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Meta、対話型アシスタント「Meta AI」全面展開 情報共有・画像生成など

Metaは、27日(米国時間)に開催した「Meta Connect」において、対話型アシスタント「Meta AI」を発表した。Generative AI(生成系AI)を使ったチャットAIで、Instagram、Messenger、WhatsAppなどに搭載し、Meta AIと会話しながら画像生成や動画編集が可能になる。

Meta AIは、ベータ版として提供予定で、同社の大規模言語モデル(LLM)「Llama 2」と最新のLLM研究を活用したカスタムモデルを搭載。テキストベースのチャットでは、Bingとの検索パートナーシップにより、リアルタイムの情報にアクセスし、画像生成ツールを提供する。

例えば、友人とグループチャットで、カリフォルニア州サンタクルーズのどのトレイル(山道)に行くかを話し合っている場合、Meta AIはチャットに直接選択肢を表示し、どこに行くかグループで決められる。また、「ハイキングする人とアメリカスギの木でボタンバッジを作る」というような説明的なテキストプロンプトに続いて「@MetaAI /imagine」と入力すると、友人とのチャットに、プロンプトを反映したバッジを表示する。

Meta AI

Meta AIは、各アプリのほか、Ray-Ban MetaスマートグラスとMeta Quest 3にも搭載。対話型アシスタントとして、Metaの各サービスやデバイスで利用可能になる予定。

また、チャットやストーリーズで利用できる「スタンプ」のAI作成にも対応する。AIスタンプは、同社の大規模言語モデル「Llama 2」と、画像生成のためのMetaの基盤モデル「Emu」を使用し、テキストプロンプトから数秒でユニークなスタンプを生成する。10月から一部の英語圏の利用者に展開し、WhatsApp、Messenger、Instagram、Facebookストーリーズで利用可能となる。

AIで画像編集にも対応。Instagramに、restyleとbackdropという2つのツールを追加し、Emuの技術を使用する。

restyleは、ビジュアルのイメージやスタイルなどの説明を加えることで、元の画像を再考した画像をつくり出せる。たとえば「水彩画」のような説明や「雑誌や新聞のコラージュ、破れたフチ」など、詳しいプロンプトを入力して画像を変更できる。

restyle

backdropは、画像のシーンや背景を変更するもの。「荘厳なオーロラの前にいる私」や「子犬に囲まれる私」のようなプロンプトで指示し、説明した背景と、その前にメインの被写体の画像を作り出せる。backdropはMetaのSegment Anything Modelからの学習を活用している。

backdrop

restyleとbackdropは、画像にAIが使用されていることを明示。人間が生成したコンテンツと間違われる可能性を減らす。また、目に見えるマーカーと目に見えないマーカーなど明示方法についても試行しており、AIを使った体験を安全で信頼できるものにしていくという。

音声や動画で反応する28のAIパーソナリティも用意。Snoop DoggやTom Brady、Kendall Jenner、大坂なおみらが演じるAIも用意される。今後数カ月で、パーソナリティを持つAIに検索機能を持たせ、会話もタイムリーで適切なものにしていく。