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オフィスに戻り始めたマイクロソフト Surfaceは修理パーツ大幅増

マイクロソフトは、同社が取り組む「ハイブリッドワーク」に関するセミナーを開催。その中で、「Microsoft Teams Premium」や、Windows 11の新機能、Surfaceシリーズの修理体制の強化などについて説明を行なった。

マイクロソフトではコロナ禍以降の2020年2月から原則出社禁止、在宅勤務が主流となり、出社率は最も低い時期で5%程度だった。最近では出社も在宅勤務も可能な「ハイブリッドワーク」の試みを推進しており、直近の出社率は18%になっているという。同社は元々コロナ禍以前から多様な勤務体系をとっており、コロナ禍以前でも出社率は7割~8割程度だったという。

出社の目的としては、従来は会議や上司などの報告が主だったが、最近では一緒に働くメンバーとのコミュニケーションを行なうために出社する社員も増えてきた。直接会ったことがないメンバーとのコミュニケーションを促進するため、社員の自己紹介アプリも開発し、活用している。

こうした環境を支えるテクノロジーの一環として、Teamsベースの新たなサブスクリプションサービス「Microsoft Teams Premium」やWindows 11に搭載された新機能が紹介された。

Teams Premiumは、12月にプレビュー版の公開が予定されているコミュニケーションツール。新たに会議での発言をリアルタイムで多国語に翻訳し、字幕として表示できる機能や、アバターを使って会議に参加できる機能などが搭載される。

リアルタイムに多言語で翻訳して字幕表示
オンライン会議でアバターも選択可能に

Windows 11は、9月に配信を開始した「Windows 11 2022 Update」を紹介。クラウドPC「Windows 365」との連携が強化され、タスクビューから仮想デスクトップとクラウドPCを素速く切替え可能になったほか、デバイスの起動時に直接クラウドPCを起動したり、インターネット環境が無い場合でも作業を継続し、回線回復後にクラウドに同期するオフライン機能が実装された。また、タスクバーやスタートメニューからWindows 365を直接利用できるパブリックプレビューも公開している。

Windows 365と連携強化

その他、スタートメニューの表示方法をカスタマイズする機能や、「エクスプローラー」にタブ表示機能を追加し、一つのウィンドウで複数のタブを利用できるようになった。

スタートメニューの表示方法をカスタマイズ可能に
エクスプローラーで「タブ」が利用可能に

また、アップルの「iCloud フォト」を統合した「フォト」アプリの提供も開始。Microsoft Store経由で順次、Windows 11ユーザーが利用可能になる。フォトアプリからiCloud フォトを直接開けるため、iPhoneで撮影した写真をPCで手軽に利用できるようになる。

「フォト」からiCloudを利用できる

Surfaceシリーズの修理可能パーツが大幅に増加

ハイブリッドワークを支えるには、ハードウェア環境も重要だという。コロナ以前の在宅勤務では、現在ほど頻繁なリモート会議は行なわれておらず、在宅で行なう業務の幅も広がったことから、PC自体の性能向上も必要になってきた。

そのため、同社が展開しているSurfaceシリーズは現在、ハイブリッドワークを重視して開発されているが、それと同時にサステナビリティに関する取り組みも行なっている。二酸化炭素の排出量削減は勿論、廃棄物の量を減らしてデバイスの寿命も延ばすことも重要とし、循環性を重視した設計を行なっているという。

このため、Surfaceで修理可能なパーツを大幅に増加した。例えば、Surface Pro 8で修理可能なパーツはスクリーンやキックスタンドなど4項目のみだったが、Surface Pro 9 5Gでは、17項目に増加している。修理可能な部位を増やすことで、デバイスの寿命の延長して廃棄物の量を減らしていく。

修理可能項目が大幅増加