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LINEヤフー、7つのカンパニーに ZHD第1四半期は過去最高

Zホールディングスは3日、2023年度第1四半期第1四半期決算を発表した。10月1日に、ヤフーとLINE、ZHDの新合弁会社「LINEヤフー」の発足を予定しているが、売上収益は4,305億円(前年比10.2%増)、調整後EBITDA 999億円(同15.6%増)で、第1四半期として過去最高を更新した。また、PayPay連結の調整後EBITDAが初めて黒字化している。

業務委託費の削減や、販促費の効率化、LINE証券の事業撤退などの選択と集中により、増益を達成。10月以降、PayPay銀行やLINE Creditなど金融事業はZフィナンシャル傘下に集約。LINE証券は証券事業を移管し、黒字のFX事業にフォーカス、LINE銀行はプロジェクトを中止した。

10月1日以降は取締役体制をスリム化するとともに、カンパニーCEOが事業領域の経営に権限と責任を持つ体制に移行。7つのカンパニーは、検索、コマース、ローカル・UGC、メディア、エンターテイメント、コミュニケーション、マーケティングソリューションという組織体制に移行する。LINEは主にコミュニケーションカンパニーが担うこととなる。

広告は「底打ち」。ID連携で成長へ

セグメント別では、広告などのメディア事業が、売上高1,588億円(前年比2.1%増)、調整後EBITDAは620億円(同2.7%減)。コマース事業の収益改善のためショッピング広告が大きく落ち込んだが、ショッピング広告を除く広告関連売上収益は前年同期比+1.2%と「底打ちの兆し」という。

今後の成長については、10月に予定しているヤフーとLINEのID連携に期待しているほか、合併による両社プラットフォームのターゲティングや配信最適化の強化を予定。営業体制も強化し、両社の強みを生かした統合ソリューションを提供していくという。長期的には、ターゲティングメニューの高精度化や動画広告の強化、LINE VOOMのサービス成長などを見込む。

LINE公式アカウントは、6月に料金プランを改定。有償アカウント数が増加しているという。

10月に予定しているID連携は、LINEとヤフーのIDを連携することで、ユーザーの動向を把握した広告表示等を強化。「メディアや広告に徐々にプラスが出ていく」と見込む。

コマースも底打ち。合併で基盤拡大

コマース事業については、売上高は2,068億円(前年比0.6%)、調整後EBITDAは465億円(同24.2%)。収益性改善により、調整後EBITDA マージンは20%超えの22.5%となった。

全社eコマース取扱高は、9,825億円で前年同期比で70億円のマイナス。ただし、前期に大きく-7.9%と落ち込んでいた国内物販系取扱高が-1.9%まで回復し、底打ち傾向となった。Yahoo! ショッピング、LINE ギフト、ZOZOTOWN 、LOHACO等の国内ECは取扱高3,780億円で、成長率はマイナス8.0%。一方、トラベルは好調を維持している。

今後のコマース事業の成長については、LINEの会員を有料会員に誘導する「LYPプレミアム会員」の開始によるユーザー基盤の拡大を軸に据えていく。

PayPayは連結EBITDAが初の黒字化

PayPayなどを含む戦略事業は、売上高が654億円で成長率は115.9%。調整後EBITDAは27億円のマイナス。

PayPayは前年同期比40%の成長を継続し、ユーザー数は5,837万人、連結取扱高は3兆円、連結売上高は480億円。子会社化したPayPayカードを含む連結EBITDAは17億円で、初の四半期黒字化となった。

また、PayPayカードも会員・取扱高ともに前年同期比20%成長を継続。PayPay銀行もPayPayとのシナジーを活かして拡大している。

2023年度連結業績ガイダンスは、売上高が前年比14%増の約1.9兆円、調整後EBITDAが同10%増の3,560~3,660億円。