードプリンター」
フードプリンターで作られた「未来寿司」。原材料は大豆
TechMagic炒め調理ロボット「I-Robo」
ソフトバンクロボティクス配膳ロボット「Servi」

モビリティ産業スタートアップを育成「Startup Future Factory」

会期中に5回のビジネスミートアップが行なわれる「Startup Future Factory」

「Startup Future Factory(スタートアップフューチャーファクトリー)」はスタートアップと大企業が出会い、モビリティ産業の未来を担うスタートアップを育成する場。11月4日(土)には「Pitch Contest & Award」を開催する。またビジネスマッチングイベントを会期中に5回開催する。災害/少子高齢化/地域創生/環境/ウェルビーイングなど、各テーマに沿って、モビリティ関連企業と、最新技術とアイデアをもつスタートアップ企業とを引き合わせる。新規ビジネスの創出、モビリティ産業の拡張を加速させる。

ウェルビーイング関連のスタートアップブース
環境カーボンオフセット関連のブース
岩谷技研の宇宙遊覧用の気球と気密キャビン。キャビンは1/1
ネオモビの近距離モビリティ「RODEM」
エバーブルーテクノロジーズのヨット型ドローン「AST-232」
エバーブルーテクノロジーズの無人自動除雪ドローンのプロトタイプ。今年から実証予定
LOMBYの配送ロボット「LOMBY」
ハタケホットケの水田除草ロボット「ミズニゴール」
ZMP「ラクロ」と「キャリロ」
モビリティーと分散型Iotアップサイクルの融合によるごみ処理を目指すJOYCLE

日本の未来をつくるトークショー「Japan Future Session」

「Japan Future Session」会場

「Japan Future Session(ジャパンフューチャーセッション)」は日本の未来について討論するトークショー。「モビリティと未来」という共通テーマを軸に、サステナビリティやAIといったテーマのセッションに加えて、アウトドア、モータースポーツ、おもちゃといった柔らかいテーマまで、期間中、日替わりで実施する。

次世代モビリティを試乗体験「Personal Mobility Ride」

各社のライドを試乗できる「Personal Mobility Ride」

「Personal Mobility Ride(パーソナルモビリティライド)」では、実用フェーズにある少し先の次世代モビリティを試乗体験し、モビリティに乗る楽しさを感じることができる。クルマ・バイクファンに向けた多彩なプログラムも実施する。

総合受付で試乗を希望し、各社ブースで体験する
様々な乗り物を試せる。これはホンダ「UNI-ONE」
ホンダ「UNI-ONE」を使ったARゲームも楽しめる
タブレット使ってエネルギーを集め、ロケットを飛ばすゲーム