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公金受取口座、家族の登録が13万件

河野太郎デジタル相(デジタル庁 会見から)

デジタル庁は7日、公金受取口座の総点検の結果を発表した。誤登録の可能性が高いものは748件で、マイナポータルにおいて、本人ではなくあえて家族や同居人・別居家族の口座を登録したと思われるものが、約13万件確認された。

公金受取口座 748件が誤登録

「公金受取口座」は、給付金などの受取口座を事前に登録していく制度で、公的給付などを確実に支給するため、預貯金口座の情報をマイナンバーとともにマイナポータルに登録する。マイナポイント第2弾においても登録が推進された。

この「公金受取口座」において、誤登録が確認されたため、5月23日から「総点検」を実施した。公金受取口座に登録されている全5,400万件を点検した結果、748件の誤登録が確認されたという。この件数は登録件数の約0.001%。

事前に発覚していたケースでは、自治体等に設置された「支援端末」でマイナポータルに公金受取口座登録を行なった場合に発生。支援窓口の端末操作で、マイナポータルからログアウトしなかったため、次に同じ端末で公金受取口座の登録を行なった人が、誤って前に手続を行なった人のアカウントに預貯金口座を登録してしまった。今回の748件の原因の詳細はわかっていないが「その可能性が高いと思っている」(河野太郎デジタル大臣)。

誤登録された748件については、マイナポータルから口座情報を閲覧不可にし、給付を行なう行政機関等へ、口座情報の提供を行なう。一両日中には閲覧不可になる予定。また、6月中にも郵送で当事者に通知し、口座情報変更手続きを案内する。対象者には10月中の口座情報変更を呼びかけていく。

なお、誤登録があった口座への誤給付は発生していない。また、支援端末におけるログアウト防止改修も実施済み。

親の口座登録はNG。別人名義の公金受取口座登録が13万件

もう一つの問題は、公金受取口座として、本人ではなく、あえて家族や同居人、別居家族を登録したケースが約13万件確認されたこと。同一口座に複数名義が登録されており、全体の0.2%が別人登録だった。

子供の口座が無いため、親名義の口座を登録したケースなどが多いと見られる。しかし、公金受取口座が本人名義でないと、自治体などの給付を行なう場合に振込できず、口座確認の手間が発生し、将来の迅速な給付が行なえなくなってしまう。

そのため口座を本人名義に変更するよう呼びかけている。この件ではマイナポータルで通知を行ない、9月末までに訂正を行なうよう呼びかけていく。

これまでの自治体における給付では、世帯主を対象にしたものも多かったが、近年は個人宛ての給付が増加しているため、「本人」での登録を必須としている。

漢字氏名とカナ氏名の照合ができない問題を解消へ

デジタル庁では、「漢字氏名とカナ氏名の照合ができないことが根本課題」としている。

先日のマイナンバー法の改正により、振り仮名が公証されることなった(施行は2025年6月まで)ため、施行にあわせてシステム改修を行ない、自動照合を実現する。以降はこうした問題は削減できる見込み。

また、漢字氏名とカナ氏名とを照合可能な検知モデルを年内を目処に開発し、精度を確認した上で、登録データへの適用を検討していく。

また、口座登録開始時だけでなく、口座完了時にもマイナンバーカードを改めて読み込むことで、ログアウト忘れによる誤登録を防止するシステム改修を6月中を目処に実装する。