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ソニーのスタースフィア、衛星不具合で宇宙写真などサービス見直し

ソニーは、東大やJAXAとともに推進する「STAR SPHERE」(スタースフィア)プロジェクトについて、1月3日に打ち上げた超小型人工衛星「EYE」(アイ)に不具合が発生したと発表。サービス内容の見直しを図る。

EYEは、ソニー製カメラを搭載し宇宙空間からの撮影を実現する超小型人工衛星で、スタースフィア プロジェクトの核となるもの。現在は地球の衛星軌道上を周回しているが、姿勢制御システムに不具合があり、衛星の運用に必要最低限の制御は可能ながら、姿勢制御に制限が生じる状態になった。また、地上との通信にも制限が発生している。

スタースフィアは、専用のシミュレータを通じて、誰でも地上から衛星に指示を出して撮影ができるサービスを今年の春に開始する予定だった。静止画や動画、ライブ中継など、一般ユーザー向けからプロユースの本格的なサービスまでが検討されており、プロジェクト発表時には写真1枚で1万円程度、貸し切りで数十万円などの料金プラン案が発表されていた。

今回、衛星の姿勢制御に制限が生じたことで、従来のシミュレーターをそのまま使ったサービスの提供は難しく、同社は仕様変更を検討中。撮影やカメラのズーム機能などは利用可能なため、制限のあるなかで、何らかのサービスを展開する予定。

EYEは元々耐用年数(約2.5年)が決まっており、将来的には代替となる衛星が打ち上げられる可能性はあるが、現時点では未定。

【訂正】初出時、「衛星の姿勢制御ができない」と記載していましたが、運用に最低限必要な制御は可能とのことで記事内容を修正しました(4月14日追記)